バーニングダウン爆発都市
前作とは何のつながりもなさそうなシリーズ2作目。過去の話になったり現在に戻ったりする展開で主人公の真意をつかめなくしている演出は楽しめるが、わかりづらくもある。細かいツッコミどころもあるんだが、けっこう面白い爆発映画。ネタバレあり。
―2022年公開 香=中 121分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アンディ・ラウが「ホワイト・ストーム」に続き、ハーマン・ヤウ監督とタッグを組んだアクション。爆発に巻き込まれ左足を失ってしまった爆弾処理班のエース、フォン。警察を辞め、姿をくらませたフォンだが、組織によるホテル爆破の現場で重体となって発見される。共演は「レクイエム 最後の銃弾」のラウ・チンワン、「悟空伝」のニー・ニー。(KINENOTE)
あらすじ:香港警察の爆弾処理班に所属するフォン(アンディ・ラウ)は、数々の事件を解決してきたエースだったが、ある日、爆発に巻き込まれ左足を失ってしまう。恋人や同僚の助けもあり、義足とは思えないほどその機能は回復するが、上層部はフォンの現場復帰を認めなかった。仕事一筋だったフォンは自暴自棄になり、警察を辞め、行方をくらませた……。そのフォンが、テロ組織「復生会」によるホテル爆破事件の現場で、重体の状態で発見され、容疑者として病院に収容される。尋問を受けるフォンだったが、爆発の影響で過去の記憶を失っていた。そんななか、復生会が乗り込み、フォンを救い出そうとする。「なぜテロ組織が俺を助けるのか……」。断片的に蘇る記憶に葛藤しながら、フォンは病院から脱走する……。(KINENOTE)
監督:ハーマン・ヤウ
出演:アンディ・ラウ/ラウ・チンワン/ニー・ニー/フィリップ・キョン
ネタバレ感想
レンタルで鑑賞。アンディラウってもう60歳くらいだっけ? いつも同じことを言ってるけど、本当に若いねぇ。ちゃんと動けてるところもすごい。今作で彼の元相棒役を務めるラウチンワン(彼は50代後半くらいか)のほうが老けて見えるからね。んで、相変わらずカッコいい。
内容について結論から言うと、結構楽しめた。なかなか良いです。1作目はどんな話だったかほとんど覚えてないけども、今作のほうが好印象だった。
冒頭で書いたように、過去と現在を行ったり来たりして、アンディラウ演じるフォンが潜入捜査官なのか、テロリストなのか、鑑賞者にどっちかわからないように進めていく展開によって、鑑賞者の興味を惹くような脚本になっているのは、お見事と思った。ただ、最初の核爆発のシーンで、主人公が死ぬんだろうなってのがわかっちゃうような説明が入るのはいかがなもんかと思ったが(笑)。
ついでに、仕事大好き人間のフォンがテロリストに堕ちていくまでの豹変っぷりがサイコ野郎すぎねぇか。片足失っても現場に出続けたいとか、どんだけ爆弾処理好きなんだよ(笑)。しかも、あんだけ人を救うことに命を懸けてた人間が、人殺し集団の行為に加担していく過程もあんまり説得力なかったなぁ。
他にもツッコミたいところはあって、ラウチンワン扮するドンが、テロリストのスナイパーに狙われながらも爆弾処理をするシーン。防火服で守られているとはいえ、撃たれながら爆弾処理をするドンに対して、射程距離外から何もできずにそれを眺めている警官たち。
しかも、狙撃手の位置を警官たちは特定できないのだ。で、撃たれながらも必死こいて爆弾処理してるドンから「5時から6時の方向」とか教えてもらってんの。ドンが背中を撃たれてんの見えてんだから、どっちの方向から狙われてるのかぐらい、すぐにわかるだろ。
とか文句ばっかり言ってるが、いい所もある。まずは、ラウチンワンとアンディラウの共演が久しぶりに見られたこと。たぶんジョニー・トー大先生による『暗戦デッドエンド』以来の共演なはず。さらにもう一つ、警察のチームリーダー的な存在を演じているフィリップ・キョンがなかなか強い所がよろしい。
この役者さんって何かダメ人間な役割を演じることが多いという(俺の勝手な)印象があって、今作でもどうせ、死んじまうような役どころなんだろうなぁと思ってたら、けっこう強くて、ハンドガンだけでアサルトライフルみたいなんで武装してるテロリストたちと戦っちゃうし、警官としての捜査能力が優秀かというと、そうでもないんだけども、戦闘力だけは高くて驚いた。しかもそのアクションがけっこうカッコいい(笑)。
てなことで、大味な展開の中で銃撃戦やら追いかけっこやら大爆発やらが起こる、いかにも香港映画的な内容が好きな人は、けっこう楽しめるんではないか。
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