沈黙の達人
―2018年公開 米=泰=香=英 85分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:スティーブン・セガール主演で、「ジョン・ウィック」のスタッフが製作したアクション。特集『のむコレ2018』にて上映(前夜祭として2018年11月2日上映)。(KINENOTE)
あらすじ:多くの命を奪ってきた元世界最強の特殊部隊のリーダーであるアックスは、タイの地で人々を治癒することを贖罪としていた。しかしある日、特殊な能力を持つ村の少女タラが誘拐される。誘拐したのは世界最高の暗殺者キューマムだった。アックスはタラを取り戻すため、かつての仲間を集めてキューマムのアジトへ向かう。(KIENOTE)
監督:マチュー・ウェシュラー
出演:スティーブン・セガール/ルイス・ファン/ユー・カン
ネタバレ感想
セガールアクションの新しい目の作品をすごく久しぶりに観た。たぶん、俺が彼の作品で最後に鑑賞したのは『DENGEKI』。あれはけっこう面白かったけど、それ以降の彼の主演作は評判悪いし、あんまり観たいと思わなかったのでスルーしていた。
ちなみに、過去作は気が向いたときに再鑑賞していて、それはこのブログでも何作か紹介している。
てなことで本作。なんか間延びっていうか展開がのんびりで、必要あるかないか微妙なエピソードもあって、ラストの20分くらい見とけば十分な感じ。例えば、ルイスファン扮するセガール(アックス)の弟弟子、師匠が実の親だったーーというくだりが物語にさほどの効果を与えているように思えない。あと、アックスが少女に花をあげるシーンとか、自殺しようとしてるオッサンをとめるのとか、必要?
特に後者は、簡単な説得で自殺を踏みとどまるオッサンの心変わりの速さが唐突すぎて、あまりにもとってつけた感がある(笑)。それぞれのエピソードはおそらく、アックスが過去の罪を悔いつつ、仏法の道に入ったことで慈愛の精神を身につけた(もともと持ってた?)ことを示しているのだろうし、ラストの師弟関係に対する説教(笑)ーーなどにつなげたいんだろうと思った。そこはわかるけども、なんかやっぱいらないエピソードのような。
で、肝心のアクションはまぁまぁ見れるかな。スタント使ってるんだろうけど、一応、セガールが格闘してるように見えるし。今回使ってるカンフーって詠春拳だよね? 『イップ・マン』の影響だろうか。でもまぁ、相変わらずセガール拳は無敵なわけで、敵のナンバー2はセガールと同門だったことがわかり、対戦するんだけど、最初のやりあいで実力差が完全にわかっちゃって、ボコボコ。
というかセガールはなんでわざわざ薬屋にあいつを呼び出したのよ? 店ぶっ壊しちゃって、ああいうとこホント酷い奴だよな(笑)。で、この同門君は、そのあとルイスファンとも同門対決するんだけど、彼にもボッコボコにされる。なんなんだよ、初出時の強敵感は単なるブラフかよ。
ついでに言うと、ボスも糞みたいに弱い。こいつは最初に人間が入ったサンドバックをぶったたいてるけども、そのときの蹴りがものすごく素人くさくて、大丈夫なのか? と思わせてくれた通りの弱さ(笑)。まぁでも、セガールの映画の敵だからしょうがないよね。
まぁともかく、セガールは元々傭兵で、部隊を率いてたくらいの奴らしい。それで、本作の終盤では過去の仲間を集めて敵ボスのアジトに乗り込む。でも、あんなに仲間集めて作戦練る必要とかあったんだろうか。けっきょくアジトの中で盛大に発砲とかしてるんだし、そのまま正面突破でもよかったような。
あと、VIPしか入れないフロアの通行許可証となるリボンを女兵士が盗んでくるあれ。客を装って複数手に入れたはいいとして、外から持ち込めるIDだったら偽造できちゃうだろ。あのセキュリティ甘すぎないかなぁ。
で、この作戦会議の中である兵士が、「脱出はどうするんだ?」と聞いたのでセガールは「雷のように動け」とかわけわかんないことを抜かす。なんだよそれ、そんな作戦あるかよ(笑)。
あとあと、あの誘拐された女の子の特殊能力ってけっきょくなんだったんだろ? そして、あの能力でボスは何をしたかったんだっけ? というか何なんだよその設定(笑)。
久しぶりのセガールの新しめの作品は、アジアンエスニックな雰囲気のする笑える内容だった。
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