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映画『トランス・ワールド』ネタバレ感想 これはハッピーエンドではない

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トランス・ワールド

低予算映画だなぁ。特にラスト近くの爆撃シーンとか。でも、この手の映画は嫌いじゃない。この作品を観終えた人がこれを読むだろうということを前提として、個人的にどうしても触れておきたいことがあるので、その話について。ネタバレあり

―2011年製作 未公開 米 90分―

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解説とスタッフ・キャスト

解説:アカデミー賞受賞スタッフが手掛けたSFサスペンス。森の中のキャビンに迷い込んだサマンサ、トム、ジョディ。寒さと飢えのため3人は協力し合い、次第に打ち解けていく。しかし、それぞれが認識している現在地や時代が全く異なることに気付き…。(KINENOTE)

監督:ジャック・ヘラー
出演:サラ・パクストン/スコット・イーストウッド/キャサリン・ウォーターストーン/ショーン・サイポス

謎の閉鎖空間に閉じ込められた3人

主な登場人物は3人。そして終盤近くに出てくるドイツ軍の兵士も重要人物。それ以外にほとんど人は出てこない。

4人は同じ空間に閉じ込められてて、外に出られない。作中でも重要なセリフとして出てくる、ゲームのパックマンのような空間の中に彼らはいるのである。

知らない人に一応説明しておくと、パックマンのゲームの舞台は、プレイヤーがパックマンというへんてこな生物を右に移動させて端まで行くと、パックマンは左からスクロールして出てくるのだ。つまり、どこまで行ってもグルグルと同じところを移動し続けて、出口がない。そんな空間である目的を果たすゲームである(シンプルだけど説明難しいね)。

主人公たちはその閉鎖された空間から外に出ようとするのだが、もちろん最初は自分たちが迷い込んだ森の中がそんな場所だとは思っていない。だがら森から出ようと移動するものの、いつもスタート地点の、自分たちが仮住まいしている狭い小屋に戻ってきてしまう。

全員に共通点があった

そんな中で自分たちの出自を話しているうちに、全員に共通点があることに気づく。それは何かというと、自分たちの血がつながっているということなのだ。血のつながりのある人間たちが、なぜかそこに迷い込んできた。なぜか、そしてどうするのか。

ということで、もしこの映画を観てないでここまで読み進めた人は、そこそこネタバレしているけど結末には触れてないから、ここで読むのをやめて鑑賞することをオススメしたい。個人的には楽しく観られた。

あのラストをどう解釈するか

ここからの話は、作品を観た前提の人がどう思うのか興味があるから書いておきたいことだ。ラスト、母親と娘が幸せそうに海辺を歩くシーンでこの映画は終わる。娘が抱えているのは赤ん坊だろう。一見すると、ハッピーエンドである。

※この記事のPVが上がり始めてから、「抱えてるのは赤ん坊ではない」という指摘をいただきました。ありがとうございます。詳細は記事末コメント参照。俺の目は節穴なので、よくこういう指摘受けます。面目ない。ただ、下記は訂正せずに残しておきます。どっちかというと、この記事の投稿時(2017年)に俺が言いたかったのは、内容云々よりも、仮に俺の解釈が合っているのだとしたら、こういう考え方もあるのではないか――ということだったような記憶があるので。ついでに、最近またラストシーンと作品全体について解釈コメントくれた方がいるので、記事末参照ください。(2019年7月14日)…ということで、続き。

登場人物たちは過去と未来に起こるであろう悲劇から免れている。そういう描写がされている。だからハッピーエンドと多くの人が思うはず。よかったよかった。

あいつらって別人じゃね?

でも、本当にそうだろうか。俺はそうは思わない。あの幸せになった人たちは、登場人物たちと別の人生を歩んでいるはずなのだ。自分の親の愛情に触れて育てられてきたはずなのだ。いっぽう、登場人物たちはどうだっただろうか。嫌な過去を持つ人たちだったはずだ。爆撃前の母と、ラストの母は同じ人だろうか? 娘は?

俺は別人だと思う。改変された人生を生きているラストの登場人物たちは、爆撃前の登場人物たちとは、別人であるはずだ

どう解釈しましたか

別人でないのだとしたら、彼らは自分たちが悲惨な境遇で生きてきて、なぜか違う時代を生きていたのに同じ空間に閉じ込められて、自分たちが血縁者たることに気づき、そして協力してあの空間を脱出しようとした経験を持っていることを、全員が覚えていなければならない。その記憶を持ったまま、あのラストを暮らしていたとしたなら、彼らは同一人物だ。そうであるなら、真のハッピーエンドだ。

仮にあのラストの人たちが、俺の指摘した過去を持っていない人たちであるなら、それは、ハッピーエンドではない。なぜなら、外見は同じでも、別の人生を歩み、別の存在の在り方をしている人物たちだからだ。そう思いませんか?

 

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コメント

  1. なちまひ より:

    そんなん言い出したらキリがない
    映画なんだから

  2. S より:

    なんだこの中身薄っぺらい映画批評ブログ笑
    斜に構えるのが通だと勘違いした典型的な無能やん草

  3. fz より:

    最後に何かを抱えてるのは娘のジョディではなく母親のサマンサです。抱えている物は子供ではなく壺のような物、おそらくはハンス(又はサマンサの夫)の遺灰だと思われます。

    • hanori より:

      コメントありがとうございます。もう内容覚えてないけど、同じような指摘を受けたので、たぶんそうなんだと思います。閲覧してくれる方のために、本文内に注釈いれさせていただきます。

  4. 名前 より:

    >娘が抱えているのは赤ん坊だろう。
    違う映画見てません?

    • hanori より:

      一つ前のコメントの方(fzさん)と同じことを言いたいのだと思うので、本文内に注釈いれさせていただきました。コメントありがとうございます。

  5. Z H より:

    母が抱えてるのは祖父の遺灰、遺骨でしょう。
    敢えて言うと、仮にジョディが赤ん坊を抱いて幸せに砂浜を歩いたたら、かなり陳腐な物語になってしまうかと思います。
    爆撃で亡くなる筈だったハンスが生きて篤志家になってサマンサやジョディに財産を残して無くなった。何不自由無い生活ができているが、なぜか寂しそうに海外を歩く。
    それはトムという重要な血縁者がいたことがサマンサやジョディの記憶の中にあるが、現実にはいない。否、今の状況では産まれる筈がない息子、孫で、しかし最も会いたいと思う人物だった。
    という輪廻の業を表現しているのでは。
    そこが映画に深みを出しているような気がします。

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