ポーカーナイト 監禁脱出
新米刑事がベテランたちとポーカーに興じつつ、刑事としてのノウハウを授けられる展開と、その新米が幼女誘拐殺人犯に恋人と共に監禁される話が錯綜する物語。二転三転する内容についていければ楽しめる。ネタバレあり。
―2014年製作 加・米 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:小品ながら、二転三転する大胆なストーリー展開、クエンティン・タランティーノ監督の犯罪映画のように回想シーンを多用する手法、どぎつくない範囲ながらショッキングなグロテスク描写など、創意工夫にあふれる、インディーズの犯罪サスペンス映画の要注目作だ。「ヘルボーイ」シリーズのR・パールマン、ドラマ「ブレイキング・バッド」のG・エスポジート、ドラマ「ER 緊急救命室」のR・エルダードなど、癖のある実力派俳優陣で脇を固めたのも映画・ドラマ好きは楽しめる。WOWOWの放送が日本初公開。(WOWOW)
パトロール警官から刑事に出世したばかりの青年スタンはある晩、先輩刑事たちとポーカーに興じるが、先輩の昔話には教訓が込められていると強調される。彼らと別れた直後、スタンは警察無線で少女エイミーが誘拐された事件を知り、犯行現場に一番乗りするが、謎の男にスタンガンで気絶させられる。スタンが目覚めたのは3日後、森の中の一軒家で、別の部屋ではエイミーが監禁されていた。実はスタンとエイミーは恋人同士だが……。(WOWOW)
監督:グレッグ・フランシス
出演:グレッグ・フランシス/ボー・マーショフ/ロン・パールマン/タイタス・ウェリヴァー/マイケル・エクランド
ネタバレ感想
冒頭の描写は伏線?
全然期待しないでレンタルしたら、なかなか楽しめた。冒頭で主人公が奥さんの浮気現場を目撃したり、酒に酔ったのか事故ったりする描写があって、物語の伏線かと思わせるのだが、あれは冒頭のコメントを強調するたとえ話みたいなもんだったようだ。俺は最後までなんか関係あるのかと思ってたけど、そういうことはなかった。
娘の親父は誰か
で、劇終して思ったのは、主人公は奥さんに浮気されて(冒頭のあれが想像の話でなければ)独り身ぽいけど、それでよかったんではないか。あんな若くて可愛い娘に好かれているんだから(笑)。ちなみにこの美少女は主人公の先輩刑事の娘であることが、中盤で判明する。
アマゾンとかKINENOTEの解説だと、彼女の親父が警部補のカラブレーゼってことになってたけど、それは間違いじゃないかな。そうではなくて、ポーカーナイトを始める前、主人公に「俺はおまえのことなんて認めてない」って告げる刑事が、彼女の親父だったはずなんだけど。彼の名前が思い出せない。もうDVD返却しちゃって確かめられないのが歯がゆい。
てなことで、以下は内容に対する突っ込みです。
※その前に、この記事のタイトルと以下の内容に対して「経験談が役に立っていないと言っている人間は、誰がどんな経験を語ったのか、主観はどこかをもう一度考えてほしい。」というコメントいただきました(この記事の文末参照)。今後閲覧してくれる人のため、参考までに。ちなみに、それとは逆のコメントや、おもしろい解釈もいただいてます。皆さんありがとうございます。2018/9/17、10/11、10/18
過去と現在が錯綜
いずれにしても、ポーカーのシーンで主人公はベテランたちに話を聞き、刑事として大事なことを教えてもらう。ベテランたちの体験をきっちり再現して描写し、鑑賞者にも観させるのだが、これが話の本筋の間に何度も入ってくるので、なかなか本筋の物語に没入しづらい。
ベテランの教訓が役に立たん
しかも、そのベテランたちの教訓を糧に主人公が現在起こっている窮地を脱出するのかというと、どうもそうは思えないのである。何度か窮地を脱出はするものの、それは別の手法によって行われているように、俺には見えた。となると、あの長々としたそれぞれの描写って意味あったんだろうか(笑)。
さらに、そうやって偉そうに武勇伝を語っていたベテランの中の2名が、けっこうアッサリと主人公の事件に巻き込まれて落命しちゃうのだ。
オイオイオイオイ
なんだよ、もっと頼りになるかと思ったらその程度かよ。2人とも真相に肉薄するものの、油断して犯人に背後から襲われちゃう。もう少し用心深くしててもらいたいんだが。もしくは応援を連れてくるとか、いろいろ策はあるだろ。なんで一人で来るの?
