ディープブルー2
1作目と似たようなシチュエーションで物語が展開し、1作目よりも小粒感満載なまま終わってしまうサメパニック映画。ダメ映画が好きな人なら、それなりに楽しめる作品です。ネタバレあり。
―2018年製作 米 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:人気パニックホラーの続編。遺伝子操作されたサメを利用したアクアティカ計画が失敗に終わってから19年後。製薬会社は海底の実験施設での研究を再開するが、薬物によって巨大化したサメたちは賢さと素早さと凶暴さを増し、人々に襲い掛かる。(KINENOTE)
あらすじ:アルツハイマー病の最先端治療を開発するべく、海底の施設でサメを使った遺伝子操作実験が行われる。その実験体として使われているのは、獰猛なオオメジロザメだった。薬物を投与され巨大化した獰猛なサメたちは、より賢さと狂暴さを増して、人間たちを追い込んでいく。
監督:ダリン・スコット
出演:ダニエル・サヴレ/ロブ・メイズ/マイケル・ビーチ
ネタバレ感想
ネットフリックスで見つけて鑑賞。タイトル的には続編っぽいけども、物語としては独立してる感じ。にしても、20年近く経って、どうして今更こんなんつくったんだろうか。海上にあるサメの研究施設というシチュエーションは、1作目とまったく同じ。しかし、1作目の施設とは同様のものではないっぽく、その規模も20年前よりもショボい。特に海上に出ている部分は小屋が2つ海上に浮いているような感じにしか見えず、非常にお粗末(笑)。
パニック展開が起こるのは物語も45分が経つ頃。時間かかり過ぎで、ここまでが退屈なんだよなぁ。で、そのあとは実験中のサメが暴走して施設を破壊して人間たちに襲い掛かってくる。これも前作と似たような展開。さらに、施設の研究者が己の私利私欲のために暴走していくってのも同じ。
で、今回の悪者役であるデュラントは、サメを使った実験から得た知見を使い、人間の潜在能力を引き出す薬を開発するのだ。で、彼がそれを何に利用としているのかってのが、なかなかぶっ飛んでて笑える。曰く、いずれAI=コンピューターによって人類が支配されるので、それを防ぐために人類の潜在能力を引き出すことで、その脅威に対抗しようという壮大な計画を立てているらしい。
なるほど、AIに支配されるという予測はありそうな話でもあるから、彼の理想はかなり英雄的であるとも言える。しかし、その大事の前には、施設で行う自分の悪事は小事なのであるという信念(?)でもっていろいろと迷惑行為をしてくれて、施設の仲間たちが犠牲になってしまうんである。
しかしまぁ、よく考えてみると、そのデュラントの理想ってのが物語内での出来事とあまりつながっていないというか、活きてないんだよなぁ。そもそも、彼は自分を使って薬の治験をしてるんだけど、その薬によって彼の人間としての能力の何が開花しているのか、まったく描かれない。であるから、何がすごい薬なのかまったくわからんのである。
超人的能力を得てサメと肉弾戦してくれるのかなぁとか期待したいんだけど、そんなんはまったくない。潜在能力の片りんも見せることもなく、サメに壮大な食われ方をして死んじまうのだ。
何らかの薬の効果があったとわかるののは、昔よりイカれた人間になっているーーと施設で働く元軍人のトレントが評しているように、人間性が変わったことくらいだろう。
他にも突っ込みどころはたくさんあって、パニックが起こって以降、サメの攻撃がほとんどないんだよね。水没していく施設内に侵入してくるサメはいるんだけども、これはピラニアみたいな性質を持っている小型の奴ら。基本的に本作は、こいつの脅威にさらされながら、施設の外へいかに脱出するかとジタバタする展開なので、サメの脅威が小規模なのである。
前作同様に派手かつビックリする唐突なサメの襲撃シーンもあるんだけど、前作はその犠牲になったのが某有名俳優だったからこそ、語り継がれる名シーンになったわけで、今回のそれは驚きはするものの、これまた何とも小粒な感じ。
ラストのボスサメも信号弾をトレントとミスティが各々発射することでけっこうアッサリ倒しちゃう。あまりにアッサリしすぎてて、二人がどや顔してカッコつけているシーンが何とも滑稽であった(笑)。
てな感じで、何とも小粒な感じが否めない作品であった。ちなみに、冒頭の画像のミスティは露出の高いエロいスーツを着ているが、本編では全身を覆ったスーツを着ているのが残念(笑)。ただ、胸周りの露出は高いので、その辺はエロくて目の保養にはなったかな。
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