アウトブレイク
感染パニックものとしてなかなか楽しめる作品。後半は猿探しの旅だけど(笑)。ネタバレあり。
―1995年公開 米 127分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:すさまじい伝染力と死亡率を持つ未知の病原体の脅威と、それに立ち向かう人々の姿を描いたパニック・サスペンス。ベストセラー・ノンフィクション『ホット・ゾーン』(飛鳥新社刊)でも扱われたエボラ出血熱の事件をモチーフに、科学的根拠に基づくリアルでスリリングな恐怖が展開する。監督は「U・ボート」「ザ・シークレット・サービス」のウォルフガング・ペーターゼン。製作はペーターゼン、「逃亡者(1993)」「フォーリング・ダウン」のアーノルド・コペルソンとゲイル・カッツ。脚本はローレンス・ドゥウォレットとロバート・ロイ・プールの共同。撮影は「クイズ・ショウ」のミハエル・バルハウス、音楽は「ジュニア」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はウィリアム・サンデル、編集はニール・トラヴィス、リンジー・クリングマン、ウィリアム・ホイ、SFXはボス・フィルム・スタジオ、衣装はエリカ・フィリップスがそれぞれ担当。。主演は「靴をなくした天使」のダスティン・ホフマンと「ザ・シークレット・サービス」のレネ・ルッソ。共演は「許されざる者(1992)」のモーガン・フリーマン、「ジャッジメント・ナイト」のキューバ・グッディング・ジュニア、「ディスクロージャー」のドナルド・サザーランド、「摩天楼を夢みて」のケヴィン・スペイシーほか。(KINENOTE)
あらすじ:米国陸軍伝染病医学研究所(USAMRIID)のレヴェル4(最高警戒度)研究チームのリーダー、サム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)は、指揮官のフォード准将(モーガン・フリーマン)に命じられ、アフリカの小さな村に派遣された。そこで彼は、未知のウイルスによって村人たちが次々と死ぬのを目の当たりにする。サムはウイルスがアメリカにまで広がる恐れがあると判断し、警戒態勢を敷くように進言するが、フォードは“モタバ・ウイルス”と名付けられたこの病原菌の研究をやめるよう命令する。その直後、カリフォルニア州のシーダー・クリークという町で、住民たちの間に伝染病が発生した。症状はサムがアフリカで目撃したものと同じだった。彼は命令を無視して町に駆けつけ、民間の研究機関である疫病管理予防センター(CDC)で働く別れた妻のロビー(レネ・ルッソ)と共にウイルスの制圧に取り組み、ペストよりも確実に死がもたらされるという絶望的な事実を知る。陸軍から提供された血清が、ウイルスに感染した猿に劇的な効果を与えた。発見されたばかりのウイルスに効く血清をなぜ陸軍が持っていたのか、不審に思ったサムは驚くべき事実を知る。モタバ・ウイルスは60年代に米国陸軍が参加したアフリカでの局地戦の際に発見され、陸軍幹部マクリントック少将(ドナルド・サザーランド)によって採取され、生物兵器として使用するためにひそかに保管されていたのだ。しかし、ウイルスは突然変異を遂げており、猿を回復させた血清は人間には効かなかった。サムは部下のソルト少佐(キューバ・グッディング・ジュニア)と共に、最初にウイルスをもたらした“宿主”がアフリカで密猟された猿であることを突き止める。その頃、少将は生物兵器の事実を隠すため、かつてアフリカで行ったのと同じようにシーダー・クリークの町を焼き払おうと画策していた。そんな時、ロビーが誤ってウイルスに感染する。猿の居場所を突き止めたサムとソルトは軍用ヘリコプターを奪って現地に向かうが、マクリントックもヘリコプターで追跡する。ヘリの追撃をかわしたサムたちは、捕まえた猿で血清を作り、ロビーに試す。だが、既に気化爆弾を搭載した爆撃機は出撃していた。ヘリに乗ったサムは無線で爆撃機の乗組員に真実を訴え、爆撃を中止するよう懇願する。乗組員たちはサムの訴えを聞き、爆弾を海上で爆破させた。正義と責任感に目覚めたフォードは、マクリントリックを逮捕する。血清は大量に合成され、ロビーをはじめとする感染者たちは快方に向かった。サムとロビーはもう一度やり直そうと微笑みあった。(KINENOTE)
監督:ヴォルフガング・ペーターゼン
出演:ダスティン・ホフマン/レネ・ルッソ/モーガン・フリーマン/キューバ・グッディング・ジュニア/パトリック・デンプシー/ドナルド・サザーランド/ケヴィン・スペイシー
ネタバレ感想
公開当時はけっこう人気あった作品だったように思う。俺は観に行ってないけど。なんか鑑賞する機会を逸したまま二十数年経ってて、今回アマゾンプライムで見っけた。
主人公夫婦は離婚してるけど、旦那のほうにまだ未練があるのがわかる描写で、どうせこいつら危機を脱して元さやに戻るぞ。とか、自己保身大好き悪役イメージな俳優のドナルド・サザーランドが出てきた時点で何となく話の展開が読めるのはまぁ仕方ない(笑)。
それでもなかなか楽しめた。パンデミックものとしては、かなり上位にくる作品なんではないか。そういえば、こういう感染系の話って最近みないよな。ゾンビもの以外では。こういうのも流行りとかあるんかもな。
てなことで、アフリカの猿が、人為的にアメリカにわたってきて、その猿がもとでパンデミックが起きる話なわけだが、ウィルス被害が拡大するスピードとか、その殺傷能力の高さなど、実際に起こったらかなり恐ろしいなというのが十分に伝わってくる序盤から中盤くらいの展開がかなりスリリング。
ただ、猿探しのあたりから段々と話が大味になってくる印象。例えば、主人公のサムと部下のソルトはヘリコにのって病原体の宿主を探しつつ、軍の逮捕から逃れなければならぬという決死の作戦を繰り広げるわけだが、その合間にテレビジャックしたりする。
するんだけども、彼らのメッセージが視聴者たちにどう伝わったのかなどは描かれない。あとは、終盤で爆弾を投下しようとする軍の飛行機の進路を妨害して、「感染は収束できるから爆弾落とさなくていい!」と説得をするシーン。
軍隊の規律で、あんな命令違反のオンパレードが起こって大丈夫だろうか。まぁ、話的には起こってほしいし、規律守るほうがおかしいだろとは思うものの、やっぱり何だか荒唐無稽に感じてしまう。
ついでに言うなら、サムとソルトが乗り回したヘリコ。あれって、燃料入れてるシーンが全然なかったけど、そんなに距離は飛んでないのかな? かなり激しい運転してたら燃料も消耗しそうなもんだが。というどうでもいい疑問で感想を終わる。
腐してるけど、けっこう楽しめる作品です。
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