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映画『ディストピア パンドラの少女』ネタバレ ラストの選択がゾンビ的思考か

ディストピア
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ディストピア パンドラの少女

序盤は軍の施設内で、メラニーら第二世代の子ども達を教育するシーンが描かれる。この辺は全容がなかなか明らかにされないので少し退屈だが、施設から出て以降は、ゾンビ映画らしい面白展開が繰り広げられる。ネタバレあり。

―2017年公開 英=米 111分―

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解説とあらすじ

解説:M・R・ケアリーの小説『パンドラの少女』を映画化したSFスリラー。真菌の突然変異により、大半の人間が生きた肉を食う“ハングリーズ”と化した近未来。生き残ったわずかな人間たちがワクチンの開発を模索する中、“奇跡の少女”メラニーが現れる……。出演は「ボヴァリー夫人とパン屋」のジェマ・アータートン、「パレードへようこそ」のパディ・コンシダイン、「アルバート氏の人生」のグレン・クローズ。これが長編デビューとなったセニア・ナニュアは、シッチェス・カタロニア映画祭で女優賞を受賞している。メガホンを取ったのは、『SHERLOCK/シャーロック シーズン3』などを手掛けたコーム・マッカーシー。(KINENOTE)

あらすじ:真菌の突然変異が発生し、感染した人間は思考能力を失い、生きた肉のみを食う“ハングリーズ”と化した近未来。爆発的に蔓延したその奇病によって人類は絶滅の危機に瀕し、残った数少ない人々は安全な壁に囲まれた基地内での生活を余儀なくされていた。そんな中、イングランドの田舎町にある基地では、ウィルスと共生する二番目の子供たち“セカンド・チルドレン”の研究が行われていた。その子供たちは、感染しているにもかかわらず思考能力を維持しており、見た目は人間そのものだった。彼らからワクチンを作り出そうと模索が続く中、子供たちの中に高い知能を持った“奇跡の少女”メラニー(セニア・ナニュア)が現れる。 彼女は人類の希望となるのか、それとも絶望となるのか……?(KINENOTE)

予告とスタッフ・キャスト

(ナタリー)

監督:コーム・マッカーシー
出演:セニア・ナニュア/ジェマ・アータートン

ゾンビの特徴を備えた人間

この作品の特徴は、感染した親から生まれた第二世代がいることだ。普通のゾンビ映画だと、ゾンビになった親からはゾンビが生まれるんだけども、この作品の第二世代はどうやら、半分人間、半分ゾンビのような存在らしい。というか、食欲だけゾンビ的な人間というほうが正確か。中でも突出した頭脳を持っているのが主人公のメラニーなのである。この女の子、なかなか演技がすごいなぁって思った。あんな小さいのに、よく役どころを理解して演じられるもんだと感心した。

感染者の親から生まれた第二世代が活躍するゾンビ映画。こういう感じの内容は今までなかったような。この作品のゾンビ(ハングリーズ)はけっこうなスピードで走る。そして、食う対象がいないときは立ったまま眠っている。生き物の匂いや音に反応するらしいので、ある特殊なジェルを全身に塗って、静かに歩くとある程度は安全らしい。そんなゾンビと、第二世代と、人間たちの行く末はいかに。

猫は食うが、犬は食わない

軍施設から脱出して以降は、メラニーが慕っている先生、そして軍曹、その部下、あとは少しマッドな博士とともに、窮地を脱出すべく冒険を繰り広げるのである。博士はおいておくとして、この一行、それぞれが少しずつ相手のことを理解し始める描写があって、なかなかそこはほほえましく観られた。

メラニーはたまに発作のような症状を起こし、食欲を制御できなくなる。あるシーンにおいて、彼女は猫を捕食する。あるいは鳥も食べる。しかし、なぜか犬は食べない(笑)。あれは一行をゾンビの群れに囲まれた建物から脱出させるために利用する必要があったから食わなかったのか、猫を先に食べていたら単にお腹がいっぱいだったからなのか、そこはよくわからんかった。冒頭に博士とメラニーがシュレーディンガーの猫みたいな問答をするところがあるけども、それと猫を食うことには何も関連はないわな、きっと(笑)。

ラストはそう来るか! と思った

まぁそういう細かいところはおいといて、ラストまで楽しく観ていられる。最後、メラニーはある選択を迫られて決断をするわけだけど、俺は最初、別のところにいた第二世代を連れてきて、そいつを博士に差し出すのかと思っていた。だが、彼女はそうはしない。世界に感染者を増やす選択をするのである。この辺が彼女の賢さではあるのだが、人間的な選択ではないと思わされる。先生は泣くわな、そりゃ。

先生は旧世代の人間、そして神になる

この世界での感染源はキノコかなんな菌だったらしい。それに侵されて爆発的に感染者が増え、最後は感染者でしか生きられない世界になるということは、この作品はある意味で、人間が自然の力によって急速に別の生き物に進化(?)させられる話だったのである。

人間とハングリーズ=感染者の立場が逆転したあの世界で、先生はある意味では神のように崇められる存在になるのだろうが、あの建物から出ることはできない。知恵を身につけていく第二世代たちは、メラニーに率いられてどんな王国をつくるのか、なかなか興味深いのであった。

てなことで、ラストに少しずっこけたが別に悪い終わり方ではなかったし、そこに至るまでの過程も非常に楽しめたので、なかなかの良作だと思いました。

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