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KINGカズはなぜKINGなのか? 自分が自分の人生の王であることを知っているから

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KINGカズはなぜKINGなのか?

KINGカズことプロサッカー選手の三浦知良氏(以下、敬意をこめてカズ)。2月26日に50歳を迎えたカズが、所属する横浜FCのJ2開幕戦に先発出場したそうです。今回は前日に彼を特集したスポーツ雑誌、Number922号を読んだこともあって、カズの話をしつつ、続けられること、何かを達成するにはどうすればいいかってことを考えたい。

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Numberは面白い雑誌です

最近のNumberの特集は面白い。先日の920号もボクシングを特集した号が出てて、今回はカズ。2つとも迷わず購入してしまった。個人的にNumberの記事って、選手の心情とかを出したいがために、ウェットな内容というか、書き手の思い入れが出過ぎてジメジメした感があってそんなに好きではないんだけど、自分の思い入れのある選手の記事になると、確かにその書き方や視点がすごく真に迫っていて、楽しく読めるんである。だから、毎号読もうとは思わないんだけど、なんだかんだで好きな雑誌。

で、今回のカズを特集した号を面白く読んだかというと、もうちょっと一志治夫氏のインタビューが長かったら良かったなと思いつつも、それなりに満足できる内容でした。中田英寿氏との対談も良かった。中田氏の人柄とか考えにも触れることができるから。

あと、元日本代表監督の岡田武史氏がフランスワールドカップでなぜカズを選ばなかったかっていう話は、特に新たな発見もなかったからそんなに心に響かないけども、このインタビューを岡田氏が受けたってとこに意味があるし、本当に時代の流れを感じる。ちなみに俺は、岡田さんの理論派で知識豊富なところ、すげぇ好き。これまでのインタビュー記事とか出している書籍とか、どれも面白いのでお勧めです。

カズに興味を持ったのはいつか

話を戻して、カズがサッカー選手として技術的な部分ですごいかどうかって問われると、俺にはよくわからない。俺が10代の頃にアメリカワールドカップ予選のエースとして奮闘してたこととかJリーグが開幕して、当時の読売ヴェルディで活躍してたのはもちろん見てたし知ってるけど、では度肝を抜かれるプレーをして心を奪われたかっていうとそうでもないんだな。

選手として印象に残るようになったのは、フランスワールドカップの代表メンバーに選ばれずに「代表の魂みたいなものはフランスに置いてきた」と発言して以降から。その後彼は、クロアチアのリーグでプレーしてから日本に帰ってきて、京都サンガでの活躍が認められて代表に復帰することになるんだけど、たぶんこの頃から、サッカープレイヤーだけでなく、人間、三浦知良氏のことに興味を持ったんだと思う。

プレイヤーとして好きな選手はもっと他にいたけども、カズはそういう選手たちと同列では語れないんです。単なる競技者ではなく、一人の人間として輝いて見える人が、カズなんだと思う。

カズの何が偉大なのか

では、興味を持って以降のカズがなぜ好きなのかっていうと、もう単純に男としてカッコいいから。それに尽きる(もともとカッコよかったんだろうが、それに気付いたのがその当時ってこと)。この特集号においてもそうだけど、最近も連載が続く日経新聞の彼のコラムで書かれているカズの物事に対する考え方、本当に見習いたい。

それは自分と闘い続ける人だから

彼の言動にあるのは常に、己自身との闘い。何かを言い訳にするわけでもなく、何かのせいにするでもなく、いつも自分が向上するために己の道を追求する。サッカーが好きすぎて、それだけのために人生を費やしてきた。1つのことを延々と続ける難しさ、辛さを知っていながら、若い頃よりもそれにかける時間を増やしていくストイックさには、並ぶ者がいない。誰にも理解できない境地に達しているようで、ある種の求道者的な、悟りを開いてしまうんではないかというくらいのレベルに至っている。

失敗だの挫折だの他人のくだらない誹謗中傷だのなんだの、そうしたことまでも己の糧にしてしまえる克己心と人間的度量。もはや宗教の創始者レベルにいるでしょ、この人。つまり、信者を集めるために生きているつもりではないのに、彼のやっていることをツールにして、何かの組織をつくって彼をあがめ奉ることで人に何かを強制しようとする弱くてずる賢い人間が出てきてもおかしくないレベルにまで、カズの人間性は高みにあるのだ。

好きだから。それが全て

カズが現役でいる原動力は憶測にすぎぬにしても、多分、サッカー好きだから。好きすぎて仕方がないから続けられるということだ。という意味ではシンプル過ぎる。だけど、それを続けることってできるか? できないですよ、普通。だから普通ではないし、できる人とできない人の差ってなんなんだろう? って思わされる。

私的な話で言うと、俺は30代後半を過ぎてから、仕事を通じてスポーツのプロ選手として活躍した人をはじめ、数十人の著名人から話を聞く機会を得てきた。その中で少しだけわかったのは、彼らに共通しているのは、自分が生業としていることが本当に好きということだ。中には割り切って仕事として考えている人もいるんだけど、そういう人でも、俺の仕事に対する姿勢とはレベルが違う努力をしていて、それってやっぱ、好きだからできているのである。

誰も自分の生まれる環境は選べないけど…

カズのすごさは、プロレベルの人たちの中でも、彼らプロを平身低頭させてしまうくらいにサッカーが好きだということなんではないか。

自分も何かの好きさや興味があってそれを僅かながらでもそれを仕事にできている部分はあるけども、何を仕事にするにしても、それに向かう熱量の違いが差を生むんだってことを痛感させられる。でもここ数年で感じているのは、何かを好きになることって後天的なことだけでなく、幼い頃の環境によってとか、育てられる環境によって培われる性質、性格とかによる部分も多いということだ。

つまり、何かを達成できない、あきらめざるを得なかった人と彼らの差は、自分だけではどうにもできない運によるところも大きいということ。身も蓋もないけど、俺はそれって事実だと思う。ある意味、俺みたいな凡人にしてみれば、不条理に感じる部分ではある。

だけど、そうは言っても、そうは言っても、幼い頃に夢見たことが達成できなかったとか、やりたいことが何も見つからないとか、それが成し遂げられなかったのは生まれた環境や育った環境がどうだったから――と、言い訳したって意味がないのである。単に、自分がやらなかっただけなんだから。

ということで、何かを達成した人たちは、きちんとそのたびごとにやるべき局面でやり尽くしてきたから、数多くのチャンスや出会いの巡り合わせを経て、それをものにしてきたということも、疑いなき事実なのである。だからやっぱり、境遇を言い訳にはできないのだ。

カズから目を離してはいけない

でもそういう何もできない、成し遂げられていない人間だって、楽しく何かにのめりこんで生きられたほうが人生楽しいに決まっている。じゃあどうするのか?

そういう時にこそ、カズを見ればいいのだ。カズの言動を、カズの一挙手一投足を追ってみればいいのだ。人生の楽しみかたをカズは知っている。だからこそ、カズはKINGなのだ。何かの奴隷にはならずに自分の人生をコントロールできる強さを持つのがカズであり、それこそが、カズが王様であり続ける由縁なのだ。

 

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