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映画 アルファ殺しの権利 ネタバレ感想 フィリピンの麻薬撲滅作戦の裏側は

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アルファ 殺しの権利

ジャケットを観て、ドンパチアクションかなと思ってレンタルしたら、そうでもなかった(笑)。アクションは冒頭のみで、あとは麻薬撲滅のために動いていた警察が麻薬売買をしていることが描かれる警官汚職腐敗作品。ネタバレあり。

―2018年製作 比 94分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:1人の警察官の視点を通して、フィリピンの麻薬戦争を見つめたサスペンス。大統領の麻薬殲滅政令の下、警察はスパイを送り込み、麻薬組織を一網打尽にする作戦を決行する。だが、スパイを管理する警察官もまた、組織から奪い取った麻薬を裏で捌いていた……。出演は『終わりなき麻薬戦争』のアレン・ディゾン。監督は「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」のブリランテ・メンドーサ。サンセバスチャン国際映画祭で審査員特別賞を受賞。「のむコレ3」にて上映。(KINENOTE)

あらすじ:大統領の麻薬殲滅政令の下、警察はスパイを送り込み、麻薬組織を一網打尽にする作戦を決行する。だが、スパイをコントロールする警察官もまた、組織から奪い取った麻薬を裏で捌いていた。やがて善と悪、表と裏が入り乱れる終わりのない争いに発展していき……。(KINENOTE)

監督:ブリランテ・メンドーサ
出演:アレン・ディソン/イライジャ・フィラモー/バロン・ゲイスラー/ジェイリン・タボネクネク

ネタバレ感想

なんだか正義感溢れる雰囲気ある精悍な顔つきの情報部門の警官(名前忘れた)。彼が主人公だ。なんだかチョウ・ユンファに似てなくもなくてカッコいい役者だなと思っていた。で、彼はなかなか有能でもあるようで、彼の情報源を使って、麻薬組織壊滅を狙う作戦が立案される。

情報源であるイライジャはごみ溜めみたいな貧民窟に暮らしており、掃除夫として日銭を稼いでいるが、それだけでは食えないから覚せい剤の売人みたいなことをしている。で、こいつを手懐けた警官は、彼から情報を得て覚せい剤を精製して売り捌くことで儲けているギャングのボス、アベルの居所をキャッチ。上司に報告して壊滅作戦をスタートするんである。

で、ここからのアベルを追い詰める流れを観るに、やはりこの警官は有能だ。計画もしっかり練っていて、手際もよい。このシーンでは、スワットVSギャングの銃撃戦も繰り広げられ、なかなか迫力がある。

俺はこの銃撃戦にいたるまでの敵アジトを包囲するくだりを見てて、同国の格闘作品の『バイバスト』みたいな映画になるのかと思ってた。もっと有名作で言えばインドネシアの『ザ・レイド』みたいな展開になるのかと。だが、全然違った(笑)。本作のブリランテ・メンドーサ監督はもっと社会派な作品を撮る人らしく、こっからは全然違う展開になっていく。

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『ザ・レイド』の影響を受けたと思われるフィリピンの格闘アクション。敵の大軍団と戦い続ける警察側のスタミナがすごすぎ(笑)。ネタバレあり。 ―2018年製作 比 127分―

どういう展開かというと、なんと、主人公の警官は汚職野郎なのである。こともあろうか、壊滅作戦中、射殺されたアベルが持ち逃げしようとしてた覚せい剤をバッグごと盗んじゃうのだ。で、そいつをどうするかというと、イライジャに持たせるのである。イライジャは検問を振り切りながらそのバッグを自宅に持ち帰り、ヤクザ者など覚せい剤の買い手にそれらを売って利益を得る。そしてその金を警官にわたし、いくらかのマージンを貰っているのであった。

彼は伝書鳩を使って覚せい剤を運んだり、自分の赤ん坊のパンツに隠したり、いろいろ工夫をしてブツを捌いている。この辺の一連の描写はなかなかスリリングだし、ごみ溜めを自宅として生きる底辺の家族が、こうした犯罪に手を染めなければならない悲哀が感じられる。

その底辺のフィリピンを観られるという意味ではなかなかこの作品の存在はありがたいと思う。彼らの住む貧民窟の向こうには、高層ビルが立ち並んでいる。この辺の描写は先に挙げた『バイバスト』にもあったけど、フィリピンの格差化が見て取れるシーンだ。ともかく、イライジャの家族はこうした稼ぎで糊口をしのぎ、赤ん坊を育てている。

しかし、彼がもらえるマージンはかなり低い。警官に金を収めにいってたシーンから見るに、売り上げの10分の1くらいは警官がかっさらっていっている感じ。そらぁ、警官のが有利なのはわかるけど、これは酷い。しかも、この警官はちゃんとした一軒家を持っていて、ご飯を作って帰りを待ってくれている奥さんがいて、娘が二人もいる。要するに、イライジャと比べたらまともま暮らしができているのだ。だが、それは不正に手を染めた金なんである。

だが、彼にも報いがくる。イライジャの伝書鳩による覚せい剤輸送には抜かりがあり、4匹のうち2匹しか戻ってこない。そして、そのうちの一匹は警察に押収されていたのだ。警察署でそのことを知った主人公の警官は身の危険を感じて、証人を消すことを考える。つまりイライジャだ。そして、警官は無慈悲にもそれを実行に移し、イライジャは警官の手で殺害されてまうのだ…ちくしょう。

で、安心した警官は家族で娘たちが通う学校の会合に出かけ、PTAみたいなのの役員に選ばれるなど、和気あいあいな雰囲気で、帰路についている。すべてが片付いたと思っている。ところが、家族みんなでドライブしていた途上、刺客が現れて警官に銃弾を浴びせ、彼は絶命するのであったーー。

なんとも唐突な展開で進んでいくこの話。実はよくわからないところがある。警官は殺される前に、アベルから回収したバッグの中にある何かを、警察署長に渡すのだ。あれはなんなんだろうか。お金? 覚せい剤? いずれにしても、何らかの形で署長も不正にかかわっていたことを匂わせるシーンだ。で、警官が殺されるのはその後。

だとすると、警官を襲ったあの刺客は、署長が遣わした奴らなんかも。警官を口封じするために。そう考えると、警官もそのうえの権力者の汚職に付き合わされてる駒にすぎなかったーーという解釈になる。アベルの組織の奴らに殺されたって考えるよりは、そっちのほうが自然だと思うので、おそらくそうなんだと思われる。もし、間違ってたらどなたか教えてください(笑)。

ということで、なかなか重たい内容の作品であった。ラストの説明によると、この話は一部事実を基にしているそうだ。フィリピンのドゥテルテ現大統領(2020年1月時点)は、麻薬組織撲滅に超法規的措置を使って力を入れてて、海外からは批判とかもあるらしい。かなり強行に麻薬組織の奴らをぶっ殺しているからだ。

今作の監督はそれを知ったうえで、犠牲になっているフィリピンの市民たちのことを考えてこの作品を撮ったらしい。まぁ確かに、あんだけ過酷な環境で生きなきゃいけない、犯罪に手を染めないと生きていけない市民がいる国を政治の力で正そうとしている(真意は違うのかもね)という意味では、大統領のやり方は悪くはないともいえるわな(監督がそれを擁護しているわけではないと思うが)。ただ、その権力が行使されている裏で、権力側が腐敗してるってのが問題なのだ。

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