ランボー3 怒りのアフガン
シリーズ3作目。今回はベトナムからアフガニスタンに戦地を変えて、乱暴者のランボーが暴れまくる。ネタバレあり。
―1988年公開 米 102分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アフガニスタンのソビエト軍最強師団に捕えられた友人を助けるために戦う男ランボーを描く、シリーズ第3作。製作総指揮はマリオ・カサールとアンドリュー・ヴァイナ、製作はバズ・フェイシャンズ。監督はピーター・マクドナルド。原案・脚本・主演は「オーバー・ザ・トップ」のシルヴェスター・スタローン。原作はデイヴィッド・マレル、共同脚本はシェルドン・レティック、撮影は「フェーム」のジョン・スタニアー、プロダクション・デザイナーはビル・ケニー、音楽は「インナー・スペース」のジェリー・ゴールドスミス、衣装はリチャード・ラモット、SFXはトーマス・フィッシャー、スタント・コーディネイターはヴィク・アームストロングが担当。出演はほかに「ランボー 怒りの脱出」のリチャード・クレンナ、「太陽の帝国」のマーク・ド・ジョング、「ロボコップ」のカートウッド・スミスなど。(KINENOTE)
あらすじ:バンコックのとある小さな仏教寺院に、ランボー(シルヴェスター・スタローン)はかつての戦いを通して受けた心の傷をいやすために隠遁していた。そこへ、彼の元上官であり唯一の理解者トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が米国務省情報局チーフ、グリッグス(カートウッド・スミス)とともにやって来て、極秘任務のためにアフガニスタンに潜入するのを手伝うよう要請したが、自分の戦争は終わったと言ってランボーはそれをいったんは拒絶した。だが、トラウトマンがソ連軍の奇襲に合い拉致されたという知らせを受け、また公式に彼の解放要求ができないことを知ると、ランボーは友を救うために再び戦場へ向かうことを決意した。パキスタンのペシャワールで案内役のゲリラ兵士ムサ(サッソン・ガベイ)とおち合い、凄まじい悪路をアフガンへと向かった彼は、途中の村でソ連軍の攻撃から村人たちを守り、アフガンの少年ハミド(ダウディ・ショウア)の尊敬を得る。ランボーはそこで、サディスティックなソ連将校ザイセン大佐(マーク・ド・ジョング)が守る難攻不落の要塞にトラウトマンが捕えられていることを知り救出に向かうが失敗する。傷ついた彼はいったん退却し、再度攻撃をかけ、九死に一生を得る激しい戦闘のすえトラウトマンを遂に助け出すがザイセンの追及の手はゆるまず、何もない平原にランボーとトラウトマンのたった2人の前にソ連軍最強師団が立ちふさがった。絶体絶命かと思われた時、ムサらゲリラ兵士たちが騎馬隊を組織してソ連軍師団の後方から大挙現われ、その混乱につけこまれてソ連軍は壊滅した。ザイセンもランボーの乗る戦車と一騎うちとなりヘリコプターもろとも爆発し、こうして勝利はランボーとゲリラ兵士たちのものとなった。(KINENOTE)
監督:ピーター・マクドナルド
脚本:シルベスター・スタローン/シェルドン・レティック
出演:シルベスター・スタローン/リチャード・クレンナ/カートウッド・スミス
ネタバレ感想
ギネス級の大量殺人
今作はギネスに乗るほどにランボーが敵兵=ソ連兵を大量にやっつけているらしい。100人超えているとか。個人的にはそこまで大量虐殺しているような印象がないんだけどなぁ。でも、そのくらい殺しているんだとか。
今回のみどころは、ついにトラウトマン大佐が戦場で戦う姿を観られるところだろうか。でも、あんまり強くない(笑)。最初の任務では、戦地に到着した瞬間に戦闘ヘリの襲撃を受け、あっさりと部下を失って捕虜に。その後、ランボーに救出されて以降は頑張っているものの、やはり老兵。ランボーのサポートに回るくらいしかできないし、基本、足でまとい感がある。
にしても、このトラウトマンのこと、なんでランボーはあんなに信頼してるんだろうか。親の刷り込みみたいなもんなのか。けっこう良いように使われているだけのような。
お前は戦闘マシーンだ
しかも酷いなと思ったのが、ランボーが「もう戦いはしたくない」的なセリフを言ったとき、なぜか芸術家が彫刻を彫る時の話を持ち出してこう言う。曰く「彫刻家は岩から埃をはらうだけで、もともとその作品は岩の中にあったのだ」みたいなこと。
それと比してランボーには、お前も埃をはらえば真の姿が見える。戦闘マシーンとしてのーーみたいなことを言う。大分うろ覚えだけど、そのようなことを言うのだ。酷い。自分で訓練しておきながら、もともとお前は本質的に人殺しのマシーンなんだと言ってるんだよ。どんな上司だよ。育ての親みたいな奴に、まるで他人事のようにサラっとそんなことを言われたら傷つくだろ(笑)。
しかし、この発言が後々に、『ランボー最後の戦場』で生きてくるのである(個人的見解)。
アフガン戦士たち
で、前作まではベトナムを経験した兵士に対する国の扱いのひどさを訴える内容がテーマになってたと思う。で、今回はソ連の酷さとかではなく、アフガン戦士の脅威が作品の下敷きになっているように感じた。
その脅威というのは、彼らを戦士にし続けたのは、古くはアレクサンダーの時代から、チンギスハンを経て、英国、そして今はソ連という侵略者たちに抵抗してきた歴史からつくられたように感じる部分。リアル世界だとソ連が撤退した後、アフガン戦士たちによる内戦が始まり、その後、タリバンなどが台頭してくることになるらしい。
て考えると、大国のエゴがテロリストを生んできたことになるわけで、それは実際そうなんである。今の社会って、帝国主義時代の延長なんだよな。そんなん時空が続いてるんだから当たり前なんだけど。
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