サヴェージウーマン 美しき制裁
夫を亡くして二人の子どもを必死で育ててたシングルマザーが犯罪に巻き込まれて罪を犯してしまい、それの隠蔽に勤しんでいたら図らずも夫を殺した犯人を知ることになり、リベンジに走る話ーーなんだけども、アクションというよりはサスペンスドラマな内容。ネタバレあり。
―2019年製作 英 101分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:夫を亡くした2児の母の復讐劇を描く、美しくも残酷なリベンジアクション。子どもの目の前で夫を殺されたサラは、その死の真相を探っていた。ある日、麻薬組織に追われて逃げ込んで来た密売人のチトーから、夫もまた売人だったと聞かされて…。(KINENOTE)
あらすじ: 最近未亡人となった2児の母サラは、幼い息子の目の前で夫を殺害し、ショックで口をきけなくさせた犯人を探し出そうとしていた。警察は凶悪犯同士の殺し合いと決めつけ、何もしてくれない。そんなある日、自宅に麻薬密売人のチトーが逃げ込んできた。麻薬組織のボスから盗んだ麻薬をサラの家に隠すように強要され、後に夫が麻薬密売人だったことを知らされる。サラは忍び寄る危険から子供たちを守ろうとするが、ある事がきっかけでチトーを殺してしまう。この出来事からサラの歯車が狂っていき…(amazon)
監督:アブナー・パストール
出演:サラ・ボルジャー/エドワード・ホッグ/アンドリュー・シンプソン/ジェーン・ブレナン
ネタバレ感想
レンタルで鑑賞。特に期待もせず借りて観たんだが、期待しなくて良かったなぁという感じ。というか、ジャケットと邦題がかなり明後日の方向行ってるのが残念というか、もったいない。
女性のリベンジ物の作品ってのは最近けっこう一杯あって、このブログでも何作も紹介してるけども、その中の一つに加えるにはちょっと雰囲気が違うというか、否、アクション主体というよりはサスペンスドラマ的な内容って感じなので、そっちにもう少し寄せた感じのタイトルにしておけば、作品そのものの評価もチョッとだけ上がったかもしれない。チョッとだけだけど。
主人公のサラは他人と何らかの軋轢があったときに、自己主張をはっきりするよりも、うちに収めて我慢しちゃうタイプのようで、そんな彼女が酷い目に遭う中で、自分の内に秘めていたものを解放していくような感じで物語は展開していく。でまぁ、最終的には前向きに生きる力を得て、一件落着ってな感じのラストを迎えるのだ。
サラは過去に夫をなくしてて、それが殺人事件だったうえに、息子のベンが現場に居合わせてて、ベンは事件のショックで喋れなくなっちゃってる。警察は本腰入れて事件を捜査してくれないし、ベンの主治医も大して親身に診察してくれないので、どちらに対しても怒りたいんだけども、それはしない(できない?)。
ついでに、何だか母親ともうまく行ってないし、金はなさそうだし、酷い毎日を暮らしてるのだ。そこへ、ギャングの商売品であるヤクをくすねたチトーとかいう男がサラの家にやってきて、そこをヤクの隠し場所にされちゃうという災難に見舞われる。そんなん警察に通報しろよと思うんだが、サラは警察を信用してないからか何なのか、毎日のようにやってくるチトーの言いなりになっちゃってるのだ。
そういう何というか、世の中の理不尽にされて生活をしているサラの日々が続くんだが、特にチトーが家に乗り込んでくるときの嫌~な感じ、女性の力ではどうにもなりそうもない絶望感とか恐怖は、うまく表現されてて、見てるこっちもいたたまれなくなる。
そんなサラが、はずみとはいえチトーを殺して以降は開き直るというか、子どもとの生活を守るために覚悟を決めて、とんでもない行動に出始めるのだ。まず、死体を遺棄しやすいようにチトーの亡きがらをバラバラに解体。このシーンがけっこうグロい(笑)。それを街の各所にあるゴミ箱に捨てるという暴挙にでる。
そうやって死体を隠したと思ったら、チトーが盗んだヤクの持ち主であるギャングたちにチトーを匿ってたことがバレちゃって、脅される羽目に。しかしそれと同時にこのギャングどもが実は、旦那をぶっ殺した張本人だと知った彼女は、復讐を決意。チトーが携帯していた銃を持って、ギャングのアジトに乗り込み、見事リベンジを成し遂げちゃうのである。最後はスーパーマーケットでよく遭遇するクソ親父を言葉で撃退して一件落着。
ということで、夫と子どもたちへの強い愛が彼女を強くしていったーーみたいな内容の作品であった。しかしだな、彼女は犯罪者とはいえ4人も人殺しをしているわけで、警察がきちんと調べれば容疑がかかってきちゃうと思うんだけど、そういう感じのラストではない。まぁでも、彼女の夫の事件も犯罪者同士の揉め事として(本当は旦那は犯罪者でも何でもなかったようだが)片付けてたこの作品の警察のことだから、それもアリと言えばありなのか。
て、考えるとけっこううまくできた作品ではあるものの、別におもしろくはなかったのである。
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