ザ・タウン
ボストンのタウンと呼ばれる土地は犯罪者の巣窟みたいな街。そこで生まれ育った主人公のダグは、ホッケー選手の夢破れ、強盗稼業で大金を得る暮らしをしている。しかし、閉塞的な街に息苦しさを感じているダグは、あることをきっかけに街を出て新しい人生を生きることを考え始める。果たしてその結末は。ネタバレあり。
―2011年公開 米 123分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:監督第1作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」が好評を博した俳優ベン・アフレック(「消されたヘッドライン」)が主演も兼ねた監督第2作。ボストン北東部の犯罪多発地帯を舞台に、犯罪グループのリーダーとある女性の出会いをきっかけに生まれる仲間との軋轢、FBIとの攻防を描く。共演は「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー。(KINENOTE)
あらすじ:広大なアメリカのどこよりも強盗が多発する街。それが、ボストンの北東部に位置するチャールズタウン。そこに暮らす者たちは、愛と憎しみを込めて、その街を“タウン”と呼んでいた。タグ(ベン・アフレック)は、強盗を親から子へと家業のように引き継がれてゆくこの街から抜け出そうとしていた。しかし、その思いとは裏腹に、今では強盗一味のリーダーに収まり、狭い街角で家族のように血と骨を分け合って育った3人の仲間たちと、ひとつの証拠も残さない完全犯罪に命を張っていた。その日も綿密な計画に従って銀行を襲撃。だが、逃走するまでの間、予定外の人質を取る羽目になる。人質となった支店長のクレア(レベッカ・ホール)がタウンの住民だと知ったダグは、何を見たのかを確認するため、正体を隠して彼女に近づく。決して交わるはずのなかった2人の出会いは、やがてタウンの人々の運命をも変えてゆく。激しい恋に落ちたクレアとの新しい人生を願うダグ。だが、FBI捜査官フローリー(ジョン・ハム)は執拗な追求で一味を追いつめる。一方、タウンを出ていこうとするダグを許さない仲間のジェム(ジェレミー・レナー)。そして、クレアに忍び寄る裏社会の掟。仲間を裏切るか、愛という名の希望を失うのか……。ダグは大リーグスタジアムの襲撃という最も危険な最後の仕事へと向かう。人は生まれ持った宿命から逃れ、人生を変えることが出来るのか……?(KINENOTE)
監督・脚本:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック/ジョン・ハム/レベッカ・ホール/ブレイク・ライヴリー/ジェレミー・レナー/クリス・クーパー
ネタバレ感想
町山智浩氏が本作と『ヒート』の類似性について述べてたが、確かによく似た部分がたくさんある作品だ(町山氏によると、元ネタはもっとマニアックな作品らしい)。俺は犯罪映画が好きなので、この映画はレンタルされてすぐ鑑賞し、その後何度か鑑賞しているんだけども、いつも酒に酔っぱらってたせいか、ラストを覚えていなかった。で、今回鑑賞してみたら、主人公は生き延びてるんだね。クレアとは逃げられなかったものの。そう考えると少しヌルイ終わり方ではあるし、『ヒート』には及ばぬものの、重厚なアクションもあって楽しめる作品だ。
ジェレミー・レナ―のキャラもいい。ダグにとってはものすごく迷惑な奴なんだけども、恩義を感じている部分もある。だから邪険にはできないと思いつつ、やっぱりずっと一緒にいたくないと思うのもわかるのである。
生まれた環境のせいで犯罪に手を染めざるを得ない主人公が、何とか足を洗おうとする悲哀を描いた作品というのは本当にたくさんあって、俺はそういう作品をかなりの数、鑑賞している。そのたびごとに思うのは、俺は日本の多摩地区、そして1970年代後半に生まれていてよかったなと思うのである。自分の環境にバイオレンスさはほとんどなかったからだ。
ラスト近く、激しい銃撃戦から、ダグの両親を不幸にした要因になっている男への復讐劇に至る流れは、この作品の一番の見どころです。
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