ゾンビボーダーランド めざせ!アンデッドのいない国境地帯へ
クロアチアで起こったゾンビ騒ぎに巻き込まれた人々がジタバタするゾンビコメディ、ゾンビをだしに使って、クロアチアとセルビアの関係などをブラックジョークで表現しているっぽいが、その辺の歴史的知識がないとよくわからん部分が多い。ネタバレあり。
―2019年製作 克=塞 88分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:突如発生したゾンビパンテミック!首都を襲った原因不明の感染症は人々をアンデットに変えた。病院に避難したセレブのモティカはそこでゾンビから逃れてきたミステリアスなビジネスウーマン・ヴェスナ、ドラッグとお酒に溺れる国民的女優のフランカ、そして、スキンヘッドのマクスたちと出会う。彼らはゾンビから逃れるため国境地帯をめざす。だが、マクスが噛まれゾンビと人間のハーフになってしまうなどピンチに遭遇!やがて、4人はゾンビで国家を滅亡させる計画に巻き込まれていく!(amazon)
監督・脚本:プレドラグ・リチナ
出演:クレシミル・ミキッチ/フリスティーナ・ポポヴィッチ/ティハナ・ラゾヴィッチ/ダド・チョーシッチ
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。最初は普通のゾンビ映画っぽい始まり方。ところが主人公と思われた男がイキなりゾンビに噛まれちゃうので、あれ、こいつ主人公じゃないのかなーとか思ってたら、どうも謎の免疫があるらしいことに本人が気づき、その情報をゾンビ対策本部みたいなところに知らせるために動き始めたら、そこに彼のあこがれの女優が絡んだり、半セルビア派の青年が絡んだり、ゾンビ騒ぎを起こした組織の一因らしい女性が絡んだり、クロアチア在住のセルビア人が絡んだりしてきて、みんなでジタバタする展開になっていく。
驚いたのは、ゾンビ騒ぎが始まってさほど時間が経っていないうちに、突如宇宙ステーションみたいなのが出てきて、そこはどうやらなんかの企業らしく、その役員みたいなやつらがゾンビ騒ぎを起こしたということが判明するというトンデモ展開に。
そこに、旧ユーゴスラビアの国だったクロアチアとセルビアの民族紛争的な問題をブラックユーモアを交えてゾンビ騒動の中に散りばめられている。
しかも、物語が進行するにつれて、この民族問題が物語の大きなカギを握るようになっていき、モティカらの奮闘で血清みたいのができたと思ったら、その血清を打たれたゾンビは別の生命体「新セルビア人」なる存在になってしまい、こいつらが徒党を組んでクロアチアを支配せんと暴れ始めるのである。
なんなんこれぇ…と物語について行けない気分になっていると、上述の企業と癒着してるらしき軍人のお偉いさんが、人間だけを蒸発させてしまうという人間爆弾なる兵器を投下。
これによって新セルビア人含む、クロアチアにいた人たちは跡形もなく消え去ってしまうんである。オイオイオイオイ。と思ってたら、モティカと女優と、彼に協力的だった少年だけは生き残ったことがわかり、劇終を迎えるのであった。
メチャクチャ適当にあらすじを紹介したけども、ともかく旧ユーゴの歴史的知識があんまりない俺にはそれにまつわるギャグやら物語展開について行けなかったなぁ。単なるゾンビコメディバカ映画としてはそれなりの出来には思えるんだけども、やっぱりなんだか消化不良気味。
唯一の面白味と言えるのは、モティカのあこがれの女優が演じているのが、ワンダーウーマンのパクリみたいな衣装を身にまとった戦士で、彼女はその役をバカにしているのに、話が進むにつれて段々とその役割を現実の中で演じるようになっていくところ。
でも、どうせそういう展開にするなら、看護師の衣装着させるんではなく、ずっとその役柄の衣装着させてくれてたほうが、個人的にはもっと楽しめただろうなぁと思うと、そこも残念。
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