失踪
作家志望の主人公が、デート中に行方不明になってしまった恋人を探し続けて3年。ようやく出会った、恋人の行方を知っているという人物は、奇妙な要求を主人公にしてきて、それに従わなければ真相は闇の中だと脅す。果たして主人公はどんな選択をするのか。ネタバレあり。
―1993年公開 米 109分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:作家志望の男が3年掛かりで行方不明になった恋人を探すうち、驚くべき真実を発見するサイコ・スリラー。監督はオランダ出身のジョージ・スルイザー。原作はティム・クラッベが書いた「ゴールデン・エッグ」という小説。それを共同制作のトッド・グラフが脚色した。その他、「グッドモーニング・ベトナム」のラリー・ブレズナーと「ヤングガン2」のポール・シッフが共同で製作した。撮影は「裸のランチ」のピーター・サシツキー。美術は「ミュージックボックス」のジャニーヌ・クラウディア・オップウォール。編集は「ドクター」のブルース・グリーン。音楽は「オーメン」でアカデミー作曲賞を受賞した巨匠ジェリー・ゴールドスミスが担当した。別邦題「失踪 妄想は究極の凶器」。(KINENOTE)
あらすじ:作家志望のジェフ・ハリマン(キーファー・サザーランド)は、恋人のダイアンと共にセント・ヘレン山へ車で遊びに来ていた。途中、トンネルの中でガソリン切れになり、ジェフは1人でガソリンを取りに行く。ダイアンは暗いトンネルの中に取り残されたことに腹を立て、2人はケンカをしたがすぐ仲直りした。ダイアンはジェフにライターをプレゼントした後、トイレに行くと言って行方不明になる。ジェフは道行く人にダイアンの行方を尋ねたが手掛かりはなく、警察も痴話ゲンカと思って取り合ってくれなかった。失踪の真相を追って、ジェフはその後3年間、ダイアンを探した。それを知った出版社の編集者はジェフに失踪事件の手記を書くよう勧めた。その頃、ジェフはウェイトレスのリタ(ナンシー・トラヴィス)と出会い、同棲するようになる。リタはジェフに「秘密を持たないで」と忠告する。ジェフはテレビに出演し、誘拐事件なら犯人に会って真相を聞きたいと訴えた。リタはジェフがダイアンにこだわってることに不安を感じ、ジェフの書いている小説を盗み見た。そこにはダイアンへの思いが書き込まれていた。ジェフのテレビを見て、バーニー・カズンズ(ジェフ・ブリッジス)という男が連絡をしてくる。ダイアンの消息を知っているのではないかと直感したジェフは会いに行くことにするが、リタは「からかわれているのよ。行くなら警察と行くことね」と言って家を出て行ってしまう。バーニーは、大学の化学教師で、美しい妻ヘレン(リサ・アイクホーン)とティーン・エイジの娘デニース(マギー・リンダーマン)と幸せに暮らしていた。しかし、デニースはバーニーが別荘として使っている山小屋で愛人と密会しているのではないかと疑っていた。バーニーは、実はダイアンが失踪した日、彼女に会っていた。セント・ヘレン山のガソリン・スタンドの前でバーニーに会ったダイアンは、彼のしていたブレスレットが気に入り、バーニーから買うために彼の車に立ち寄ったのだ。ダイアンの消息が途切れたのはその直後だった。バーニーは、ジェフを尾行し彼の家へやってくる。ジェフはバーニーを殴りつけるが、バーニーはただ、俺について来ればダイアンに会えると言っただけだった。その頃、リタは友人のリンと酒を飲んでいたが、どうしてもジェフのことが気になり、ジェフの家の隣人に事情を聞き、ジェフたちのあとを追った。ジェフは3年前、恋人を見失った場所に来ていた。バーニーはジェフに睡眠薬入りのコーヒーを勧めた。そのコーヒーを飲みながら、ジェフは自分がダイアンの追体験をさせられていることを知る。気がつくとジェフは真っ暗な棺桶の中にいた。自分が置かれている状況から、ダイアンも行き埋めにされたのだとジェフは察する。その頃、ジェフを追ってきたリタもジェフと同じように、バーニーにコーヒーを勧められていた。しかし、バーニーに不信感を抱いたリタは、コーヒーを飲まなかった。ジェフが生き埋めにされていると思われる場所に来たリタは、必死で掘り起こした痕跡のある場所を探す。後ろからはリタをも墓に葬ろうとするバーニーが追いかけて来る。格闘の末、バーニーを倒したリタは、どうにかジェフを救出することに成功するのだった。(KINENOTE)
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
出演:ジェフ・ブリッジス/キーファー・サザーランド/ナンシー・トラヴィス/サンドラ・ブロック
ネタバレ感想
たまたま中古で売ってたのを見かけて購入した。ジェフブリッジスにキーファーサザーランド、サンドラブロックも出てるけど、まったく存在を知らずにいた作品。
当たり前だが、90年代の作品とあってみんな若い。サンドラブロックはまだ初々しい感じがあって可愛い。
でまぁ、初見ということで鑑賞してみたものの、なんだかどっかで見たことある作品だなと思ってて、ジェフブリッジスがキーファーサザーランドにコーヒーを飲むか、飲まないかの選択を迫るところでようやく気付いた。これ、以前このブログでも紹介したことのある『ザ・バニシング消失』のリメイクみたい。
であるから、大筋はけっこう同じで、大きく異なるのはラストかな。今作では、キーファーサザーランド扮する主人公は、生き埋めにならずに生還するのである。どうしてかと言うと、恋人のリタが助けてくれるから。
この女性はかなりすごい人だ。元カノが忘れられない主人公=ジェフは、結構勝手なやつで、それに彼女は振り回されてる感じで、愛想を尽かして出ていくのに、なんだかんだ言ってジェフを助けにやってくる。しかも、ジェフの居所を突き止めるまえでの流れがスゴイ。
ある程度は偶然が助けてくれているとはいえ、ジェフブリッジス扮するバーニーの娘と接触したことで得られた情報使って逆にバーニーに選択を迫るところなんて、かっこいい。事件後3年もウダウダしつつ、何も状況を変えられなかったジェフに比べてみると、その優秀さがよくわかる。
ジェフは張り紙したりテレビに出演して失踪した元カノの情報求めてるだけで、それ以外にしたことは何の成果も得てないからね。結局、バーニーのほうから彼に働きかけてこなかったら、絶対に元カノの消息はつかめなかったわけだし。
それにしても、バーニーという男はいろいろとわけのわからん理屈をこねてジェフの元カノを拉致して生き埋めにしたわけだが、彼の解説を聞いてもなお、何であんなことをしたかったのかがよくわからん。人間なんて、自分のことだってよく理解できない生き物だとは思うけど、理解できない他者の行為ってのは、なんとか自分なりにわかったようなフリして解釈できないと、恐ろしいものなんだなって思う。
そうだ、他者は恐ろしいのである。
ということで、リタの存在によって、オリジナルとは異なるラストを迎えるわけだが、どっちがいいか良いのかどうかってのは、特にない。個人的にはオリジナル版もさほど楽しめなかったが、今作もあまりハマるところがない作品であったので。
ただ、繰り返すがこの当時のサンドラブロックは可愛い。ちょっとしか出てこないけど。
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