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映画『ミッション:8ミニッツ』可能世界を行き来する物語です

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ミッション:8ミニッツ (2011)アメリカ

主人公が可能世界を行き来する物語です。ということで、俺の大好物な内容を扱っている。前半は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と比較しながら内容について。後半はそれを踏まえつつ、可能世界を行き来する物語に起こる、いろいろのことについて考えようかと。ただ、こないだ『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の紹介で書きたいことはほぼ書いたし、同作品についても触れるので、可能であれば、先に↓こちらをご覧いただけると幸いです。

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ネタバレ 誰もが唯一無二の存在である!
飽きずに最後まで楽しめます。前半は主人公の死にっぷりでけっこう笑えるし。てなことで、前半はいつもみたいに作品についての話。中盤以降は作品を通じて、成長するとはどういうことなのかを考える話。最後は時間軸の扱い方など作品を通じて考えたことについて話したいと思います。

解説:列車爆破事件の乗客の死の8分前に潜入して爆破犯を突き止める極秘任務を受けた男が、ミッションの謎に迫っていくサスペンス・アクション。監督は「月に囚われた男」が高評価を受けたダンカン・ジョーンズ。出演は「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」のジェイク・ギレンホール、「イーグル・アイ」のミシェル・モナハン。(KINENOTE)

あらすじ:ある朝。コルター・スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)は列車の座席で目覚める。目の前の女性(ミシェル・モナハン)が、親しげに話しかけてくる。だが、コルターには自分がなぜここにいて、彼女が誰なのかわからなかった。陸軍大尉のコルターは、アフガニスタンで戦闘ヘリを操縦していたはずなのだ。鏡を覗きこんだ彼の眼に映ったのは、見知らぬ別人の顔。所持していた身分証明書には、“ショーン・フェントレス:教師”と記されていた。そのとき突然、車内で大爆発が発生。なす術もなく炎に飲み込まれていった……。コルターが意識を取り戻したのは薄暗い密室。モニターに軍服姿の女性・・・(以下略)(KINENOTE)

監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ギレンホール/ミシェル・モナハン

以下、ネタバレあり!

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肩肘張らず、誰でも楽しく見られる良作!

何だこの描写? これどういうこと?! と冒頭から引き込まれていくうちに、あっという間に劇終を迎えられるコンパクトにまとまった良作。最初は何だかよくわからないけど、楽しみながら筋を追っていくだけでわかるようになっているし、スッキリした気分で鑑賞を終えられるところも好感度大です。

この映画のポイントは、同じ8分間を何度も繰り返すというところにある。何度も失敗を繰り返して解決策を見出していくところなんかは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』とかなり似ているよね。というか同じだ。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と異なるのは、ジェイク・ギレンホール演じる主人公が、トム・クルーズ演じた主人公ほど最初からへタレでないところ。なかなか優秀な軍人だったようで、階級は大尉。宣伝担当の某少佐より、全然優秀である(笑)。

だから、今回は主人公の成長物語ではない。むしろ、様々あった人生に落とし前をつける物語とでも言おうか。そして、文字通り別の男に生まれ変わって人生を歩み出す話なのである。

 

君にとっては同じ人間だけど、実はみんな、全然違う特別な存在なんだよ

てことで、まず個人的にいいたいことを。主人公が会話をした父親は、真の父親ではありません。彼の元いた世界の真の親父は、息子と話しをすることなく、彼の死を受け入れざるを得なかった存在として元の世界に生き続けているはず。

また、彼は目覚めた時に出会う女性と、最後はハッピーエンドで終わっているけども、その間には何度もミッションを失敗しているのだから、他の可能世界で出会った彼女は死んでいるのである。たまたま最後に出会った彼女は運がよかったにすぎない。

だから、ミッションを繰り返すごとに会う彼女に「きっとうまくいく」と言ったり、言ってもらったりしているのは、けっこう酷いことなんである。なぜなら、それを言い合っている世界の彼女は、死んでいるから。二度と生き返らない人だから。これを主人公はちっともわかっていない。なぜなら、この作品においては主人公だけが、記憶を残したまま同じ世界を行き来しているつもりでいられる構造だからである。

つまり、この映画も可能世界ものにありがちなあれが起きている。たくさんの可能世界の中で犠牲にしてきた人たちについて、主人公は一切省みることがないーーというあれである。酷い。

よく考えてみると、かなり優れた装置だよね

あと、ひとつ疑問なのは、主人公は軍人さんで、可能世界で乗り移る人は、教師? かなんかでしょ? ラスト、主人公は自分の過去を清算して、ある程度はスッキリした気持ちでいるんだけど、乗り移った相手にももちろん人生があったわけで知り合いもいるだろうから、その辺とはどういう関係をつくるんだろうか?

真の彼(教師)は死んでるけど、主人公が中の人となって彼の人生を生きるのは、そう簡単なことではないと思う。でもそこには言及されない。まぁそういうことを描いた作品じゃないから仕方ないんだけど。

てなわけで、あの8分を繰り返す世界は「プログラムの世界だ」と科学者みたいなオッサンが言ってたものの、実は可能世界だったのである。コンピューターで現実の世界と同じくらいに細部のある世界が構築できるのかってところは甚だ疑問だし、そう考えると設定がかなり荒唐無稽な作品ではある。

と書いているうちに、自分でも何を言いたいのかなんだかよくわからなくなってきて、落としどころがなくなってしまった感あるので、今回はこの辺で。

疑問を呈している部分は作品を腐しているのではなく、本当に個人的な問題として考えたいところなので、楽しく見られる作品であることは間違いないです。おススメ。

これと似たようなことに触れている記事は、下記になります。

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