アフリカン・カンフー・ナチス
第二次世界大戦で死ななかったヒトラーと東条英機がなぜかガーナに入国し、空手と洗脳術で街を支配。街に住む格闘青年、アデーは自分の道場をつぶされ、奪われた恋人を取り戻すために修行を始めることにしたーー。荒唐無稽でチープなバカ映画。そこを面白がれる人なら評価できそうな作品。ネタバレあり。
―2021年公開 加=独=日 84分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ヒトラーと東条英機が世界征服を企むという奇想天外なアイデアに基づくカンフー・アクション。第二次世界大戦を密かに生き延びたヒトラーと東條は、ガーナに世界侵略の拠点を築いていた。彼らにカンフー道場を潰された青年アデーは、復讐を誓うが……。在日ドイツ人のセバスチャン・スタインが、ヒトラー役と監督を兼任。(KINENOTE)
あらすじ:第二次世界大戦終結後、ヒトラーと東條英機は密かに生きていた。彼らは逃げ延びた先のガーナを制圧すると、空手と魔術的パワーを持つ日独同盟旗“血塗れの党旗”を用いて現地の人々を新たな人種“ガーナ・アーリア人”として洗脳。世界侵略のための拠点を築いていく。圧政の中、心優しき地元の青年アデーは、ヒトラーたちにカンフー道場を潰され、恋人を奪われてしまう。復讐を誓うアデーは、最強のカンフーを習得するため、過酷な修行に身を投じるが……。(KINENOTE)
監督:セバスチャン・スタイン/ニンジャマン
出演:エリーシャ・オキエレ/セバスチャン・スタイン/秋元義人
ネタバレ感想
適当なあらすじ
怠け者だが自惚れ屋の主人公アデーが、自分の力を認めてくれない師匠に憤ってウジウジしてたら、恋人にも愛想尽かされそうになっちゃってさらに自暴自棄に。そうこうしてるうちに、街がヒトラーと東条英機によって脅かされ始め、人々はガーナアーリア人として洗脳されていってまう。さらに、師匠がヒトラーの手によって殺されたうえ、恋人も奪われてしまった。
強いと思ってた自分の格闘術も通じず、東条英機に指を詰められてしまったアデーは、助けてくれた酔拳使いの浮浪者に修行を頼む。過酷(には見えないが)な修行を終えた彼は、酔拳使いの紹介であらたな師匠につき、その技もマスター。さらに、巫女によってヒトラーの洗脳を解く方法を伝授される。ヒトラーと東条打倒の準備を整えたアデーは、ナチスが主催する武術大会に参加するのだったーーというのが適当なあらすじ。
バカバカしいバカ映画
Amazonプライムで配信されたので鑑賞。実にバカバカしい話を真面目にやっているところはすごい。日本語字幕も気合が入ってて、なぜか関西弁。確かに標準語よりもしっくりしている感じがある(笑)。いずれにしても、実にバカバカしい作品で、薄ら笑いを浮かべて突っ込みながら鑑賞するのがよろしい類の内容ですな。真面目に観ちゃったら駄作にしか見えないからね。
ヒトラーや東条なんて、最初から似せる気がないとしか思えない出で立ちだし、東条にいたっては体がぶよぶよで、とても空手の達人には見えない。残酷描写もチープで、アデーの友人の生首とかは爆笑レベルのリアリティのなさだが、それでもこれはこれでいいなと思わせてくれるのだ。それは何でかというに、過去のカンフー作品へのオマージュも随所にちりばめつつ、荒唐無稽でバカバカしい内容を、実にマジメに、熱意を込めて作ってるように感じるからだ。
ヒトラーとアデーのラストバトルがなぜか銃撃戦ってのはもったいない感じがしなくもないが、短い時間で観終われるし、人生がバカバカしくてどうでもよくなったときなんかに、こういうバカバカしい映画を酒でも飲みながら鑑賞すれば、人生のバカバカしさすらバカバカしくなってきて、元気になれる人もいるかもしれない。
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