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映画 ドントウォーリーダーリン ネタバレ感想 フローレンスピューのラップ巻き

ドントウォーリーダーリン
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ドント・ウォーリー・ダーリン

箱庭みたいな管理された環境で生きる夫婦。夫は旧時代的な男としての役割を果たし、妻も良妻として彼を支える。だがその暮らしに何かの違和感を抱いた妻は、その世界の真実を知ることに。風刺劇にはなっているものの、なんだか過去作に似た既視感覚える内容の作品。ネタバレあり。

―2022年公開 米 123分―

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ネタバレ感想

解説:「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で鮮烈なデビューを飾ったオリビア・ワイルドが、「ミッドサマー」のフローレンス・ピューを主演に迎えて放つ長編監督第2作目。主人公・アリスの周りで頻繁に起きる“不気味な現象”は果たして現実か悪夢か……、幸せな日常が混沌の世界へと変貌していくユートピアスリラー。共演は、アリスの夫・ジャックにイギリスのボーイズグループ〈ワン・ダイレクション〉のハリー・スタイルズ。他にクリス・パイン、ジェンマ・チャンなど。2022年・第79回ヴェネツィア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門正式出品作品。(KINENOTE)

あらすじ:完璧な生活が保証された街で、アリス(フローレンス・ピュー)は、愛する夫ジャック(ハリー・スタイルズ)と平穏な日々を送っていた。理想の生活、理想の家、そして理想の夫。幸せな生活を送るアリスだったが、ある日、隣人が赤い服の男達に連れ去られるのを目撃する。それ以降、彼女の周りで頻繁に不気味な出来事が起きるようになる。次第に精神が乱れ、周囲からもおかしくなったと心配されるアリスだったが、あることをきっかけに完璧だと思っていたこの街に疑問を持ち始める。(KINENOTE)

監督:オリビア・ワイルド
出演:フローレンス・ピュー/ハリー・スタイルズ/オリビア・ワイルド/ジェンマ・チャン/キキ・レイン/ニック・ロール/クリス・パイン

ネタバレ感想

レンタルで鑑賞。フローレンスピューが全編通して可愛げがあるし、サランラップを顔に巻いたり、壁とガラス窓に挟まれて顔がぺちゃんこになったりと、セックスシーンがあったりと、彼女の体当たり演技は見所か。

逆に言うと、それ以外にはそんなに楽しめる部分はなかったかな。この物語の舞台となるどっかの街って現代ではなくチョっと昔のアメリカで、郊外の大きな家に住み、男は仕事を頑張り、妻は専業主婦として過程を支える。そしてプライベートでは近所の人たちとパーティしまくりみたいな生活。

こうした理想的に見えるライフスタイルは昔のアメリカンドリームの一つだったんだろうか。その辺はよくわからんが、冒頭から過去作の『ステップフォードワイフ』を思い出しちゃったな。

でまぁ、こうした箱庭的世界の中で、フローレンスピュー演じるアリスはイケメン旦那のジャックの仕事の帰りを待ちつつ、家事をこなして近所のマダムたちとバレエ教室に通い、夜はジャックと夜の営みをするという。

ジャックはエンジニアとしてフランクという経営者の運営する会社で働いている。というか、この町に住んでいる男は全員フランクの会社の仕事に従事していて、町の運営もフランクと彼の妻が牛耳っているような感じ。

ただ、その仕事内容が何なのかってのはジャックの口からアリスに語られることがない。そんな歪な夫婦関係がうまくいくわけなんかないわけで、町の異変に気付いたアリスはそれをジャックや友人に訴えるものの、自分が変人扱いされてしまう。

てなことで、ネタバレすると、アリスの住んでいる町はフランクたちが構築した仮想現実の世界なのである。であるからか、卵の殻を割っても中身が入ってないようなことが起こる。これは恐らくシステム上のバグみたいなもんなのかもね。

どうしてアリスがこの世界に暮らすことになったかというと、現実世界のジャックはうだつの上がらない生活をしてて、アリスは看護師として激務の毎日。そんな中で、ジャックが彼女に黙って仮想世界に生きることにしたみたい。

どうしてそんなことしたかというと、男としての甲斐性を持たない彼が、アリスに対してその雄度を発揮したいがためだったっぽい。バカバカしい話だが、この作品はそうした男は男、女は女の役割を果たすべきーーみたいな旧時代的なライフスタイルを皮肉っているんだと思われる。

とはいえ、アリスの友だち兼、本作の監督を務めたオリビアワイルド演じる女性は、現実世界で子どもがいないために、仮想現実と知りながらも子どもと暮らせる仮想世界で生きる暮らしを選択しているわけで、そういう生き方を選びたい女性もいるのだということを示唆しているところはなかなか皮肉がきいている。

てなことで、作品としてのテーマ性みたいのはきちんと、しかもわかりやすく描かれているんだけども、細部の説明が足りな過ぎてちょっと残念。最後、アリスがどうなったのかも描かれないし、フランクは自分の妻に刺されちゃうわけだが、あれは妻のほうがこうした世界を望んでいた黒幕だったように思わせる効果はあるものの、背景が不明なので真意がよくわからん。

ついでに、アリスは元の現実に戻るために逃走劇を行うわけだが、そもそも自分の真の肉体は現実世界においてフランクの会社に管理されているんだろうから、あんな逃走をしたって無意味だと思うんだよなぁ。

そして、その外側のフランクの会社のことがまったく描かれないのもおかしな話で、そして、そもそもフランクがどうしてあんな旧時代的な世界を創造したかったのかもよくわからん。

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