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映画『インディアン・ランナー』ネタバレ感想 今見てみると豪華なキャスト

インディアンランナー
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インディアン・ランナー

ショーン・ペン監督処女作にして傑作。彼の監督作だと『イントゥ・ザ・ワイルド』も悪くないけど、俺はこの作品が一番好き。セリフでの説明がほとんどないのに、兄弟の心情がとてもよく伝わってくるのだ。別離が必然とも思える兄弟の感情が、心に深く染み入ってくるすばらしい作品である。ネタバレあり。

―1991年公開 米 127分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:実直な兄と性格粗暴な弟の関係を通じて、兄弟とは家族とは何かを描くドラマ。監督はこれが初演出となる「カジュアリティーズ」等の性格俳優ショーン・ペン。ブルース・スプリングスティーンの『ハイウェイ・パトロールマン』を基に脚本も執筆している。エグゼクティブ・プロデューサーは「テキーラ・サンライズ」のトム・マウント、スティーブン・K・バノン、マーク・ビスグイアー。撮影は「キャット・チェイサー」のアンソニー・リッチモンド、音楽を「リベンジ」のジャック・ニッチェが担当。出演は「逃亡者(1990)」のデイヴィッド・モース、ピゴー・モンテンセン、「ホット・ショット」のヴァレリア・ゴリノほか。(KINENOTE)

あらすじ:1968年、ネブラスカ州プラッツマウス。パトロール警官ジョー・ロバーツ(デイヴィッド・モース)は、抵抗する被害者を正当防衛ではあるが、ハイウェイで射殺、苦い悔恨が残つている。ジョーにはメキシコ人の妻マリア(ヴァレリア・ゴリノ)、と幼い子供が1人、近所には老いた父(チャールズ・ブロンソン)と母(サンディ・デニス)が住んでいた。家族は農業を営んでいたが、時代の波と共に土地を売り払い都市部に移り住んでいった。ジョーにはフランクという兄の温和の性格とは反対に性格粗暴な弟がいた。フランクはベトナム戦争に参加、3年振りに帰ってきたがまたもや何処かへと去っていった。半年後、ジョーはフランクが刑務所に入っているのを知り、その出所の日、彼を迎えにいくがフランクを出迎えたのはドロシー(パトリシア・アークェット)という女の子だった。仲睦まじい2人の姿を見てジョーは名乗り出る事が出来ずに2人の後を追って、ホテルの部屋を訪ね再会を果たすのだった。しかし喜びもつかの間、家族を不幸が次々と襲った。母が死に、そのショックから父も自らの手で命を断ったのだ。ジョーはフランクをなんとか正業に就かせようとするが、彼の理由なき犯罪行為を止められなかった。しかし、ドロシーがフランクの子を身ごもり、ジョーは2人のためにささやかではあるが結婚式をあげさせるのだった。これを契機にフランクは落ち着くかと思ったが、さらにエスカレートしていき、ドロシーがまさに出産するという晩にフランクはバーで泥酔、バーテンダー(デニス・ホッパー)を殺してしまう。逃げるフランクを追うジョー、あともう少しで捕まえられる瞬間、やはり弟を逮捕できずフランクは闇の中に姿を消していくのであった。(KINENOTE)

監督・脚本:ショーン・ペン
出演:デイヴィッド・モース/ヴィゴ・モーテンセン/ヴァレリア・ゴリノ/パトリシア・アークエット/チャールズ・ブロンソン/サンディ・デニス/デニス・ホッパー

ネタバレ感想

デヴィッド・モースがいい

この作品では、特にデヴィッド・モース扮するジョーがいい。常識的すぎて弟のフランクにとっては鼻につく部分もあるんだろうが。ジョーは本当にいいやつだ。彼は農業の夢を捨てざるを得ず、警官として働いている。地元のチンピラみたいのを射殺しちゃって、そいつの両親に恨まれているものの、地元を離れるわけにもいかないから、いろいろ悩む。しかし彼はいい人なので、擁護してくれる地元民も多い。

対照的な兄弟

そんな彼が、ベトナム帰還兵のヴィゴ・モーテンセン演ずる弟、フランクと再会。いろいろあって、彼の面倒を見ることになる。ところがこの弟が社会不適合者なんである。もともと不良少年だったようだが、ベトナムを経験しちゃったことで、さらにヤサグレ者になっちゃっている。

でも、彼も実はまともに生きていたいと思っているのだ。それなのに、自分がうまく世渡りできないことを社会のせいにしたくなっちゃう、心の弱い人間なんである。彼は己の弱さを克服できない。

対照的に、ジョーはフランクと相通ずる考えを持っていながらも、人生に希望を持って生きていこうとしている。そして、お前もそう生きろ。とフランクを説得するのだ。これってフランクにとっては余計なお世話ではあるものの、フランクも実は、そっちの世界に戻りたいとは思っているみたい。だから、恋人と結婚もするし、出産に立ち会おうと一瞬は決意する。だけど、それができないのだ。

フランクのキレどころ

それは彼の直情的な性格にも問題がある。彼が劇中でキレるシーンがいくつかあるが、恋人に対するそれは、なぜ怒るのか俺には意味がわからなかった。だが、ラスト、デニスホッパー扮するバーの店主が、カウンターに流れたジョーの血を雑巾で拭いているときの怒りはなんとなくわかる。兄貴の血をぬぐうなと。たぶんそういうことなんだろう。

だけど、あんなに切れなくてもいいような(笑)。結果として彼は店主を殺害してしまい、町から逃げることに。フランクを逮捕できずに、ジョーは彼の逃走を見送るしかない。ジョーの目には、幼き日のまま、子どものままのフランクの姿が見える。フランクはいつまでも、子どもの頃のフランクだったのだ。

世の中の常識になんて、はまれない

そんなフランクに共感できるセリフがある。兄貴のジョーが「大人になれ」とフランクを説得しているときに彼は言う。「やつらは問題を解く時間もくれねえ。世の常識にぴったりはまっている」。彼のように、常識にはまれない男はどうすればいいのか。行き場はどこにもないのか。その行き場を見つけるために、フランクは妻子を捨ててヤサグレ者の生活を続けるのだろう。

彼は自分をインディアンにたとえる。そして、俺は「メッセンジャー」なのだという。はみ出しものは常に、常識人の常識的生き様を皮肉るかのように、滅茶苦茶な言動をする。そこにこそ、常識人の心をえぐる常識を揺さぶるメッセージがあるのだろう。

ということで、何の救いもない話だけど、非常にすばらしい映画である。男気のある役どころを演じることの多かったチャールズ・ブロンソンが、晩年の役者人生の中で、妻の死に凹んで後を追ってしまう親父を演じているところがまたいい。

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