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映画『ウォーリアー』ネタバレ感想 哀れ、ニック・ノルティ(笑)

ウォーリアー
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ウォーリアー

トム・ハーディの肉体はマジですごかった。あと格闘描写もけっこうすごい。なかなか評価が高い作品なんだけど、さして面白くはなかった。なんでだろうか。それをいろいろ考えつつ、ネタバレあり。―2015年 米 140分―

解説:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディ主演によるアクションドラマ。(KINENOTE)

あらすじ:アルコール中毒の父親から逃れ、母親と家を出たトミーは14年ぶりに実家に戻る。父の指導により、学生時代はレスリングの選手として名を馳せていた彼は、総合格闘技の大イベント“スパルタ”に出場するため、父にトレーナー役を依頼する。一方、トミーの兄、ブレンダンも今は教師として働いていたが、かつては格闘家だった。しかし、娘の病気にかかる医療費のため家計は厳しく、彼に残された道は、総合格闘技の試合で金を稼ぐことだった。再び格闘技の世界へ足を踏み入れた二人は“スパルタ”の舞台で再開する。(KINENOTE)

監督:ギャヴィン・オコナー
出演:トム・ハーディ/ジョエル・エドガートン/ニック・ノルティ/ジェニファー・モリソン/フランク・グリロ

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ニック・ノルティ久しぶりすぎる

ニック・ノルティを本当に久しぶりに見かけたけども、あんまり歳とった感がないのは、俺が80年代や90年代に地上波で見てた頃から皺のあるオッサンだっただからだろうか。にしても、あそこまでしょぼくれた役どころを演じられると何とも言えぬ哀愁を感じるのである。

次男のトム・ハーディが作品中で「酔っぱらっているあんたのほうがマシだ」と親父のノルティに言うんだけど、確かにそう(笑)。酔っぱらってるニック・ノルティはきっと、『48時間』の頃のような、ハチャメチャ親父だったんだろうね。

ノルティが冷たくあしらわれる作品

この家族というか親子の確執の原因はもちろんこの、元アル中親父にある。彼はこの作品で描かれる時間の中では、ほとんど報われることがない。息子は2人とも、そっぽを向いちゃっているから。弟のトム・ハーディのほうは不器用ながらも父に愛情を感じているのは何となくわかるけども、きちんとそれを表現できないのかしたくないのか、けっきょくはすれ違ったまま。

兄貴のジョエル・エドガートンも最後のほうではなんとなく親父と分かりあっているのが見てとれるけども、やっぱり親父は最後まで蚊帳の外だ。もちろん自業自得ではある。

もう少し親父の過去を描写できなかったの?

とは言え、だったらなんで親父を物語に登場させる必要があるんだろうか。彼は『白鯨』のテープをいつも聞いている。そんな描写いるか? 俺は『白鯨』を20代の頃に読んだけども、何も心に残らなくて内容をさっぱりおぼえていない。あれをしっかりと読んだ人なら、この作品でノルティ親父があの作品の朗読テープみたいなのを聞き続けている意味がわかるのだろうか。

なんでもこの話は実話を基にしているんだとか。だとすると、実際の親父も『白鯨』のテープを聞いていた? 別にどっちでもいいんだ、それは。ただ、実話だろうがフィクションだろうが、親父をもう少し掘り下げないと、単なる兄弟愛の話やんけ。それだけ描きたいのなら、親父は登場させなくてもよかったと思う。もしくは、ニックノルティに演じさせないで、モブキャラみたいな役者使えばよかったんじゃないのかなぁ。本当にどうしようもない糞親父だったってことだけ説明したいなら、回想シーンでも使って描けばいいじゃん。ダメなの? ダメ?

次男のトム・ハーディが少しだけ親父に心を開く場面がある。中盤以降、カジノのシーンだ。あそこで珍しくトムは、親父に自分の海兵隊時代の話をする。でも、親父には俺の気持ちなんてわからんだろう的なこと言うのだ。しかし、親父は「俺も軍隊経験があるからわかるぞ」という。なのにトムはそれ以上心を開けない。なんでなんだろうか。そんだけ過去の親父に対する憎しみが強いから? 素直になれないから?

どうして兄貴の絞め技愛は受け入れられるの?

親父の「愛している」という言葉はどうして受け入れられないの? なんでだ? 実話を基にしていたとしてもなんで? だって、兄貴の「絞め技愛してる」は受け入れてるじゃないですか(笑)。その違いはなんなんだろうか。親父は母を見捨てたからだろうか。

息子たちが若い頃、糞親父はアル中だったとしても、何とかそこから復活して作中では息子たちに赦しを請い続ける。そんな親父に対して兄弟どちらもホントに冷たい。アル中親父にも、アル中になった訳があるはずじゃん。ないのかなぁ。俺はあると思うんだけど。

たぶんそれは、次男と少しだけ近付けた時に話す、戦争体験にあるんじゃないかと思うのだ。だとすると、復員後に彼の辛い体験の話を聞く人がいなかったことが、彼がアル中になった原因ではないかと思うのである。仮にそうだとしたら、自業自得とは言えけっこう悲惨だよね。

大人になっても親には自分を愛していてほしい

もちろんそんなのは描かれていない以上、俺の想像に過ぎない。でも、実際に戦争体験をした人の中には、そういう境遇の人もけっこういるんじゃないかと思うのだ。

でもこの兄弟は過去のことは何もかも親父のせいにしている。そらぁ親父のせいなんだけども、大人になってもそれを引きずってるのって子ども過ぎないか? 俺にはこの作品の兄弟たちの考えが最後までよくわからなくて、しっくりこなかったのである。だからやっぱり、親父の過去をもう少し掘り下げてほしかったなぁ。

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軸になるのはニック・チョン演じるファイと、エディ・ポン演じるチーであり、この2人の濃厚な師弟愛が描かれてますな。そして、友情も描かれております。さらに、軽く同性愛な雰囲気も描かれておりますかもしれませぬ。

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