クレイジー・ワールド
ウガンダ発のワカリウッド映画。バイオレンスでありながらコメディチックに展開されるハチャメチャなアクション作品。
―2019年製作 宇 63分―
解説とあらすじ・スタッフ・キャスト
解説:アフリカ、ウガンダのアクション映画製作会社ラモン・フィルム・プロダクションが放つ“ワカリウッド”映画の1作。ワカリウッドを代表する鬼才ナブワナIGGがメガホンをとり、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020で審査員特別賞を受賞した。ウガンダ最凶の犯罪組織タイガー・マフィアは、幼児誘拐を繰り返していた。今回もうまくいくはずだったが、誘拐した子どもたちの中にカンフーマスターがいたことから、事態は思わぬ方向に。子どもたちは密かに脱出を計画し、さらにかつてタイガー・マフィアに娘を誘拐され妻を殺された兵士も参戦、大規模な抗争へと発展していく。「エクストリーム!アフリカン・ムービーフェスティバル」(2021年9月3日~/東京・新宿ピカデリー、大阪・なんばパークスシネマ)上映作品。(映画.com)
あらすじ:ウガンダ最凶のタイガー・マフィアは、幼児誘拐を繰り返していた。しかしある時さらわれた子供たちの中にカンフーマスターがおり、彼は密かに脱出計画を練り始める。更にかつて娘を誘拐され妻を殺された兵士も加わり、大規模な抗争へと発展していく。果たして最後に生き残るのは誰なのか?想像を超える結末が待ち受ける!(Amazon)
監督:ナブワナIGG
キャスト:アイザック・ニュートン・キジート/キラボ・ベアトリス/ナッテンボ・レイチェル・モニカ
ネタバレ感想
ウガンダのワカリウッド映画って何?
レンタルで鑑賞。ウガンダ映画なんて初めてだ。何の知識もない状態だったので、上の引用にあるワカリウッドって何じゃ? ってな感じだったので鑑賞前に少し調べてみた。スクリーンオンラインによると
“ワカリウッド”とは、ウガンダの首都カンパラのスラム街ワカリガに由来し、”ワカリウッド”映画は主に、同地に拠点を置くウガンダ初のアクション映画製作会社ラモン・フィルム・プロダクションで製作されている。
1作品あたりの製作費はなんと約200 ドル(約2万円)という驚きの低予算ながら、想像を超える世界観で構成された映像は YouTube などで公開されると、その誰も観たことのない衝撃的な映像がネット上で話題を呼び、評判が世界中に拡散!(スクリーンオンライン)
――だそうです。
海賊版映画、よくない!
で、あらすじは引用の通りなんだけども、特徴的なことがいくつかある。なんか、いきなり「日本の忍者たちにメッセージだぜ!」みたいな感じで、ウガンダの軍人たちが海賊版映画が違法であることを、ウガンダ的な描写で伝えてくるのである。CМかしら(笑)。
そんで、なんだかよくわからんうちに、その描写の地続きみたいな感じで本編がスタート。この内容がマジでもうメチャクチャで、学生が自主製作で撮影しているような感じで話が延々と続くーーかと思ったら、途中でまた「やっぱり海賊版映画はよくないぜ!」みたいなCМがまた入るのだ。
その内容がまた過激で、海賊映画を見た奴らが囚われて死刑になっちゃったり、果てはウガンダを飛び出て世界各国の海賊版見てる奴らを戦闘機だか戦闘ヘリだか忘れたけども、まぁそんなのに乗った軍人が抹殺にかかっちゃうという。そしてその描写がまた本編と同じでチープ(笑)。
チープなのも当然で、このワカリウッドの作品ってのは超低予算(およそ200ドルらしい)で作られてるのが特徴みたい。
子どもを拉致するタイガーマフィア
で、ストーリーは、呪術者に子どもをさらっては殺せとアドバイスされたタイガーマフィアという組織のボスが、それを実行に移してみたら、その子どもらの反撃にあったり、その子たちの親たちに殴り込みをかけられるーーみたいな話(笑)。俺はウガンダって国についてほとんど知識がないものの、何ともアフリカ的な社会背景がありそうだなと思わせるつくりになっていた。
この組織のボスが子どもみたいに背が低いってところが笑わせる。というか、子どもなのかな。スーツもダボダボに見えるし。でも、組織のボス(笑)。こいつが子ども誘拐の首謀者なんだけども、ラストでは自分も別の組織に拉致されてっちゃうってのが何とも皮肉ながら笑わせる。
で、この組織から子ども奪還せんとする奴が、ウガンダの軍人だったり、ブルースUとかいうカンフー使いだったり、ただのオッサンだったり(笑)。ところがこのただのオッサンは実は組織のボスと親戚関係だったことが判明するとか、マジでもう何なんだよっていう適当さ。
こんな内容の作品が、それなりに海外含めてけっこうな評価を得てるらしく、日本でも映画祭みたいなんで上映されたりしてたみたい。何でそんなに評価されてたのかは俺にはさっぱり理解できないんだけども、その内容には確かにかなりの映画愛が感じられるのは間違いなくて、そこが評価ポイントなんだろうか。なんか、グラインドハウス的な作品に見えなくもない。ともかく、ようわからん作品で、タイトル通り、なんもかもがクレイジーワールドであった。尺が短いので一見の価値はあるかと。
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