コンジアム
―2019年公開 韓 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2012年CNNにより世界7大心霊スポットに選出されたコンジアム精神病院の廃墟を舞台に、出演者が小型アクション・カメラを装着し多くのシーンを撮影したPOVホラー。人気配信チャンネルの企画で廃病院に来た隊員らは、探索するうちに恐怖に直面する。監督は「ホラー・ストーリーズ」シリーズのチョン・ボムシク。臨場感を出すため、撮影には商業映画で通常使われるカメラを用いず、GoPro シリーズ、カムコーダー、Osmo、VRカメラ、ドローンカメラを採用、BGMや効果音は使わず現場の音のみを使用している。(KINENOTE)
あらすじ:YouTubeチャンネル『ホラータイムズ』は恐怖動画を配信し、人気を博している。そんな『ホラータイムズ』が、402号室の呪いなど多くの都市伝説を生んだ韓国屈指の心霊スポット、コンジアム精神病院への潜入を計画。一般からの参加者を集め、内部を探索する様子をライブ配信するというものだった。『ホラータイムズ』の主宰ハジュンを隊長とする男女7人は、カメラやドローン、電磁検出器といった機材を持ち込み、午前0時に探索をスタート。ページビューの数字を伸ばそうとハジュンが仕かけた演出の効果もあり、サイトへのアクセス数は順調に増加していった。しかし院長室や浴室、実験室、集団治療室などを巡る中で予期せぬ原因不明の怪現象が次々に発生。迷宮のような病院内を泣き叫んで逃げまどううちに、隊員たちは402号室の呪いの真実に触れる……。(KINENOTE)
監督:チョン・ボムシク
出演:ウィ・ハジュン/パク・ジヒョン/オ・アヨン/ムン・イェウォン/パク・ソンフン/ユ・ジェユン/イ・スンウク
ネタバレ感想
心霊スポットとして名高い廃墟を、PVを増やして金儲けすることを目的にユーチューバーが潜入。最初はPV目当てのヤラセ番組を作成してたんだけど、次第にありえないような現象が病院内に起こり始めて、参加者は阿鼻叫喚の恐怖体験をすることになるのであったーーというのが適当なあらすじ。
題名だけは知ってたけど、スルーしていた作品。もっとフィクションよりの殺人鬼ホラーなんかなぁと思っていたら、心霊映画だった。
男三人組のユーチューバーが他の参加者も募って、心霊ツアーを行いPV稼いで儲けちゃおうと考える。もちろん参加者にも報酬は払う。100万PV行くと五億ウォンくらいの収入って言ってたから、日本円にすると5000万くらいか。あんまり詳しくないんだけど、ものすごい登録者数を持ってるユーチューバーって、ガチでものすごい金額稼いでるらしいね。
この作品は、金目当てで面白半分に廃墟に侵入した若者たちが、恐ろしい目にあって、しかも帰らぬ人となるって内容を描いているわけで、昨今のユーチューバーの隆盛を風刺しているように観られなくもない。
この映画を作ってる奴らは撮影や映像のプロなわけだし、そういう思いもあるんじゃないかなと思う。
まぁでも、ホラー映画はホラー映画なわけで、多分に現代的な若者気質をうまく題材にしながら、そういう若者たちが恐怖体験に見舞われたらーーてな感じの内容の展開で、最初の1時間くらいは、パリピたちが騒いでるだけの内容とも言える。
廃墟に潜入してからあとも、暗い病院の中なのでそれなりに恐ろし気ではあるものの、ヤラセをやっていることは分かっちゃうので、別におそろしくもない。
で、本番の恐怖は物語が1時間も過ぎたあたりから始まる。こっからは怒涛の展開で、不気味演出やら暗闇演出やら、役者らの怯え演技、そして神出鬼没の幽霊たちがたくさん登場してきて、けっこう怖い。
スリルがあるとうよりは、情報があまり入ってこない見知らぬ廃墟の暗闇の中で得体のしれない何かに脅かされている若者たちの恐怖の状況が、すさまじくリアルに感じてくるのである。
てなことで、怖いは怖いんだけども、それだけの話で、あの演出を怖がれない人には、見るだけ時間の無駄という映画なんかもしれない。
ラストの描写を見るに、登場人物らはマジで動画配信してそれなりにPV稼いでいたつもりみたいだけども、あのリアルな体験は、配信を鑑賞してる人には何も映ってないらしく、PVも500程度しか稼げてなかったみたい。
その辺の現象が霊のせいなのかなんなのか、それはよくわからん。よう考えたら、こういう、殺人鬼とかモンスターチックなものでなく、まさしく幽霊というような存在が人を殺してまう作品って他に何があるんだろう? 実はこの手のジャンルの映画作品ってあまり俺はよく知らないことに気付いた。
ただ、余談になるかもだが、俺は霊の存在は特に信じてはいない。いると思える人にはいるだろうし、いないと思う人にはいないのだ。
なんでそう思うのかっていうと、小学生の時に俺も幽霊みたことあるから。その恐怖体験については今でもよく覚えている。それはある肝試しでの出来事だった。
しかし、その肝試しがおわった翌日、俺が幽霊だったと思い、怯えまくって恐怖してたその対象は、巧みなヤラセ演出による人工物だったのである。
しかし、それの正体を知らずおののいた俺にとっては、あの存在はまぎれもなく幽霊であったのだ。
であるから、いると思える人にはいるし、いないと思う人にはいないのである。で、そういう体験を踏まえて俺は、霊は存在しないと思っている。
だがしかし、この作品は怖がって観ていた。だって、怖いんだもん(笑)。てことは、やっぱり俺は霊の存在を信じているのかもしれぬ。信じてなければ怖がれないような気がしなくもないからだ。
とかそんな話はどうでもよくて、役者陣の顔芸がすごいです。本当に怖そう。
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