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映画『イレブン・ミニッツ』ネタバレなし感想 ラストは意外な結末。その意味は?

11ミニッツ
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イレブン・ミニッツ

それぞれの登場人物の11分間を描き、ラストに意外な結末を迎える物語。サスペンス的群像劇と言えばそうなんだけど、そうでもないような気もする。大きなネタバレはしません。この映画を観ようか迷っている人に対しての参考になるような感想程度にしておく。

―2016年公開 波=愛 81分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:イエジー・スコリモフスキが、午後5時からの11分間を舞台に、大都会で暮らす人々の姿と、やがて訪れる運命を描いた群像劇スタイルのサスペンス。起承転結や詳細な心理描写、背景説明などを排除、各々のドラマをモザイク状に配置した斬新な手法が見もの。出演は「ベルファスト71」のリチャード・ドーマー、「カティンの森」のアンジェイ・ヒラ。(KINENOTE)

あらすじ:午後5時前。顔に殴られた跡を残して、警察から自宅に戻ってきたヘルマン(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)。嫉妬深い彼は、妻で女優のアニャ(パウリナ・ハプコ)と諍いになるが、やがて睡眠薬を入れたシャンパンを喉に流し込み、寝てしまう。その間に、映画監督(リチャード・ドーマー)との面接のためにホテルへ向かうアニャ。午後5時。慌てて飛び起きたヘルマンは、アニャを追ってホテルへ向かう。そのホテルの前では、最近、刑務所から出たばかりの男(アンジェイ・ヒラ)が、ホットドッグの屋台を開いていた。一方、人妻とドラッグをやりながら情事に耽っていたバイク便の配達員(ダヴィド・オグロドニク)は、彼女の夫が帰宅したため、慌てて逃げ出す。やがて、父親であるホットドッグ屋台の主人に電話で呼ばれ、ホテルへ向かう。そのホテルの一室で、ポルノ映画を見ている一組の男女。そして彼らの頭上には、着陸態勢に入ろうとする旅客機の姿があった……。午後5時から5時11分までの11分間、様々な人々の運命が絡み合い、やがて迎える結末は……。(KINENOTE)

監督・脚本:イエジー・スコリモフスキ
出演:リチャード・ドーマー/ヴォイチェフ・メツファルドフスキ/パウリナ・ハプコ

スッキリはしないラスト

この作品、俺の鑑賞後の感想は「なんじゃこりゃ?」でした。つまらないと思いました。でも、けっこう評価している人も多いみたいで、人を選ぶ作品と言えるのではないか。個人的には群像劇を描きつつ、ラストですべてのお話の伏線がスッキリ解消される系の『スナッチ』とかああいう作品なのかと思って観てたので、上述したような感想になったのである。

背景の描かれなさがリアルなのか

別に物語に意味なんか求めなくてもいいんだけども、やっぱり普通の見方をすると、求めてしまうような俺のような人間には、この映画は非常に不親切なつくりに感じるのである。その最たる例は、それぞれの人物にいろいろな背景があるんだけども、それらについて詳細がほぼ語られずに物語が終わってしまうところだ。

確かにリアルな人生において日常的に関わっている人たちには、それぞれの生活があるわけだが、各人が自分の日常で抱えている様々なことを詳細に語ることなんてありはしない。そういう意味では俺たちは日常的に他者に対して無関心なまま生きているし、それが普通である。この映画はだから、その点においてはリアルな人間模様を描写しているとも言えるし、そういうことに気付かせてくれたというところは、すごいと思う。

ラストはそれでも、なんじゃこりゃ

だけど、一つの物語作品を娯楽的に楽しもうとして向き合った場合には、やはり「なんじゃこりゃ」と思ってしまうのである。あの黒点はなんだったのか、2回ほど出てくる啓示みたいな言葉の意味はなんなのか、耳触りの悪いあの音はなんなのか。なんだかわからないし、さしたる意味もないように思える。

仮に無理やりにこの映画から何かを読みとるのだとしたら、人生なんて無意味であり、それぞれの言動によってもたらされる未来の出来事は制御不能であるし、そのくらい取るに足りない小さな存在が人間であるということか。

そんなこと知っているよ。と思いつつも、なかなかそれを自分のこととして受け入れられないもんだなぁという感想でした。

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