バイオレント・ナイト
やさぐれたサンタクロース(本物)が、プレゼント配布中に訪れた豪邸で強盗団と鉢合わせたために、血みどろの戦いを繰り広げる羽目になるバイオレンスアクションコメディ。ファミリー映画かと思わせておいてグロめな殺しも多いし、懐かしい作品の影響も感じられる作品。ネタバレあり。
―2023年公開 米 112分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:プレゼントを届けに来たサンタクロースが鉢合わせた強盗団と戦う羽目になるアクションコメディ。とある富豪の豪邸にやって来たサンタは、金庫に眠る3億ドルを強奪しようと潜入した武装集団と鉢合わせる。戦闘能力ゼロのサンタは無我夢中で反撃に出るが……。出演は、ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のデヴィッド・ハーバー、「ザ・メニュー」のジョン・レグイザモ。監督は、「セブン・シスターズ」のトミー・ウィルコラ。(KINENOTE)
あらすじ:サンタクロース(デヴィッド・ハーバー)は物欲主義な子供たちに嫌気がさし、場末のバーで飲んだくれていたが、良い子にプレゼントを届けるため、トナカイが引くソリで空を駆け回っていた。とある富豪ファミリーが盛大にクリスマスパーティーを開いていた大豪邸に降り立ち、煙突から部屋に入る。そこで鉢合わせたのは、地下の金庫に眠る3億ドルを強奪しようと潜入したスクルージ(ジョン・レグイザモ)率いる武装集団だった。富豪一家を人質に豪邸を支配する彼らを前に、サンタは見て見ぬふりで立ち去ろうとするが、すぐさま大騒動に巻き込まれてしまう。戦闘能力ゼロのサンタは、無我夢中で近くにあったクリスマスオーナメントを駆使して反撃に出る。はたしてサンタは人質を救い出し、無事にプレゼントを届けることはできるのか……?(KINENOTE)
監督:トミー・ウィルコラ
出演:デヴィッド・ハーバー/ジョン・レグイザモ
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。クリスマスの話なのに日本公開は2023年の2月。どうしてそうなったのかその辺の事情はどうでもいいとして、物語は本物のサンタが主人公。
時代の変化によって子どもたちの望むプレゼントも変わってきているし、そもそもサンタを信じる人が少なくなってきていることもあり、彼は仕事は一応しているものの、惰性でやってる感じだし、酒飲みまくりでアル中気味。
話が進むにつれてわかってくるのは、こいつははるか昔ヴァイキングとして名を馳せ、かなりの悪事を働いていたらしいということ。で、何でそうなったのかようわからんが、今は善行を積むため? にサンタの仕事をしているらしい。
であるから、彼はなんだか神がかった人間というか、神の使者みたいな存在で、肉体は傷つきはするものの、歳は取らないのか、それともかなりの長寿。で、偶然居合わせた強盗団と殺し合いを始めることになるのだが、過去にヴァイキングとして暴れてた経験があるから、かなり強いのである。
クリスマス映画だしファンタジーな部分もあるから子ども向けの映画なんかなぁと思ってたら全然そんなことはなく、殺しの描写はけっこうグロくて残酷。むしろ、そういう部分が見所とも言えるので、子どもにはオススメできませんな。というか、タイトルを観てこれを子どもと一緒に観ようと思う親なんていないか(笑)。
で、内容としては先が見えちゃう展開。物語の展開や演出は、『ホームアローン』と『ダイハード(特に2のほう)』を下敷きにしているように感じた。前者のほうは、サンタを信じて応援している子どもが、強盗たちから身を守るために罠を使って立ち向かうところ。そして、強盗団と、強盗に入られた富豪が雇ってた傭兵チームが実はグルだったなんて話は、まさに後者の展開と同じだし、スノーモービル使っちゃうところなんかもそう。
そうした過去作を感じさせる物語展開の中で、ラストではある家族が絆を取り戻すことになり、サンタのほうは、自分の存在を信じてくれる人間がまだいることを知り、自信を取り戻すことになるという、悪く言えば予定調和ーーだったからダメってわけではなく、バカバカしい内容を肩肘張らずに楽しめはするので、けっこう好い作品でしたな。悪役が俺の好きなジョン・レグイザモだったこともポイントが高い。彼がアクションしてるのを見たことがあまりなかったので、その辺も新鮮んであった。死に様もあっけなさ過ぎてよろしい(笑)。
で、鑑賞後に調べてみたら、監督はトミーウィルコラって人で、俺は彼の作品を何作か観ていた。鑑賞したのは『セブンシスターズ』『処刑山ナチゾンビVSソビエトゾンビ』『ザ・トリップ』など。全部同じ監督の作品だったことを今回初めて知ったんだが、それがわかると、今作も子ども向けではないことなんて、すぐわかるわな。ともかく今作も含めて、どれも世間的にもそれなりの評価を得ているようで、けっこう実力のある監督であることを知った。自作にも期待。
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