フラットライナーズ(2017)
前半の臨死体験から能力覚醒に至るまでの話は、淡々としているものの後の展開に期待を抱かせるので楽しめる。ところが、後半に入るとそれぞれが抱える過去に犯した罪の意識にさいなまれ、幽霊のように現れる幻覚に悩まされるホラーめいた話になっていき、何とも中途半端な印象。ネタバレあり。
―2017年公開 米 110分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:1991年公開の同名サスペンスホラーを「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレヴ監督がリメイク。自分の心臓を止め、数分後に蘇生させるという実験にのめり込む5人の医学生。臨死時間が7分を超えたとき、恐ろしい幻覚を見始める。出演は「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」のエレン・ペイジ、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のディエゴ・ルナ、「トリプルX 再起動」のニーナ・ドブレフ、TV『戦争と平和(2016)』のジェームズ・ノートン、「DOOP ドープ!!」のカーシー・クレモンズ。さらに、オリジナル版で医学生を演じたキーファー・サザーランドが医大の教授役として出演。また、オリジナル版の製作を担当した「ウォール街」などの俳優マイケル・ダグラスが再び製作を務めている。(KINENOTE)
あらすじ:医学生のコートニー(エレン・ペイジ)は、“人は死んだらどうなるのか”という好奇心から、禁断の臨死実験を行うことを決意。自分の心臓を止めて1分後に蘇生させてほしいと仲間たちに持ちかける。先輩格のレイ(ディエゴ・ルナ)を始め、マリオ(ニーナ・ドブレフ)、ジェイミー(ジェームズ・ノートン)、ソフィア(カーシー・クレモンズ)は、コートニーに協力。やがて死後の世界を垣間見て生き返ったコートニーは、過去に覚えたピアノを鮮やかに演奏したり、一度読んだだけの医学書の細部を覚えていたりと驚くべき不思議な能力が覚醒する。そんな彼女を見て、仲間たちは競って臨死実験の実験台となり、1分から2分、2分から3分と臨死時間を延ばし、エスカレートさせていくのだった。だが、臨死時間が7分を過ぎたとき、凄惨な現象が彼らに襲いかかる……。(KINENOTE)
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
出演:エレン・ペイジ /ディエゴ・ルナ/ニーナ・ドブレフ/ジェームズ・ノートン/カーシー・クレモンズ/キーファー・サザーランド
ネタバレ感想
適当なあらすじ
自分を意図的に心停止状態にして、臨死体験を試みた医大生たち。実験は成功に終わり、体験をした本人たちには、それぞれの内に秘められていた潜在能力が覚醒する。これで人生バラ色かと思いきやそうはならず、各人が過去に犯した罪の意識が幻覚のような形で襲い掛かってくるようになる。というのが適当なあらすじ。
適当なネタバレ
ここからネタバレしていくと、幻覚の最初の犠牲者になるのが、実験を始めた張本人である主人公と思われた女性。彼女は昔、車を事故らせて同乗していた妹を死なせてしまっている。
覚醒後の彼女は、その妹の霊のようなものに追いかけられて、転落死してまうのであった。それに気付いた同級生たちは、自分たちの過去と向き合い、現実世界で被害を与えた人に謝罪をすること、罪を認めることで幻覚から解き放たれるのではないかと推測。それぞれが被害を与えた人に会いにいくのであった。で、主人公以外の登場人物たちは、いろいろあってうまく問題を解決し、主人公に対して鎮魂の酒を酌み交わすのであった。
自分可愛さで謝罪されても困るだろ
というわけで、後半にいくにつれて「なんなんそれ?」と思わせる展開に。過去に被害を受けた人は、今更謝罪されたって、嫌な思い出を思い出しちゃうだけだと思うんだが。完全に自分可愛さで行われる謝罪に意味なんてあるんかいねぇ。おまんは過去の罪を認めてスッキリすれば、それでいいんかい。
なんで主人公は臨死に興味を持った?
主人公は、妹を死なせてしまったことに責任を感じているのはいいとして、それがどうして臨死体験とか死後の世界に興味を持ち始めるきっかけになるのか、あまりつながりがわからない。臨死体験ってのは、個人的には主観的体験だと思うので、そこで仮に妹に会ったとしても。それは自分の記憶の作り出す妹なので、当然本人ではない。
死後の世界が仮にあってそこに行けるのだとしたら、そこは客観的世界であってほしいとは思うが、現実のこの世界だって単なる主観的世界でもあるので、結局、俺には主人公が何を目指していたのかよくわからなかったのである。
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