ラストデイズ・オブ・アメリカン・クライム
―2020年制作 米 148分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2020年制作のアメリカ合衆国のクライム映画。リック・リメンダーとグレッグ・トッキーニ原作のグラフィックノベルをオリヴィエ・メガトン監督で映画化。Netflixオリジナル映画(Wikipedia)
あらすじ:近未来。アメリカ政府は犯罪を防ぐため、人間の脳内シナプスを操作し、違法行為を阻止するシグナルを発信する計画を実行に移そうとしていた。そんな中、経験豊富な犯罪者のグラハムは仲間を集めて強盗団を結成、シグナルが発信される前に“アメリカ史上最後の強盗”を行おうとする。(Wikipedia)
監督:オリヴィエ・メガトン
主演:エドガー・ラミレス/マイケル・ピット/アンナ・ブリュースター
ネタバレ感想
ネットフリックスオリジナル作品。率直に言うと、メチャクチャ退屈な映画。尺が長すぎてダレる。集中して観ているのが辛くなるくらいに何だか散漫な作品であった。ネットフリックスオリジナルの配信作って、微妙なのが結構多くて、とは言え最近はけっこう楽しめるものも増えてきてて良い傾向にあると思ってたんだけど、これは久しぶりの残念作品であった。
何がダメなんだろうね、これ。SF的な設定はけっこうおもしろいと思った。アメリカ政府が犯罪が続発して無法地帯になりつつある国内の情勢を是正すべく、人間の脳にあるシナプシスを制御することで、倫理に反する行為を起こせないようにする制度を施工するのだ。倫理に反する行為ってのは当然犯罪行為なわけで、悪いことをできないように国民の行動を抑え込む。
繰り返すけど、この設定ってけっこうおもしろい。そもそも、倫理に反する行為をさせないってサラっと言っちゃってるけど、それをどうやって制御するんだろうって思うじゃん? だって、善悪の基準は個人の主観でけっこう違うのであり、例えば今作の主人公は強盗なわけで、その行為を制御されるということは、主人公は強盗を倫理に反する行為と位置付けているからこそ、それがうまくできなくなるわけだ。
つまり、この作品では、人間の倫理観は大体みんな一緒であるという認識で、その前提がなければこの制度は機能しようがないのである。だって、自分が悪いことをしていると自覚しているからこそ、自分のシナプスがその行為をやめさせようとするわけだから。悪いことがどういうことかを知らない人には、この制御は効かないのである。であるから、制御が効かない人間が出てきたら面白いのになって思ってたけど、この作品ではそういう展開にならない。そこがなんか設定をうまく生かしきれてないように感じてしまったのである。
そもそも、この制度は施工前にすべての人間に注射みたいの打たなきゃいけなかったみたいで、実際にそういう描写がある。で、主人公もそういうのを打たれてて強盗がうまくできないシーンがでてくる。でも、おかしくね? だって、主人公みたいなアウトローにどうやって注射打ったんだよ。あと、制度施工に反対する人のデモとかが起こってたみたいだけど、施工に関するデモをする前に、注射打たれるの拒否するもんじゃないですかね? なんか、その辺の細部の描写があいまいで世界観がよくわからない。
わからないといえば、冒頭は主人公が裏切った人間に復讐をするべく動いているシーンがあるんだけど、そのくだりが物語展開にどう生きていたのか、俺にはよく理解できなかった。これは俺だけかもしれないけど、それぞれの登場人物の行動理由がなんだかよくわからなくて、何を目指してるのかサッパリわからないのであった。これは俺だけなのかもしれんが。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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