東京プレイボーイクラブ
先日『クズとブスとゲス』を鑑賞して奥田監督に興味を持ったので、前の作品を借りてきたが・・・ちょっと物足りない印象。『クズとブスとゲス』のようなパワーを感じなかったのだ。でも、大森南朋はカッコよかった。ネタバレあり。
―2012年 日 96分―
解説とあらすじ
解説:ゆうばりファンタスティック映画祭グランプリの奥田庸介監督が24歳にして放つ劇場用映画デビュー作。東京のさびれたサロンを舞台に、ハンパ者たちの生き様をブラックな笑いとバイオレンスを交えて描く。出演は、「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の大森南朋、「あぜ道のダンディ」の光石研、『鈴木先生』の臼田あさ美。(KINENOTE)
あらすじ:東京の場末の繁華街。ひっそり営業しているさびれたサロン“東京プレイボーイクラブ”。スクラップ工場の作業員としてくすぶっていた勝利(大森南朋)は、喧嘩沙汰を起こして地元の町を追い出され、行く当てもなくこの店に身を寄せる。経営者は昔の仲間・成吉(光石研)。店のボーイ、貴弘(淵上泰史)はシケた仕事を持て余しつつ、アパートで恋人のエリ子(臼田あさ美)と同棲中。バイトをクビになったばかりのエリ子は、音楽を聴きながら太宰治の『人間失格』を読んでいた。2人はすでに倦怠期を迎えつつあった。ある時、血の気の多い勝利は、居酒屋で絡んできた若い男をブチのめしてしまうが、相手が悪かった。その相手は、この辺一帯を仕切っているヤクザ三兄弟の末弟、梅造(三浦貴大)だったのだ。成吉は、一緒にいた兄の竹男(赤堀雅秋)に脅され、“せっかく出した店を潰されたくない”という思いから必死に謝る。その情けない姿に苛立ちを隠せない勝利は、夜の路地で竹男を襲い、半殺しにしてしまう。間もなく、成吉を訪ねてヤクザ三兄弟が店を訪れる。凶暴そうな長兄・松ノ介(佐藤佐吉)は、勝利が起こしたトラブルをチャラにする代わりに“ある条件”を出す。それは“女”。成吉は、ハードなSM趣味を持つ松ノ介の相手をする女を提供する必要に迫られる。そして、その生贄に指名されたのがエリ子。いつものつまらない喧嘩だったはずが、それぞれの運命を複雑に絡ませてゆくきっかけとなり、揉め事を何とかしようと動けば動くほど、事態はこじれてゆく。そしていよいよ勝利、成吉、エリ子、それぞれが後戻りできない絶体絶命の状況に立たされる……。(KINENOTE)
予告・スタッフとキャスト
(シネマトゥデイ)
監督・脚本:奥田庸介
出演:大森南朋/光石研/臼田あさ美
ロクデナシたちを描いた作品
主人公の勝利(大森)は気に入らない奴はすぐ殴っちゃうロクデナシ。まぁ殴られるほうもロクな人間ではないから、勝利が相手をぶっ飛ばしちゃうこと自体はスカッとするし、もっとやっちまえと思わなくもないんだけど。
本作に出てくる人間、まともな人はほとんどいない。唯一、エリコ(臼田)はそうでもなさそうに見えるが、ヤクザものが死体になっていたとき、すぐに警察呼んでれば話はそれで済んだのではなかろうか。成吉(光石)と勝利はアホだから、死体をバラバラにするという恐ろしいことをやっちゃうけども、エリコが冷静だったらそんなことにもならなかったような気が。
んで、成吉はアホだから、ヤクザもののブリンブリン(装飾品)を盗んじゃう。それはいいとしても、それをサッサと売るなりしかるべきところに隠したりしないから、ああいうことになるのである。
勝利は勝利で、彼が喧嘩っ早くて後先考えずに行動しちゃうのはいいとして、ラスト、瀕死のエリコを車に乗せて「うぉおおおーーっ」と叫ぶわけだが意味がよくわからなかった。エリコに重症を負わせたことに対してか、自分の人生がメチャクチャになったことに対してのシャウトなのか。俺はどっちかというと前者のように思ったのだが、そもそもそういう結末を招いた元凶は君だろ。と言わずにはいられなかった。
てなことで、『クズとブスとゲス』につながる何かは感じたものの、少し物足りなさの残る作品でした。ちなみに、この監督の最新作『ろくでなし』は、8月中なら関西では観られるみたい。俺は見逃したのでDVD化を待つ。
ろくでなし公式サイト https://www.rokudenashi.site/
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