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映画 ある戦争 ネタバレ感想 アフガニスタンにおけるデンマーク兵の罪

ある戦争
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ある戦争

―2016年公開 丁 115分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「光りのほうへ」「偽りなき者」脚本のトビアス・リンホルムが監督した人間ドラマ。アフガニスタンに駐留するデンマーク軍部隊長クラウスはタリバンの襲撃を受け、敵が発砲していると思われる地区の空爆を命じる。しかしそこにいたのは罪のない民間人だった。出演は、「LUCY ルーシー」のピルー・アスベック、「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」のツヴァ・ノヴォトニー、ドラマ『コペンハーゲン/首相の決断』のソーレン・マリン。第88回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。一般公開に先駆け、新宿シネマカリテの特集企画『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016』にて先行プレミア上映(上映日:2016年7月30日)。(KINENOTE)

あらすじ:デンマーク軍の部隊長クラウス(ピルー・アスベック)は3人の子どもと妻マリアを国に残して、アフガニスタンの平和維持のため現地に駐留し、命がけの任務に没頭していた。ある日、パトロール中にタリバンの襲撃を受けたクラウスは、仲間と自分を守るため、敵が発砲していると思われる地区の空爆命令を行う。しかし、そこにいたのは民間人だったことが判明し、結果、子どもを含む11名の罪のない命が犠牲になった。クラウスは帰国後、軍法会議にかけられる。消えることのない罪の意識と、過酷な状況で部下たちを守るために不可欠だった決断の間で揺れ動く彼に、運命の結審が迫る。(KINENOTE)

監督・脚本;トビアス・リンホルム
出演:ピルー・アスベック/ツヴァ・ノヴォトニー/ソーレン ・マリン/シャルロット・ムンク/ダール・サリム

ネタバレ感想

適当なあらすじ

アフガニスタンでタリバン襲撃に備えて治安維持をするデンマーク軍の部隊。ある日、謎の襲撃を受け、敵から味方兵を守るために空爆の要請をしたクラウス隊長が、後日、法務官に呼び出されて軍事裁判をかけられることに。クラウスには敵を確認せずに空爆をした疑いがあり、しかも地元の民間人が犠牲になってしまっていたのだ。デンマークに帰国したクラウスは、罪人としてムショ送りになってしまうのかーーというのが超適当なあらすじ。

クラウスは部下や家族思いの人間だが

前半部はクラウス隊長とその部隊の、アフガニスタンで任務を遂行している様が描かれる。そして、その合間にクラウスがデンマークに置いてきた奥さんと3人の子どもの日常も挿入される。奥さんは3人の子育てに苦労しており、父親が不在で不安定になっている長男のことなどが気にかかっているような描写がある。

後半部は、起訴されたクラウスが帰国して無事家族と再会するものの、その一方では、裁判にあたって自分のしでかした行為に苦しみつつも、家族のために有罪になるわけにはいかないーーというクラウスの葛藤が描かれつつ、裁判が進んでいく。

この二つのパートによって、クラウスが隊員思いの人間であり、責任感を持って事にあたるまともな軍人であることがわかる。そして、家庭ではよき父親であることも。

しかし、であるからといって、軍法を無視して爆撃をしてしまったことにより民間人を殺害してしまっているため、彼を全面的に支持するのは鑑賞者にとっても非常に難しいことに。

善悪を超えた戦争の現実

法務官は所詮、現地で戦ってないから他人事のように、法を盾にしてクラウスを有罪にしようとしているのだーーと考えることもできるが、彼女が法に則ってクラウスを断罪しようという行為も正しいのである。彼女が言うように、法が無視されるようでは、軍隊もそうだが、敷衍するなら、人々の社会活動がめちゃくちゃなものになっちまうからだ。

だがしかし、そうはいっても、全面的にクラウスを悪者として扱うことも難しい。そうした戦争によっておこる不幸というか理不尽さを丁寧な描写で描くことで、鑑賞者に善悪を超えた、戦争というものの現実を垣間見せてくれるところにこの作品の良さがある。

問題解消には戦争をなくすしかないが、それは無理だろう

ただ、クラウスが最初、民間人がタリバンを恐れて頼ってきたのに、しかもその家族は面識がある人たちなのに、なぜ頑なにその救出を翌日に持ち越そうとしたのか、その辺がよくわからないし、説明もないところには不満が残る。

同じく、民間人に空爆をしてしまった事実があるのはいいとしても、けっきょくタリバン兵がどこにいたかの説明がされてないことも、ちょっと残念。民間人のいるところから攻撃をしていたのか、それとも別の場所から攻撃をしていて、空爆により撤退したのか。そういうのは現実の戦争でもわからないものなんだろうか。

という2点を抜きにすれば、クラウスの苦悩や戦争の理不尽さ悲惨さ、主に戦闘員ではない人間に不幸が訪れる部分などが浮き彫りになる内容になっている。

じゃあこういう問題が起こらないようにするにはどうすればいいかと考えるに、戦争をなくすしかないわけで、そんなん無理なんでしょうねぇ。あれで儲けてる権力者や金持ちがたくさんいるみたいだから。

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