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映画 嘆きのピエタ ネタバレ感想 母性愛を描いたキムギドク作品

嘆きのピエタ
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嘆きのピエタ

―2012年製作 韓 104分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:天涯孤独の借金取り立て屋と、彼の前に現れた母を名乗る女性との交流が導く思いがけない真実を、二転三転する物語の中に描いたサスペンス。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。監督は「うつせみ」で同映画祭監督賞を受賞したキム・ギドク。出演はテレビドラマ『ピアノ』のチョ・ミンス、「マルチュク青春通り」のイ・ジョンジン。(KINENOTE)

あらすじ:30年もの間、親の顔を知らず、天涯孤独に生きてきた男イ・ガンド(イ・ジョンジン)。彼の仕事は、債務者に重傷を負わせ、その保険金で利子が10倍に膨らんだ借金を返済させるという、血も涙もない借金取立て屋だった。そんなガンドの前にある日、彼を捨てた母だと名乗る謎の女(チョ・ミンス)が現れる。その話を信じないガンドは邪険に追い払うが、女は執拗に後を追い、アパートの前に生きたウナギを置いてゆく。ウナギの首には“チャン・ミソン”という名前と携帯電話番号を記した1枚のカードが括り付けられていた。躊躇いつつもガンドが女に電話をすると、子守唄が聴こえてくる。ドアを開けると、そこに佇んでいたのは、涙を浮かべながら歌うミソンだった。“母親の証拠を出せ”と詰め寄るガンドの残酷な仕打ちに耐えるミソンは、捨てたことをひたすら謝罪。自分の傍を離れず、無償の愛を注いでくれるミソンを、徐々にガンドは母親として受け入れてゆく。そしていつしかミソンは、ガンドにとってかけがえのない存在となっていた。だが、彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンの行方が分からなくなる。その身を案じるガンドにかかってきた1本の電話。聞こえてきたのは、助けを求める母の悲鳴と激しい物音だった。自分が借金を取り立てた債務者の誰かが母を連れ去ったと確信したガンドは、債務者の家を訪ねてゆくが…。(KINENOTE)

監督・脚本:キム・ギドク
出演:チョ・ミンス/イ・ジョンジン

ネタバレ感想

変態監督のキムギドクにしてみたらけっこうまともで、内容も分かりやすい作品。俺はこの監督の他の作品は、『悪い男』と『メビウス』のみ。わけわかんないけど、なんか心に残ってくる内容だったんで、今作もすごいんだろうなと期待したら、普通だったのである。

ある女が、自分の息子の自殺の原因を作った借金取り=ガンドに復讐すべく、ガンドの母親のふりをして騙くらかしたろうと企む話。ガンドは天涯孤独な身だったらしく、愛を知らずに育ったこともあり、女の計画はけっこううまく進む。

というか、最初は警戒していたガンドが、次第に女に依存しないと生きていけないほどメロメロになっちゃうのである。この辺のメロメロになっちゃう展開は、『悪い男』で主人公にはめられて娼婦になっちゃったヒロインが、なぜか主人公に依存して生きるようになってまう展開よりも、腑に落ちた。

一方の女のほうも、復讐のために近づいたガンドになぜか母性を感じ始めていき、息子の死の原因を作った男に対して複雑な胸中に陥っていたらしい。だからこそのあのラストの展開になるわけですな。しかしあの自殺シーンは、なかなか斬新であったなぁ。

ということで、この作品はキムギドクの変態度がさほど色濃くは感じない作品だった。けっこう興味深い監督なので、他の作品もチョイチョイ観ていこうと思う。

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