アウトポスト
―2021年公開 米 123分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2009年、アフガニスタンに設置された米軍の前哨基地で勃発した「カムデシュの戦い」をジェイク・タッパーのノンフィクションに基づいて映画化。致命的な弱点を抱えたキーティング前哨基地はある日、綿密な計画に基づくタリバン兵の猛攻撃を受ける。出演は「パシフィック・リム:アップライジング」のスコット・イーストウッド、「スリー・ビルボード」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのオーランド・ブルーム。監督は「ザ・コンテンダー」のロッド・ルーリー。(KINENOTE)
あらすじ:キーティング前哨基地は、パキスタンとアフガニスタンを結ぶ米軍の補給線を維持すると共に、地元民に必要な物資を供給して懐柔する任務を負っていた。だが、この基地には致命的な弱点があった。3つの険しい山に囲まれ、包囲する側からは丸見えだが、基地からは包囲する側の動きを目視できなかったのだ。そのため、度々タリバンの襲撃を受けながらも、敵が少数だったため、これまで事なきを得ていた。しかし、それは計算されたものだった。タリバンは襲撃を繰り返す中で基地の防衛能力に関するデータを集め、それを基に攻略のための作戦を立てていたのだ。そしてある朝、突如、数百人ものタリバン兵が基地を包囲し、猛攻撃が始まった……。(KINENOTE)
監督:ロッド・ルーリー
出演:スコット・イーストウッド/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/オーランド・ブルーム
ネタバレ感想
レンタルで鑑賞。アフガニスタンでのタリバンとの戦いを描いた作品の中ではかなり楽しめる戦争映画。つい先日アメリカがアフガニスタンから撤退を完了したこともあって、なかなかタイムリーというか、こういう戦いが繰り広げられていたんだなぁというのがわかる内容。
いくら制空権を支配してて地上戦での武器が高性能でも、戦争ていうのは条件次第ではかなり難しくなっちまうもんで、この物語の舞台になる米軍の拠点は、かなりヤバいところまでタリバンに追い詰められている。
しかしまぁ、米軍はたくさんの場所で紛争やら戦争に介入していて戦闘データも経験も豊富なのに、なんであんなところに拠点作ったんだろうか。史実に基づいて描かれているのに、そこについては説明がない。
どう考えてもあんなとこで防衛戦するとか不利だと思うんだが。最終的には基地を放棄して撤退することが決定されるんだけど、兵士が無駄死にしてるだけにしか見えない。
上に引用したあらすじによるとこの拠点は、「パキスタンとアフガニスタンを結ぶ米軍の補給線を維持すると共に、地元民に必要な物資を供給して懐柔する任務を負っていた。だが、この基地には致命的な弱点があった。3つの険しい山に囲まれ、包囲する側からは丸見えだが、基地からは包囲する側の動きを目視できなかったのだ」ということだ。
つまり、重要な地域であったということだが、やっぱり、あえてあの場所に拠点を築く必要があったのかと思ってしまう。例えば山の上ではなんでダメだったのかなど。もしくは、山の上にも防衛用の何かをつくるとか。素人考えなんかもしらんけど。
ということで、作品では拠点における一番上位の軍人である大尉が何人か出てきて、最初はオーランドブルーム扮する人物が、なかなか好人物な感じだったのだが、彼はそれが仇となって事故死しちゃって、次に来る人はすぐに爆殺されちゃうし、次に来る人は規則に忠実で兵たちの反感買っちゃったりとかして、お役御免になって、次に来る大尉はけっこう評判の高い人で期待が持てる感じだったのに、彼が来る前にタリバンが大挙して押し寄せてきちゃうわけだ。
このクライマックスの戦闘シーンはかなり激しく、迫力があって楽しめる。しかも、長い。この作品の見所はまさにこのくだりであって、拠点の周囲を囲んでいる山の上からワラワラとゾンビみたいに押し寄せてくるタリバン兵。あまりにも数が多すぎて基地内にも侵入してきちゃうのである。タリバンとの戦闘でここまで危機的状況に陥っている作品ってほかに観たことなかったんで、なかなかハラハラドキドキな作品で、面白かったなぁ…という阿保みたいな感想に終始して終わる。
コメント
そしてアメリカがアフガニスタンから撤退したいま、この映画を再度観ると、犠牲になった米兵の死がすべて無駄になり、彼らの心中を思うと不憫で不憫で、見ていられなくなります。リアルな戦闘シーンが鑑賞一回目より楽しめなくなるのがつらい。
こういう作品を鑑賞すると、戦地に行かないで指揮してるだけの権力者どもに怒りを覚えます。