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映画 コングレス未来学会議 ネタバレ感想 ラストは幸福なのか

コングレス未来学会議
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コングレス未来学会議

原作は未読。何となく気になってた作品なんで鑑賞してみたら、かなり悲惨なディストピア作品だった。ただ、見方によってはユートピアでもある。こういう世界っていずれ現実になるんだろうな、とも思わせる内容。映画として面白いかと聞かれると、そんなんでもないけども、心に残る作品ではあったかな。ネタバレあり。

―2013年制作 以=独=波=盧=仏=白 120分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:自らの戦争体験を描いたドキュメンタリーアニメ「戦場でワルツを」が第81回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたアリ・フォルマン監督が、スタニスワム・レフのSF小説『泰平ヨンの未来学会議』を映画化。映画産業への皮肉を混ぜつつ、人間の飽くなき欲望の果てを実写とアニメーションを融合させ描く。「50歳の恋愛白書」「フォレスト・ガンプ/一期一会」のロビン・ライトが本人役で出演。ほか、「シンデレラマン」のポール・ジアマッティ、「バグジー」のハーヴェイ・カイテルらが集結。また、映画評論家・翻訳家の柳下毅一郎が字幕監修を手がけている。東京アニメアワードフェスティバル2014コンペティション部門長編グランプリ作品。(KINENOTE)

あらすじ:俳優の姿を全身スキャンしてデジタルデータ化し、映画会社はそのデータを利用し映像を制作できるシステムが確立。すでに旬を過ぎた女優ロビン・ライトのもとに、莫大な報酬と引き換えに彼女のデータを取り20年間自由に使用させてほしいという依頼が入ってくる。子供のためを思い彼女は契約するが、20年後、思いもよらない未来が待ち構えていた。(KINENOTE)

監督・脚本:アリ・フォルマン
原作:スタニスワフ・レム(「泰平ヨンの未来学会議」(集英社刊))
出演:ロビン・ライト/ポール・ジアマッティ/ハーヴェイ・カイテル/ジョン・ハム(声)

ネタバレ感想

適当なあらすじ交えた感想

肖像権を売ってスキャンする契約

この作品世界では、俳優などはそのDNA的なものをスキャンされてデータ化すると、必要がなくなっちゃうの。なぜならそのデータでつくられた俳優、この作品においてはロビンライトだけども、年を取らないから。彼女の演技力を引き継ぎつつ、容姿も体力も若い頃のまま。そいつがスクリーンで活躍するのである。であるから、肖像権を失くしたロビンライトは用済み。彼女は難病を抱える息子のために、かなりの額をもらってその契約を果たすのだ。

でも、彼女は本当は、そんなことしたくなかったのだ。出演作にこだわりをもって選んできた過去があるし、デジタル世界についても懐疑的だから(というように見えた)。そんな彼女が、データを売り渡した20年後、世界はとんでもないことになっているのである。

アニメ化された仮想世界

この作品では、その20年間が空白になってて、ロビンライトがその間何をしていたのかよくわからん。眠ってたのかなぁ? まぁそれはおいといて、20年後、彼女は未来学会議ってのに呼ばれて、その会場に行ってみる。

そこに入るには、ヘンテコな薬みたいのを飲まなきゃいけない。飲んでみると、目前にあるのは、自分も含めたすべてがアニメ化された世界なのだ。どういう原理かよくわからんが、薬によって、仮想現実的な空間にいざなわれたらしい。

で、ロビンはこの世界におけるシンボルみたいな存在で、彼女が売り渡した肖像権を使用したSFアクション作品みたいなのが放映されている。なぜかその作品だけ、アニメ世界なのに実写化されている。未来学会議では、新しい薬品の使用が宣言される。それによると、その薬を飲めば、なりたい人物になれるらしい。

夢か幻か

彼女はそれが発表された際に、懐疑的な気持ちになって、そのことをそのまま壇上で大衆たちに伝えた。そしたら革命みたいのが始まって、彼女もそれに巻き込まれてしまうーーで、こっから先は、また20年くらい時が経ったり、なんなり、繰り広げられることが荒唐無稽かつ意味不明で、そもそも起きていることが、ロビンの幻覚というか、夢なのか、なんだかよくわからなくなってまうのだ。

そうやっていろいろあるものの、ロビンは現実世界に戻る選択をする。なぜなら息子が待っているから。んで、久しぶりに現実世界に戻ってみたら、人々はみすぼらしい恰好をした、夢遊病者みたいな感じで生きている。これはおそらく、現実世界の人々は薬で幻覚を見ていることを示しているんだと思われる。

ロビンは仮想世界に行かずにいる息子の主治医と会って、息子の消息を聞いた。そしたら、息子はなんと、半年前に薬を飲んであっちの世界に行っちゃったとのこと。息子がいなければ意味がない。ということでロビンは、いろいろ考えつつも、またもや仮想世界に入っていく。

仮想世界のロビンは息子の姿をして生活をしていた。そして、ロビンの姿をした息子と再会を果たすのである。

というのがかなり適当なあらすじ交えた感想。

ラストのロビンの選択

ロビンは息子に会いたくて仕方がないから、仮想現実の世界に生きることを決めるんだけど、この決断って、個人的にはすごく微妙。なぜなら、この作品における仮想現実は自身の主観が生み出すものであって、客観的な世界ではないからだ。

例えば、自分の認識によって、見える世界が変わるーーというようなことを息子の主治医が言ってて、要するに、一度外に出てしまうと、前にいた仮想現実と同じ世界には戻れないらしいのだ。なんでかというに、ロビンの方が一度目覚めてしまってるから。つまり、楽しい夢を見て目覚めたとして、それの続きを改めてみることが不可能なのと同じことだ。

繰り返しになるが、ロビンが戻った仮想現実の世界は主観的世界であって、客観性がないので、他人なんて最初からいないのである。いるとしたら、自分の脳が作り出した世界の中の人物のみ。ロビンが息子の姿をして再会した、ロビンの姿をした息子は、要するに自分自身に再会しただけなのである。もしくは、自分の主観が作り出した息子だ。それも結局、ロビンなんだけど。

ディストピアでありユートピア

この作品はつまり、主人公が内向きの世界を選択する話なのである。そこに対する選択と、ああした仮想現実の世界に人々が生きているのが、個人的にはディストピア作品だなと思うんだけど、鑑賞する人によっては、理想的な世界に思えるかもしれない。

だって、好きな人物になれて、好きなことができる世界なんだから。自分の思い通りだ。辛いこともなければ、悲しいこともないのかもしれない。それってある意味では、ユートピア。ただし、自分の主観が作り出した世界だけでの話なんだけども。

ただ、よくよく考えてみたら、自分が現実だと思っている今の世界だって、俺の主観が作り出した世界である可能性は捨てきれないわけで、そういう立場に立つと、今作の仮想現実世界に生きる人と、俺自身の存在のあり方は、さして大差がないという考え方もできうる。どちらも主観的世界なのだとしたら、この現実世界そのものがディストピアでもあるわけだから、より幸せになれそうなほうで生きたくなる=夢を見ていたくなるのも不思議ではない。

では、俺がなぜあの仮想現実を直感的に嫌に感じるかを考えてみたが、やっぱりそれは、“この世界こそがリアル”という感覚から離れることができないからだろうと思われる。しかし、それがリアルであるかどうかは、おそらく証明できない。形而上的な世界があったとしても、人間はそれを認識できないからだ。

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