サマリタン
サマリタンというヒーローが好きなマニアの少年が、近所の老人をそのヒーローと思い込んでストーカーしてたら、その推測が当たってたっぽくてワクテカ。だが、街のチンピラと悪い関係になってしまい危機に陥る。ヒーローと思われるオッサンはどうするのか、という話。老人のスタローンがハンマーを持って特攻アクション。スタローンが出てなければ観る必要がない、大して面白くない珍作。ネタバレあり。
―2022年配信 米 102分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ブラギ・シャットが脚本を担当し、ジュリアス・エイヴァリー(英語版)が監督を務めた、2022年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。シルヴェスター・スタローン、ジャヴォン・“ワナ”・ウォルトン(英語版)が主演。Schut、Marc Olivent、Renzo Podestaが描いたMythosComicsのグラフィックノベルがベースになっている。本作は、スーパーヒーロー映画のダークで新しい一面と評されている。(wikipedia)
あらすじ:13歳のサム・クリアリー(ジャボン・“ワナ”・ウォルトン)は、隠れるように生活を送るミステリアスな隣人、ミスター・スミス(シルベスター・スタローン)が実は25年前に死んだとされる伝説の人物ではないかと疑っている。犯罪が増加し、今にも町が荒れ果てそうになるなか、サムは町の荒廃を阻止すべく、身をひそめる隣人を誘い出そうと奮闘する(amazon)。
監督:ジュリアス・エイヴァリー
出演:シルベスター・スタローン/ジャボン・“ワナ”・ウォルトン/ピルー・アスベック
ネタバレ感想
Amazonプライムで配信されてたのを鑑賞。アメコミのヒーローものなのかなと思ってたら、グラフィックノベルがもとの作品らしい。しかしまぁ、最近はヒーロー作品多いよなぁ。俺はアメコミにはまったく興味がないので、何でこんなにそれを基にした作品がつくられて、しかも、いずれもそれなりに人気を博しているのか、ようわからん。
とは言え、スタローンが出てるんなら見るしかないわけで、こうやって鑑賞したわけだが、なんというか、まぁつまり面白くないのである。彼が90年代くらいに出演した『ジャッジドレッド』レべルかなぁという印象。
スラム街みたいなところで母親と貧乏暮らしをしている13歳の男の子が、25年前くらいにいたらしい、サマリタンというヒーローに憧れてて、彼についての研究みたいなのをしてるんだけども、13歳にしてはこの少年が幼く見えちゃうし、趣味がヒーロー好きってのがなんだかね。
その割には町のチンピラと嫌々とは言え付き合いがあり、それなりに悪さを働いてるもんだから、そのギャップに余計違和感を覚えてしまう。まぁ俺は中年のオッサンなんで、最近の少年たちがどういう人物像なのかなんて知る由もないし、ましてやこの作品の舞台はアメリカのどっかの架空の町なんだろうし、さらには虚構作品なわけだから、そんなことにイチャもんつけて腐したって仕方ないんだけど。
ともかく、もともと双子の兄弟だったサマリタン(善人)とネメシス(悪人)っていう超人が、25年前に喧嘩して消えたっていうことになってるという前提で物語は始まり、少年の近所に住んでた老人が超人で、少年はこいつがサマリタンだと信じ込んでたんだけど実は、ネメシスだったーーという話。スタローン扮するスミス老人がネメシスだったってのは、何となく推測はつくので特に驚きはない。
この双子超人の確執の真意や、なぜネメシスが生き残ることになったのかなどは、一応の説明があるんだけども、なんかわかるようで良くわからん印象にも残らないお話であって、詳細は覚えてない(笑)。
いずれにしても、ネメシスはその喧嘩のあと、いろいろ思うことがあったようで、人間世界でひっそりと暮らしてて、それを少年に見つかってしまい不本意ながらも付き合っているうちに、街のチンピラ集団と対決することになる。
老齢に達してこの超人はなんだか悟りの境地に至ってるような感じで、少年に金言めいたことをいろいろ言うんだが、要するにそれは、「戦うよりも逃げる方が賢い」て感じの処世術。「自分の人生に関係ない奴に立ち向かって命を落としちゃうなんてバカバカしい(うろ覚え)」とか、確かにそうだなぁと納得できる話ではあるが、図らずも自分がそんなバカバカしいことに巻き込まれていくのである。
この辺のセリフを見るに、元悪人が長い月日を経て、善的な心を芽生えさせていったのかもしれんなぁと思わせなくもない。また、「誰の心にも、善と悪がある」。なんて当たり前のこともラストのほうで少年に伝えていたから、そもそも世間的に悪と善の戦いと思われていた25年前の喧嘩も、単なる人間たちの憶測にすぎず、双子たちはどちらも善であり悪であるような行為をしていたのかもしれんと想像できなくもない。大して面白くもない作品なので、しなくてもいい想像ではあるが。
70歳をとうに超えてるスタローンがハンマーを持って敵の軍団に特攻ぶちかますのは、なかなかワクワクするし、本人がアクションできてるのは凄いなぁと思うものの、スタローンじゃなければ観る必要なんてまったくない、しょうもない内容であるのも確か。
とはいえ、ドルフラングレンやセガールと違って、何かの期待をさせてくれるのがスタローンであって、であるからこうやって鑑賞する気になるのである。ということは、やっぱり彼は未だに一線級の映画人ということなんでしょうな。さすがである。万歳、スタローン!
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