リーサル・ウェポン2 炎の約束
メルギブソン=リッグスとダニーグローヴァ―=マータフ刑事のバディ感がさらに増したシリーズ2作目。シリアスな調子だった前作とは変わって、かなりコメディ色も強くなった本作は、後の続編のテイストを決定づけた感がある。今考えるとだが。ネタバレあり。
―1989年公開 米 114分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:巨大な国際麻薬組織に立ち向かうロス市警の2人の刑事の戦いを描くシリーズ第2作。製作・監督は「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー、共同製作はジョエル・シルヴァー。シェーン・ブラックとウォーレン・マーフィーのストーリーを基に、脚本は「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」のジェフリー・ボーム、撮影はスティーブン・ゴールドブラット、音楽はマイケル・ケイメンとエリック・クラプトン、デイヴィッド・サンボーンが担当。出演はメル・ギブソン、ダニー・グローヴァーほか。(KINENOTE)
あらすじ:ある夜ロスのダウンタウンで、リッグス(メル・ギブソン)とマータフ(ダニー・グローヴァー)の2人の刑事は、暴走するBMWの中から大量のクルーザーランド金貨を見つけた。運転手は逃亡するが、やがて彼は死体となって発見されるのだった。しばらくして2人は、麻薬組織が儲けた裏金を合法化させてきた銀行員レオ(ジョー・ペシ)の護衛を命じられる。邪魔な存在となった今、組織から命を狙われたレオは、かつて一度連れて行かれた組織の影のボスの家を思い出し、2人を案内するが、激しい銃撃戦とカーチェイスの末に捕えた人物は、南アフリカの外交官ラッド(ジョス・アックランド)で、治外法権に守られていることにより彼を釈放せざるを得なかった。事件を嗅ぎつけられたことを知ったラッドは、麻薬取引で儲けた莫大な金を国外へ運び出す準備を始めると同時に、自分の正体を知るリッグスたちを殺そうと企んだ。マータフは自宅のトイレに仕掛けられた爆弾で、危うく命を失いそうになるし、何も知らずにラッドの秘書をしていたジル(パッツィ・ケンジット)を自分のトレーラーハウスに招いたリッグスは、一夜を共にした後ヘリコプターから激しい銃撃をうける。やがてジルも殺され、かつて自分の妻もラッドに命を奪われたことを知ったリッグスは、怒りが頂点に達し復讐を決意、マータフと共にラッドの家を襲撃するが、すでに彼は逃亡した後だった。しかしラッドのベンツに取りつけておいた探知器によってロサンゼルス港に向かった2人は、船に積み込まれてゆくコンテナの中のドル札の束を宙に散らせ、ラッドを倒すことで南アフリカに通じている国際巨大麻薬組織の壊滅を成功させるのだった。(KINENOTE)
監督:リチャード・ドナー
出演:メル・ギブソン/ダニー・グローヴァー/ジョー・ペシ
ネタバレ感想
前作で自殺願望のある危ない奴だったリッグスは、その凶暴性を犯人逮捕のほうではいかんなく発揮しつつ、警察署の同僚たちとは仲良くやっているなど、かなり心にゆとりがあるキャラになってて好感度が増している。それは相棒のマータフとの家族ぐるみの付き合いなどから得たものであることが、冒頭から強く感じることができる。
コメディ色を強くさせているのは、ジョー・ぺシ扮するレオ・ゲッツの存在だ。かなりうざったい面倒くさい奴なんだが、この道化みたいな男がいるおかげで物語にあらたな面白味が出ている。俺はジョー・ぺシを初めて見たのがこの作品なので、後に『グッド・フェローズ』を鑑賞した時に、彼が狂犬野郎のギャングを演じているのを見て仰天した覚えがある。かなりのギャップがあるものの、そこがこの役者のすごさなんである。
この作品は上記のようなテイストを保ちつつ、およそ15分に一回くらいはアクションやハラハラドキドキ要素が挿入され、それを時にはコミカルに、時にはシリアスに描いていて、ともかく飽きることなく鑑賞できる娯楽性を備えているのだ。
という意味では、前作を上回る出色の出来であるとも言える。もう何度も繰り返して観ているのに、続編が早く観たくなったのは、やはりこのシリーズが面白いからであり、近年はドラマ版もつくられているようだが、やっぱりメルギブとダニーグローヴァ―のコンビだからいいのだ。
今回、リッグスと恋仲(?)になる女性は哀れにもぶっ殺されてまうわけだが、その前のくだりでリッグスとかなりの回数性交を重ねていたのは驚いた。初鑑賞時に地上波で観たときは、もう少しあっさりした印象だったからだ。お茶の間の家族のためにカットしていたのだろうか(笑)。
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