今日も僕は殺される
謎めいた展開に序盤こそワクワクされられるが、物語が進むにつれて何がしたいのかよくわからない感じになってしまう残念作品。いろいろやりたいことを詰め込んだ結果、鑑賞者を置いてけぼりにしてしまっていないかね。ネタバレあり。
―2008年公開 米 87分―
解説:「ターミネーター2」でオスカーを獲得し、「ジュラシック・パーク」なども手掛けたSFXの第一人者スタン・ウィンストン。2008年6月に他界した彼が、最後にプロデュースした作品。目覚めるたびに殺されて、異なる人生を送る男をめぐるサスペンス。主演は「クローバーフィールド/HAKAISHA」のマイク・ヴォーゲル。(KINENOTE)
あらすじ:イアン・ストーン(マイク・ヴォーゲル)は、アイスホッケーのスター選手。恋人ジェニー(クリスティーナ・コール)との仲も安定し、何の不足もない生活を送っている。しかし、試合に負けたある日の夜、帰宅途中に踏切で死体のようなものを見つける。車から降りて近づくと、急に“それ”に襲われ、線路の上に追いやられる。抵抗する術もなく走ってきた列車に轢かれて死んでしまうイアン。イアンが目覚めると、そこはガラス張りの洒落たオフィス。会社員としての業務を黙々とこなさなければならない自分がいた。ジェニーもこのオフィスでは恋人ではなく、ただの同僚に過ぎない。仕事を終えて家路につき、恋人のメディア(ジェイミー・マーレイ)と思い出話をしていると、イアンは自分の過去にないはずの記憶があることに気づく。次の日の出勤途中、イアンはグレイ(マイケル・フィースト)という男に呼び止められ、「君は狙われている」と告げられる。面識もないその男にイアンは不審感を抱くが、次の瞬間、何かがグレイを襲った。「逃げろ」というグレンの言葉を背にイアンは全速力で走り、家に辿りつくが…。3日目。「危ない!」という声にハッと起きるイアン。慌てて車のハンドルをきる。今度はタクシードライバーの日常が始まっていた。客を降ろした帰り、見覚えのある人物を見かける。その人物を追いかけ、話を聞くと「ジェニーを守れ」と言われる。イアンはジェニーがどの日常でも近くにいたことに気づく。全てがつながろうとしたとき、また新たな日常が始まる。繰り返されるこの日常は何なのか。なぜ毎日殺されなければならないのか。真実に迫るイアンに、驚愕の真実と恐怖が待ち受ける。(KINENOTE)
監督:ダリオ・ピアナ
出演:マイク・ヴォーゲル/クリスティーナ・コール/ジェイミー・マーレイ/チャーリー・アンソン
ネタバレ感想
何だか説明不足感があって、よくわからない内容だったというのが鑑賞後の感想。少し時間を置いてあらためて考えても、その印象が変わることはなかった。
主人公=イアンは敵役として描かれた手が変形して武器に変わる、煙のような怪物たちと同族の存在だったってことでいいのかね? しかも、同族の中でも強者で無敵の存在だったようだ。
で、同族たちは裏切りもののイアンを倒す? ためにイアンを殺しては別の日常に移動させていたようだ。何でそんなことをするのか意味がよくわからんかった。ほっとけばいいんではないのかね。違うの?
ついでに言うなら、物語のキーとなっていたらしいイアンの恋人をさっさと手にかけて殺してしまえば万事解決だったような気がするんだが、奴らはそれをしない。何でだろうか。そこもよくわからんかった。
何でこの映画に興味をひかれたかというと、主人公が殺されては別次元のような場所に移送されて生き返り、真相究明のため奮闘する物語であったこと。その設定をもっとうまく生かしてくれたら良かったと思うのだが、変にホラー仕立てにしてみたり、アメコミ的ダークヒーローの誕生物語みたいな感じになったりしてラストを迎えちゃうので、何がしたいのか意味不明作品に感じてしまった。
途中で化け物が『マトリックス』のキアヌ・リーブスみたいな身なりで登場していたが、何だったんだ、あれは(笑)。
ちなみに、物語の内容とは全然関係ないんだけども、イアンには自分が化け物と同族だった頃の記憶がないように見えた。そして、初期のいくつかの日常が変わるシーンでは、変わる前の記憶が曖昧になってたようだ。
て考えると、彼はどうやって化け物だった自分と、人間として生きていた自分の同一性を保っていたのか疑問である。劇中では保てていなかったように見えた。で、保てていなかったんなら、過去の化け物の自分は別人だと思うのだが。その辺の説明が特にないのも何だか中途半端な印象。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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