マスター・プラン
相棒を金融会社に殺された自動車泥棒が、怒って復讐を企むケイパー映画。ネタバレあり。
―2014年製作 瑞 92分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アラン・ダルボルグ監督による北欧発のクライムアクション。親友とふたりで仕事をしている自動車泥棒・チャールズ。ある日ふたりが高級車を盗んだことから、金融会社社長に裏ビジネスの罪を着せられ手配犯となったチャールズは復讐を誓う。(KINENOTE)
あらすじ:チャールズは切れ者の自動車泥棒で、親友にして恩師である男と仕事をしている。ある日、二人は高級車を盗むが、その車に残されていたPCには、国際金融会社の裏のビジネスの記録が残されていた。金融会社社長は殺し屋を送り込み、チャールズの恩師を殺してPCを回収すると、その罪を彼に被せた。手配犯となったチャールズは復讐を誓う。彼は金融会社の地下深く眠る難攻不落の大金庫から、すべての金を強奪する完璧な計画を立てる。必要なのは、それを遂行できるプロフェッショナルだけ。チャールズは「口から生まれた詐欺師」ヴェンヘデン、「爆薬のプロ」ハリー、「金庫破りの天才にして彼のかつての恋人」ロッキーをスカウトし、計画を実行してゆく。
一方、金融会社側も彼らの動きを察知し…(amazon)
監督・脚本:アラン・ダルボルグ
出演:シーモン・J・ベリエル/アレクサンダー・カリム/トーケル・ペターソン/スザンヌ・トーソン
ネタバレ感想
短い尺で最後まで見せきるだけの娯楽性はある作品。ただし、激賞するほどのスリリングさはなく、クライマックスのピンチもすべて主人公チャールズの計画に盛り込まれていたというオチ。何のモヤモヤもなくスッキリと物語に結末をつけられているところはいいけど、やっぱり作品全体としては小粒な感じは否めない。
あと、チャールズはアレハンドロが殺されるかもしれないというリスクは考えなかったのだろうか。殺されても仕方ないと考えるキャラではないと思うので、殺されない核心があったということだろうが、ちょっとそこは不自然に感じた。
その辺は不問にしておくとして、ともかくこの作品は切れ者のチャールズが銀行経営者のババぁに復讐を果たす過程を描いたものであり、チャールズが相手をからかいつくして結末を迎えるのは当然なのであるが、そのからかいつくし感が少し足りないのである。相手を挑発するようなシーンは金庫のカギを盗みに行った夜の一回くらいしかないので。
で、もう一つ気になるのが、チャールズも含め、キャラの薄さだ。特に爆弾野郎のハゲ親父については、自殺願望があって娘が云々とあるが、その設定がほとんど活きていない。ラストでも彼が家族とどうなったのかはわからん。それだったらただの陽気なハゲ親父として登場させても充分だったと思う。ついでに言うと、チャールズは濡れ衣で、ロッキーは脱獄で、共に指名手配されてるわりに、けっこう堂々と外出しまくっていて、警察はトンマだなと思わざるを得ない。
トンマと言えば、黒幕の銀行側もトンマだ。大きな企業と思わせておいて、ババぁの手下は汚職警官一人だし、ババぁも証拠隠滅のために自分で殺害現場に出向くほどの働き者。なんでそれしか人がいないのよ。どんだけ零細企業なんだよ。…と結局文句ばっかりになったけど、気軽にサクッと観るには悪くない作品でした。
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