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映画 スティルウォーター ネタバレ感想

スティルウォーター
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スティルウォーター

アメリカ人のオッサンがフランスでムショに入れられている娘に再会。殺人の罪でぶち込まれている彼女は冤罪を主張している。オッサンは親父として娘を守り、絆を取り戻すために異国の地で奮闘するのだがーー。娘のために頑張ってたら人生好転しそうになるけど、なかなかうまく行かない親父の物語。なかなか奥行きを感じる物語で面白いです。ネタバレあり。

―2022年公開 米 139分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「スポットライト 世紀のスクープ」のトム・マッカーシーが、マット・デイモン主演で贈るサスペンス・スリラー。フランスのマルセイユを舞台に、殺人罪で服役する娘の無実を証明するため、真犯人を探し出そうとする父親が、やがて思わぬ真実に辿り着く。共演は「ゾンビランド:ダブルタップ」のアビゲイル・ブレスリン。(KINENOTE)

あらすじ:オクラホマ州スティルウォーター。失業中の石油掘削作業員ビル(マット・デイモン)は、ドラッグとアルコールの乱用で過酷な人生を送ってきた。彼は、過去の過ちを償おうと、疎遠になった娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)と再会するためマルセイユへ向かう。アリソンはマルセイユに留学中、ガールフレンドのレナを殺害した罪で9年の刑に服しながらも、無実を訴え続けていたのだ。アリソンから潔白を証明する新たな手がかりを得たビルは、弁護士に再調査を求めるが、まともに取り合ってもらえない。しかしビルは、娘の信頼を取り戻し、父親として認めてもらうため、アリソンが真犯人と信じる男、アキム(イディル・アズーリ)を自らの手で探し出そうとする。異国の地で言葉の壁や文化の違い、複雑な法制度につまずきながらも、知り合ったシングルマザーのヴィルジニー(カミーユ・コッタン)やその娘マヤ(リル・シャウバウ)の協力を得て奮闘するビル。果てしない捜索が続く中、ヴィルジニーやマヤとの絆は次第に深まっていく。それは彼にとって、自分ではどうにもならないと思っていた運命からの解放につながる旅でもあったのだ。やがて、思わぬ形で事件の証拠を入手。だがそれにより、ビルは新たに手に入れた人生をぶち壊し、娘への償いのチャンスまでも失いかねない苦渋の決断を迫られることになる……。(KINENOTE)

監督・脚本:トム・マッカーシー
出演:マット・デイモン/アビゲイル・ブレスリン/カミーユ・コッタン/リル・シャウバウ/イディル・アズーリ

ネタバレ感想

レンタルで鑑賞。異国の地=フランスのマルセイユで困っている娘のために、アメリカ親父が大暴れするバイオレンスアクションかと思って鑑賞してたら、全然違った(笑)。

マットデイモン扮する元アル中のダメ親父が、娘との絆を取り戻すべく奮闘するいたって真面目なヒューマンドラマ。俺がどうして上記のような勝手な勘違いをしてたのはよくわからんが、そんな話ではないのは、親父=ビルが娘を訪ねてフランスに行った瞬間にわかる。

というのも娘=アリソンはフランスでムショにぶち込まれているからだ。特にムショという描写はなくそのシーンは始まるが、ムショであることは一目でわかる。しかもアリソンの罪は殺人。なんでも留学生だった頃、親友の女性=レナを殺害した容疑で断罪されていたのである。

アリソンは無実を主張してて、レナはアキームという青年に殺されたと言っている。では、アキームという奴を探さねばならない。ビルは事件を担当した弁護士を訪ねるなどするが、取り付く島もない。仕方ないのでマルセイユに住みついて、独力で真犯人を突き止めるべく奮闘するのであった。

その奮闘の中で、マルセイユで暮らす母娘に出会い、彼女らと疑似家族のようになっていくことでビルは変わっていく。アメリカでは荒んだ暮らしをしていた彼は、底辺の労働者階級。アメリカの田舎で生きる多様性のない人間に見える。

そんな彼が、マルセイユの貧民街に足を踏み入れたり、その土地や国のしきたりに疎外をされたりする中で、英語しか話さなかったのに、フランス語を話すようになり、少しずつ心を開き、その土地に溶け込んでいくのだ。それは娘のためでもあるのだが、それ以上にビルが母娘の存在を大事に思うからだったのであろうと思われる。

しかし、この話はビルの成長物語にとどまらない。ビルはある日、娘のマヤの好きなサッカー観戦に出かける。するとサッカー場で、アキームの姿を見つけるのだ。チャンス到来。

居ても立っても居られないビルは、やめておけばいいのに、帰宅中、マヤが寝ているのをいいことに、アキームを拉致しちまうのである。もう少し工夫しろやと思うくらいに脳筋バカな行動をしてしまったために、住居の地下に監禁していたアキームの存在がマヤにバレてしまう。

そんで、いろいろあって、警察に踏み込まれることに。万事休したかと思いきや、監禁していたアキームはそこにいなかった。これはビルが金を払って協力してもらってた元警官の仕業か、マヤのお母さんがやったのか、その辺は俺には判断つかなかったが、いずれにしてもビルは犯罪行為をしていたわけだから、母娘と別れざるを得なくなる。

しかし、その犠牲と引き換えに、アキームはビルが手に入れた髪の毛によってDNA鑑定をされ、真犯人として捕まることになり、アリソンは釈放されるのであった。めでたしめでたしーーでは終わらないのがこの話のシビアなところ。

実はレナを傷つけるようにアキームに働きかけたのは、アリソンだったのである。彼女が好きだったのに、そっけない態度を取られたことに傷つき、可愛さ余って憎さ百倍。

ちょっと懲らしめたろうかと思って金でアキームを雇ったら、このバカ野郎が勢い余ってレナを殺害してしまっていたというーー。なんともアホらしい結末。そんなことをしでかしてしまったからこそ、アリソンは罪の意識に苛まれて、一度は自殺を図ったのでありますな。

そんなアリソンを抱きしめるビル。二人は父娘の絆を取り戻したようであったーー。今度こそ、めでたしめでたし。

ビルにとって、マルセイユの母娘との仲が取り戻せないのは不幸であるが、当初の目的は達したのでハッピーエンドとはいえる。

脳筋アメリカバンザイ男が、アメリカ人以外と初めて関わることで、相対的観点を身につけて成長していったように見えて、そこの奥行きに、個人的には感心した。

あと、マヤが自分の応援しているサッカーチームのマルセイユの選手について語るシーンで「酒井」って言葉が出てくるのに、「おぉ」と思った。これって、今は浦和レッズにいる酒井宏樹選手のことだよね。

ちょっと調べたら本当に彼のことで、本人も喜んでいたみたい。

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