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映画『時間離脱者』ネタバレ感想 ラストの人物たちって別人だろ?

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時間離脱者

30年もの時を隔てた2人の主人公がお互いの夢を通じて未来と過去を知り、歴史を改変することで恋人を救おうとする話である。ややこしいけども、要は純愛映画ってことでしょうな。普通に観ればこの作品はハッピーエンドだと思うはずだ。しかし、個人的にはそうではないと思う。その辺の話を。ネタバレあり

―2016年 韓 107分―

 

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解説とあらすじ

解説:「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨンが手掛けたSFスリラー。1983年、ジファンは恋人へのプロポーズ中、強盗に刺される。2015年、刑事のゴヌは犯人の凶弾に倒れる。30年以上の時を隔てて同じ病院に運ばれた2人の男は、夢の中で互いの存在を知る。出演は「私の愛、私の花嫁」のチョ・ジョンソク、「僕の妻のすべて」のイム・スジョン、「怪しい彼女」のイ・ジヌク。(KINENOTE)

あらすじ:1983年1月1日。高校教師のジファン(チョ・ジョンソク)は、恋人のユンジョン(イム・スジョン)にプロポーズするが、その最中、強盗に刺されて重傷を負う。病院に運ばれたジファンにもたらされたのは、意識を失っている間にユンジョンが何者かに殺害されたという知らせだった……。それから32年を経た2015年1月1日。刑事のゴヌ(イ・ジヌク)は、追跡していた窃盗犯の凶弾に倒れる。30数年の時を隔てて同じ日、同じ時間、同じ病院に運ばれたジファンとゴヌ。生死の境を行き来する状況下で何とか息を吹き返した2人は、その日を境に、夢を通じて、互いの日常を知ることとなる。やがてゴヌは、夢の中でユンジョンそっくりな女性ソウン(イム・スジョン二役)と出会うが、彼女の身にも危険が迫っていた……。(KINENOTE)

予告とスタッフ・キャスト

(BBBCorporation)

監督:クァク・ジェヨン
出演:チョ・ジョンソク/イム・スジョン/イ・ジヌク

男女の純愛映画であるようだ

30年の時を隔てた2人の男が、似たようなシチュエーションで犯罪者により傷を負わされ、そこから回復する過程でなぜか、夢を通じて互いの存在を知り、自分たちの人生が影響しあっていることに気づく。

1980年代を生きる教師がジファン。その恋人がユンジョン。2010年代を生きる刑事がゴヌ。ゴヌが出会う、ユンジョンと瓜二つの女性がソウン。女性のほうはそれぞれ、ジファンとゴヌと関わりあう中で、不幸な死を迎えることになる。

それを何とか阻止するために、2人の主人公が夢を通じて未来と過去に起きる出来事を手がかりにして、歴史を改変することで恋人を救おうとする話である。ややこしいけども、要は純愛映画ってことでしょうな。

なぜ今作を観たかというと、タイムリープ系作品をたくさん鑑賞したいから。その中で探し当てた1作。借りる前からパッケージであらすじを見ていたので、軸になるのは男女の恋愛話なんだなってのは分かっていた。あんまりその手の映画、しかもベタベタに泣かせに来る韓国映画は見ないので、ちょっとためらったのだが、タイムリープ系ということで鑑賞するに至ったのである。

未来を変えながら犯人を捜す

で、どうだったかというと、内容としては可もなく不可もなく。そこそこ楽しめる作品でした。ただ、おかしいと思うところはある。この映画は、普通に観ればハッピーエンドだと思うはずだ。しかし、個人的にはそうではないと思う。

この作品では80年代を生きる教師のジファンが恋人を殺した殺人犯を特定するために、ゴヌの生きる未来の世界から手がかりを得ることで、自分の生きる時代の歴史を変えるべく奔走するのが話の軸になっている。そして、ジファンが未来を生きるゴヌの体験から得た情報をもとに動くと、少しずつゴヌの生きる未来が変容していくのだ。この作品ではその変わっていく様を、視覚的にも表現しているのでわかりやすい。

未来を変えながら、ジファンは少しずつ真相にたどり着いていく。それにより、ゴヌの未来世界も少しずつ姿を変える。で、最終的に、ゴヌの世界ではつかまっていなかったジファンの恋人を殺した男が、特定されるに至る。

結末はハッピーじゃないよね

それにより改変された未来が、ラストのシーンなのである。実はソウンはユンジョンの生まれ変わり? みたいな存在で、未来においてゴヌと結ばれることでハッピーエンド。過去、殺人犯によって不幸な目に合わされたジファンの生徒たちも、未来においては別の職業、別の立場の人になりかわって、ラストに登場するのである。

オイオイオイオイ

駄目だよ、それ。このラストに出てくる人たち、作中の不幸なやつらと別人でしょ。いきなり未来変わっちゃって、変わる前の記憶残っているの? 残ってないでしょ? そもそも彼らは、不幸な人生を辿ってこなかったことになっているんだから、ラストで描かれている世界では、これまでゴヌたちが生きた世界とは別の場所じゃないの?

つまり、ジファンがいろいろと歴史を変えたことで、その後の未来がいくつも分岐したってことだよね? パラレルワールドが幾つもできたってことだよね?

そう考えると、ラストにたどり着く前に死んでしまったソウンは、真の意味では生き返ってないのである。ラストのソウンは言うなれば、別次元のソウン2であり、そもそも死んでいないソウンなのだ。つまり、ゴヌが助けたかったソウンとは別人なのである。それでハッピーエンドと言えるだろうか?

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ゴヌだけがなぜか、同じ時間軸を生きている

この作品に限ったことではなく、過去の歴史を変える系のストーリーでは必ず、俺が疑問に思っている上記のことについて、無視するのである。そこに言及することはないのである。これは単に作り手がそういうことに思い至らないのか、思い至っても「そんなこと言ったら作品にならないよ」と思っているのか、どっちなのかしらんが、おかしくないだろうか。

それとも、俺の言っていることのほうがおかしいのか。

この作品において、ちょっと珍しいなと思ったのは、ゴヌだけはラスト、未来が改変されていることに気付いている点だろう。つまり、彼は別人ではないのである。同じ時間軸を分岐せずに直線的に生きていたのである。そして、変わっていった未来についてほほえましく思っているようだ。

オイオイオイオイオイ

それでいいのか? お前は刑事だったのに、これからは教師として生きていくんだよ? 知らぬ間に転職(笑)させられてて、仕事になるの? 大丈夫? 未来が変わったってことは、お前の過去も変わったんだから、これまでのお前の思い出とかどうなるの? 未来が変わったことで、二度と会えなくなっている人もいるかもしれないんだよ? そういうこと考えないのかな。

と、フィクションについてそんな突っ込みいれても仕方ないんだけど、そういうことが気になって仕方ないのである。ただし、これは作品の中身の面白さとは別の話なので、その辺は誤解なきようお願いします。

↓という感じの突っ込みを入れたくなる他の作品は下記になります。

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