アンダー・ザ・シルバーレイク
『アメリカン・スリープオーバー』と『イット・フォローズ』の監督による最新作。なんだかよく分らぬ内容だが、最後まで鑑賞させるパワーは感じた。作品に込められた意味などを知りたい人には何の役にも立たない単なる感想記事です。ネタバレあり。
―2018年公開 米 140分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ハクソー・リッジ」のアンドリュー・ガーフィールドが、オタク青年を演じるサスペンス。サラにひと目惚れしたサムだったが、彼女は突如失踪。サラの部屋の壁に書かれた奇妙な記号を発見したサムは、暗号や都市伝説の知識を総動員して彼女の行方を追うが……。監督・脚本は「イット・フォローズ」のデヴィッド・ロバート・ミッチェル。共演は「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオ、「エージェント・ウルトラ」のトファー・グレイス。(KINENOTE)
あらすじ:ロサンゼルス・シルバーレイク。大物になる夢を抱いて出てきたはずが、気付けば仕事もなく、家賃まで滞納しているサム(アンドリュー・ガーフィールド)。ある日、向かいに越してきた美女サラ(ライリー・キーオ)にひと目惚れしたサムは、何とかデートの約束を取り付けるが、翌朝、彼女は忽然と消えてしまう。もぬけの殻になった部屋を訪ねたサムは、壁に書かれた奇妙な記号を発見、そこに陰謀の匂いをかぎ取る。そんななか、大富豪や映画プロデューサーらの失踪や謎の死が相次ぎ、真夜中になると犬殺しが出没。巷では街を操る謎の裏組織の存在が噂されていた。暗号にサブリミナルメッセージ、都市伝説や陰謀論をこよなく愛するサムは、無敵のオタク知識を総動員してシルバーレイクの下に蠢く闇へと迫っていく……。(KINENOTE)
監督・脚本:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:アンドリュー・ガーフィールド/ライリー・キーオ
ネタバレ感想
ひぇ、なんの解釈もできないくらいよう分からん映画であった。ただ、最後まで興味をひく内容だったのは確かで、いろいろ考えながら筋を追っていても楽しめた。でも、なんだったのかはやっぱり分からん。
モラトリアムニートなサムは、大望があってシルバーレイクにやってきたらしいが、定職にもつかずに日々を過ごしている。結構快適そうな部屋を借りてて羨ましいが家賃は滞納中。立ち退きを求められてるのに、彼はさほど焦ってない様子。
ベランダの椅子に腰掛けて、タバコ吸いながら眼下のプールで泳ぐ美人を双眼鏡で眺めてるほどの余裕がある。もしかしたら余裕がなさすぎて現実逃避してたとも考えられる。
というか、たぶん現実逃避なんだろう。なぜなら彼は、ラストまで家賃を払う策を見出そうとせずに、一目惚れしたサラの行方を追うことに力を費やし続けるのだから。
夢破れてくすぶっている男は、消費されるポップカルチャーについてあざ笑うピアノじじいとの対決で、彼の抹殺に成功する。なんかわかるようで結局俺にはあのシーンの示唆していることも理解できんのであるが、この作品の中で、この一連のシーンが一番印象に残り、楽しめた。
あと印象的なのは、この監督のデビュー作『アメリカン・スリープオーバー』が流れるシーン。登場する女の子が本作の女優兼娼婦にすり替わっている。これももちろん何かの意図があるんだろうねえ。俺には何の解釈もできぬが(泣)。
分からんものは語れません。繰り返すけど、それでもつまらんとは思わなかったし、分からなさに腹が立ったりはしないのは、不思議。つまり、「Don’t think, feel!」ってことだな。――と都合のいいセリフを持ち出して、そろそろ感想終わりにする(笑)。
公開初日に鑑賞したが、これから鑑賞した人たちによって、さまざまな解釈がされるんだろうね。俺はそこには乗っかれそうもないので、粛々と別の作品の感想を垂れ流し続けるであります。
コメント