オペレーション:レッド・シー
中国で大ヒットしたらしい戦争アクション。最新鋭の武器を駆使した戦闘シーンはなかなかの迫力だが、さしておもしろくはない。ネタバレあり。
―2018年公開 中= 摩 143分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:中国で歴代興行収入第2位を記録した大ヒット戦争アクション。中東某国で内戦が勃発。蛟竜突撃隊の精鋭たちは中国国民の救出任務に当たるが、1人の女性がテロリストによって連れ去られてしまう。その行方を追い、蛟竜突撃隊は危険地帯に足を踏み入れる……。監督は「激戦 ハート・オブ・ファイト」のダンテ・ラム。出演は「山河ノスタルジア」のチャン・イー。(KINENOTE)
あらすじ:中東某国で内戦が勃発。海軍による救出作戦が実施され、現地に在留する多くの中国国民が無事に出国する中、一部地域や大使館に取り残された人々の救出任務を担うのは、“蛟竜(こうりゅう)突撃隊”の精鋭たち。激戦をくぐり抜けながら、1人、また1人と自国民を救出。だが、1人の女性がテロリストに連れ去られてしまう。救出のため、テロリストが制圧する危険地帯に足を踏み入れる蛟竜突撃隊。だが、それは150人とも200人とも言われる武装テロリスト集団を、わずか8人で制圧しなければならない前代未聞の過酷な作戦だった……。(KINENOTE)
監督:ダンテ・ラム
出演:チャン・イー/ホアン・ジンギュ/ハイ・チン/ドゥー・ジアン
ネタバレ感想
ダンテラム監督作品…
ダンテラム監督の作品ということで鑑賞。とは言っても、俺はこの監督に思い入れがあるわけではない。香港映画が好きなので、日本でレンタルできるやつはそれなりに鑑賞していて、その中にこの監督作がチラホラ入ってくるので、何となく鑑賞している程度の付き合いだ。
以前、同監督の『激戦ハートオブファイト』の感想でも述べたけど、この人の作品って、可もなく不可もない感じで、タイトルは後々まで覚えているんだけど、物語の内容についてはほとんど記憶に残らないものが多い。もちろんそれは俺にとっての話なんだけども。
で、本作は実際にあった作戦をもとにした戦争アクションってことだが、そういえばこの監督、少し前にも『オペレーション・メコン』て作品を撮っている。こちらも確か実話を基にした作品で、ダンテラムの作品の割には結構楽しめた覚えが。なぜそうなのかは下記を読んでいただければ。
期待したぶん、つまらなく感じた
てなことで、肝心な『オペレーションレッドシー』についてだが、アクションシーンも含めてぜんぜん楽しめなかった。俺はこの手の戦争映画がけっこう好きなので、かなり期待していたんだけども、少しもおもしろくなかったのである。つまらない。アクションパートもさほど興奮してこない。
なんでだろうか。相性のよくないダンテラムが監督だからか。しかし、前作の『オペレーション・メコン』は楽しめたのに、あれと本作の何が違うのか。事実を基にした物語という意味では、本作とかわらないはず。にもかかわらず、アクションパートもぜんぜん楽しくなくて、全編とおしてこの映画からつまらなさしか感じなかった。
アクションと関係ないところで腐したい部分を挙げるなら、この作品に漂い続ける中国の国威発揚プロパガンダ臭だ。俺はべつに中国人が嫌いではない。これはマジで。だが、この映画のラストに象徴されるように、国民の愛国心を煽って国家権力が国民諸君を守ってやるぞ的なメッセージを露骨に発しているような部分に、なんとも嫌な感じがしたのである。それとアクションパートがつまらなかったことに関連があるかはよくわからん。
『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』は面白い
ちなみに、これと似たような作品に、アクション俳優のウー・ジンが監督・主演した『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』という作品がある。こちらはおもしろい。同じように、ラストに中国政府からのメッセージがあるけども、そちらはまだ受け入れられる。
『ウルフ・オブ・ウォー』は単なる荒唐無稽娯楽アクション作品として十分楽しめるからだ。ウー・ジンの一騎当千的アクションは素晴らしい。そして、突っ込みどころ満載の設定が笑えるし、だからこそ、最後のメッセージもある意味ギャグとして受け取れなくもなくて、そのときは、特に嫌さは感じなかった。
ラストで同じようなメッセージを発しているのに、両作品への俺の評価はだいぶ極端ではある。『オペレーション・メコン』は楽しめたのに、本作がなぜだめなのかという部分も、自分ではよくわからない。とはいえ、この作品よりも『オペレーション・メコン』か『ウルフ・オブ・ウォー』の鑑賞を個人的にはおすすめしたい。もしつまらなくても怒らないでください(笑)。
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