やっぱりポーカーナイトが効いてない
てなことで、いろいろあって犠牲者も出しつつ劇終を迎えたら、実は犯人は逃げおおせているという。なんだよ、それ。主人公はそのことを知っていて、いずれ捕まえてやるぜ! みたいにニヤリとしているんだが、捕まえられてない癖に、自分の後輩にポーカーナイトで教訓を伝えようとしているシーンで劇終。
アホか。おまん解決できてない事件のことを偉そうに語るのか。なるほど。そうやって虚勢を張って自分の体験を盛っちゃうのがあのポーカーナイトなんだね。だとすると、おまんの先輩らの話もきっと、嘘てんこ盛り、自分を大きく見せようとする小物の作り話ってことだったんだろうなぁと思った。多分に俺の想像が入っているものの、あんなラストにしちゃったらそう思われても仕方ないと思うぞ。内容はそれなりに楽しめたけど。
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コメント
この映画の本当の真相に辿り着けていない残念なレビュー。ポーカーナイト・経験談が役に立っていないと言っている人間は、誰がどんな経験を語ったのか、主観はどこかをもう一度考えてほしい。
今後閲覧してくれる人のために、コメントの一部を本文内で引用させていただきました。
役に立っているようには見えません。最初から最後まで一人で行動してなきゃ良いだけの話で、何人も犠牲になってるし、自ら誤射されて学んだその教訓も最後まで生かせないで被害者誤射して終わり。
ホラー映画の「こんな所に居られるか!俺は一人で部屋に戻るぞ」を刑事全員でやってると言うギャグ映画ですね。
テンポとか作りは良いと思います。
やっぱ観る人によって感想というか、解釈も変わるもんですね。確かにギャクにも思える(笑)。いずれにしても、けっこう楽しめる映画でした。sinzenさん、コメントありがとうございます。
個人的にはもしかしたら主人公の作り話だったんじゃないかなと思ってます
劇中の主人公ではなく犯人の行動に先輩達の武勇伝を当てはめてみるとか?
動機は娘との交際を認めていない父親を殺すこと
犯人が自らの事を独白する時も両親を殺して巣立つ時が来たみたいなことを言っていたので昇進するための足掛かりにしたのではないでしょうか
ラストのシーンは事件を解決させ、捜査を終わらせるための身代わりで世間的には解決したことになってるんじゃないかと思います
弟子が出来たというのもエイミーのことではないでしょうか
先輩の誰かが言っていた「優れた犯人は捕まえられずにいる」という言葉も、現状選りすぐりの警官OBに気付かれずにポーカーをしている主人公に当てはまるのではないかと思います
犯人と主人公の環境(真面目で平凡な生活、妻がいた)や性癖(少女好き)も若干似ているような気もします
しっかり検証したわけじゃないので矛盾があるかもしれませんが、そういう考え方も面白いんじゃないかと思います!
なるほど! 確かにその観かたはおもしろいし、納得できる部分がありますね。最初にコメントくれた人もそういう感想を持ったのかもなぁとも思いました。何が正解とかはさほど重要ではなくて、観る人によっていろいろな感想があって最後まで楽しめるという点で、この作品は良作なんだなとあらためて思いました。コメントありがとうございます!