アポストル 復讐の掟
ギャレス・エヴァンスって面白格闘映画の『ザ・レイド』の監督だよね。こういう作品も撮るんだなと驚いた。もしかしたらこういう内容のほうが本人の描きたいことに近いのかも。グロシーンも散見されるカルト教団と元キリスト教徒の対決やいかに。ネタバレあり。
―2018年製作 米=英 130分―
解説・スタッフとキャスト
解説:1905年。誘拐された妹を救うため、孤島へ忍び込んだ男が、島を牛耳る狂信的カルト教団と対峙(たいじ)する。だが、その残虐非道ぶりは想像を絶するものだった。 出演: ダン・スティーヴンス、 ルーシー・ボーイントン、 マイケル・シーン(Netflix)
監督・脚本:ギャレス・エヴァンス
出演:ダン・スティーヴンス/クリスティン・フロセス/ルーシー・ボーイントン/マイケル・シーン/ビル・ミルナー/マーク・ルイス・ジョーンズ/エレン・リース
ネタバレ感想
謎めいたシーンが謎のままだったり、説明がない割には長尺だし、そんなに見所のある作品ではなかったなぁというのが正直な感想。
おそらくカトリックの神父だったと思われる主人公は、北京で布教をしていた際に、すさまじい迫害を受けたことで神への信仰を失い、棄教してしまっている。迫害を受けたことは気の毒なんだけど、布教ってされる側にしてみれば、けっこう余計なお世話ではある。その辺の話は下記でしたので興味があれば。
で、その主人公がカルト教団に誘拐されちゃった妹を救うため、教団のある孤島へ向かう。主人公はいろいろあって、妹を救うことに成功する。妹が言うには、兄=主人公は生きているとは思ってなかったみたい。父にそう告げられていたそうだ。この兄と父の間には、何らかの確執があったらしい。だが、主人公と父との間に何があったのか、その辺の説明はない。
ないと言えば、この映画はカルト教団の崇めている女神がどんな存在で、どんな力を持っているのかはわかるんだけども、それ以外の謎の血まみれ覆面男が何者なのかとか、ドブみたいなところに居た、溶けちゃっている人間が何だったのかとか、説明されないわりに思わせぶりなシーンがけっこうあって、消化不良感がなくもない。俺が解釈できていないだけという可能性もあるんだけど。
トンカチみたいのでおもくそ頭をぶん殴られたり、指をすりつぶされたり、わき腹を何度もナイフで刺されたり、主人公はこの監督の作品よろしく、かなりの耐久力で耐えてみせる。
だけどラストで、妹を救う任務を果たせそうだと感じた彼は気が抜けたのか、「これからも俺の光であり続けてくれ」みたいな臭い台詞(元神父ということもあると思うが)を妹に残して絶命するのであった。
で、最後の最後に主人公の遺体が女神の力を得ているような描写があって、劇終。残された教団の元親玉は、あの後どうするんだろうね(笑)。
この作品で一番胸糞悪いやつとして描かれるのは、教団ナンバー2のクインであることは間違いない。ないんだけど、そもそも教団そのものの教義についての説明がほぼないので、信者の人たちが何で信仰をささげて島にとどまり続けていたのかよくわからんし、クインみたいなやつが暴走しても、自分が逃げることしか考えない彼らのほうが、ある面においてはクソだなぁと思うし、大衆的な人間の弱さだなと感じた。
あと、息子を殺されたからフレディは何もかもどうでもよくなって、教団解散のために反旗を翻したんだろうとは思うんだけど、なんかあまりに終盤近くの教団トップの仲間割れが唐突なので、教団の組織が崩れていくさまに説得力をあまり感じなかったである。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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