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映画 アップグレード ネタバレ感想 ラストまで操り人形

アップグレード
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アップグレード

―2019年公開 米 100分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:気鋭のプロデューサー、ジェイソン・ブラムと「ソウ」シリーズのリー・ワネルがタッグを組んだSFアクション。近未来。謎の組織の襲撃により、妻を失い、重傷を負ったグレイは、実験中のAIチップの移植手術を受け、超人的な身体能力を手に入れるが……。出演は「プロメテウス」のローガン・マーシャル=グリーン、「ニード・フォー・スピード」のハリソン・ギルバートソン、「ゲット・アウト」のベッティ・ガブリエル。(KINENOTE)

あらすじ:近未来。グレイ・トレイス(ローガン・マーシャル=グリーン)は、妻のアシャ(メラニー・バレイヨ)と仲睦まじく日々を過ごしていた。ところがある日、謎の組織の襲撃を受け、最愛の妻を失い、自身も全身麻痺の重症を負ってしまう。失意の中、巨大企業の科学者からある提案を受ける。それは、実験段階にある“STEM”と呼ばれる最新のAIチップを人体に埋め込むことだった。手術の結果、グレイは再び体を動かせるようになる。そればかりか、“STEM”に身を委ねることで人間離れした動きが可能になり、人間を超越した身体能力を手に入れてしまう。さらに、“STEM”は頭の中で、相棒としてグレイと対話を始める。身体能力をアップグレードされたグレイは、手に入れた力を駆使して、“STEM”と共に妻を殺害した組織に復讐を誓うが……。 (KINENOTE)

監督・脚本:リー・ワネル
出演:ローガン・マーシャル=グリーン/ベティ・ガブリエル/ハリソン・ギルバートソン/メラニー・バレイヨ/ベネディクト・ハーディ/サイモン・メイデン(声)

ネタバレ感想

いきなりラストについて

寄生獣』って漫画があるけども、あの漫画を思い出した。人間の体に入り込むのが意識を持つ生き物かAIかってところが異なる部分だけど、超人的能力を持つところなんかは同じ。その、寄生する側が人間の観点からみて善性を帯びているか否かで、物語の展開ってだいぶ変わるもんだなと思わされる。

てなことで、途中の展開を見ていくに、どういう落としどころになるんだろうなって気になっていたら、ラストは主人公のグレイがAIのステムに体を乗っ取られてまう結末。そもそも、アナログ人間で、機械に毒されていないグレイの体をステムは狙っていたわけで、ストーリーのすべてが彼のたくらんだ筋書き通りに進んでたわけだから、あの終わり方が一番スッキリ来るのも当然と言えるようにも感じる。

グレイはどこまで自分の意思で動けていたのか

で、考えちゃうのはグレイはどのあたりから自分の意思で動くことを制御されてたかってところだ。作中では、ステムを作り上げたエロンのシステムをハッキングしたところで、グレイの許可がなくても、ステムがその気になればグレイの体を操れるというセリフがあった。

だからあれ以降のグレイの行動は、ほとんどステムに操られてのものだったんだろうとは思う。グレイはその自覚がなくて、エロンが黒幕であることを知って自分の意思で彼の家に向かったつもりなんだろうけど。でもそれは違くて、最初っからすべての筋書きがステムの考えによるもんなんだから、それ以前のグレイのやってることも、すべては自分の意思ではなくステムに操られていたのだという考え方もある。

グレイは妻を殺した奴らを捕まえたかっただけで、殺したいとは思っていない。その割には、警察にバレバレになるような行動を取ってばかりだし、バーでの犯人捜しなど、自殺行為とも思える行動ばかりしている。あの辺のグレイの行動の支離滅裂さにものすごく違和感があったんだけども、ああいうオチで結末を迎えたのを見てから振り返ると、ああいうグレイの言動のチグハグサというか違和感のある部分も、ステムにそう仕向けられていたんだろうなと、そのあたりの違和感を払拭する補完ができるのである。

アクションシーンがみどころ

で、この作品で見どころになっているのは、AIによって操られた人間によるアクションシーンだろう。どうやらAIによって操られることで、人間はその潜在能力の多くを引き出せるようになるらしい。しかも、AIの予測能力などを駆使することで、相手の動きや周囲で起こる状況などを予測して動くことができるようになるみたい。であるから、相手の攻撃はすべて防御できるうえ、相手を上回るスピードで攻撃ができるのである。

この一連の格闘シーン、似た感じの作品として『マトリックス』の戦闘シーンが思い出された。グレイとステムの体術に肉薄できる相手との戦闘シーンは、お互いの動きの読み合いで、動きのパターンの選択肢を使い果たしたステムのほうが先に劣勢になるが、グレイが相手の感情に働きかけることで、その感情の揺らぎの隙をついて勝利を収める。

あのような結果になるのは、グレイと相手のウェイトがほぼ同等だからだろう。仮に相手がムキムキマッチョだったとしたら、攻撃の重さに差が出るわけで、先を読もうがなんだろうが、グレイは攻撃をさばき切れなくなるのではないかと考えられるので、作り手はそこまで考えて相手のキャラづくりをしたかもしれん。

身体をアップグレードする近未来

てなことで、もしかしたらこういうふうに、人体をカスタマイズして自身の体をよりアップグレードする世界ってそのうちに訪れるかもしれないなと思えるし、自動車の自動運転が実現したとした場合の危険性なんかも描かれていて、その辺は示唆的だなと思う。

しかしまぁ、エロンのように、自分でつくったAIに出し抜かれて操られちゃうのって、屈辱だ。あんなもん完成できる知能と技術があるなら、最初から先のことなんて予想できそうなもんだけど。こういう未来がいずれくるんだろうなと思うと、嫌になっちゃうね。

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