ハンテッド(1995)
アメリカ人のビジネスマンが日本に出張に来て、仕事後にある女をナンパしたら事件に巻き込まれて忍者VSサムライのチャンバラ大戦に参戦することになる滅茶苦茶な話。原田芳雄が主役でいいのにって思っちゃうくらい目立ってるのはいいけど、内容は大したことない。ネタバレあり。
―1995年公開 米 110分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:日本を訪れたアメリカ人ビジネスマンが謎の忍者集団と対決する異色アクション。名古屋はじめ彦根城ほか日本各地のロケ撮影とそれを再現したセットのほか、新幹線内の大立ち回り、各所にみられる監督がファンだという邦画時代劇へのオマージュの数々(劇中のTVで流れる「眠狂四郎女妖剣」の一場面や、「座頭市」、「七人の侍」など)などがみもの。監督は「プリティ・リーグ」「沈黙の戦艦」の脚本を手掛け、本作が監督デビューとなるJ・F・ロートン。製作はジョン・デイヴィス、ゲイリー・W・ゴールドスタイン、脚本はロートン自身、エグゼクティヴ・プロデューサーはウィリアム・フェイ、撮影はジャック・コンロイ、音楽はヤマグチ・モトフミのスコアを鼓童が演奏、美術はフィル・ダゴート、編集はロバート・A・フェレッティ、エリック・ストランド、衣装はリタ・リッグスがそれぞれ担当。出演は「ハイランダー3」のクリストファー・ランバート、「ラストエンペラー」で皇帝夫妻役で共演した「シャドー」のジョン・ローンと「ジャッジ・ドレッド」のジョアン・チェンに加え、日本からは原田芳雄、島田陽子、夏木マリ、岡田真澄らが顔をそろえている。(KINENOTE)
あらすじ:日本、名古屋。商用のため当地を訪れたポール・ラシーン(クリストファー・ランバート)は知り合った美女キリナ(ジョアン・チェン)と一夜をすごす。ところがキリナは突然侵入してきた一級の暗殺者である忍者キンジョー(ジョン・ローン)に殺され、ラシーンも重傷を負う。入院中のラシーンの下に、キンジョーを宿敵と狙うサムライの子孫タケダ(原田芳雄)という男がその妻ミエコ(島田陽子)を伴い、キンジョーが殺しに来ると告げたうえで彼の護衛役を申し出に訪れるが、誰も信用できないラシーンはそれを断る。ほどなくキンジョーの配下が病院を襲撃、警護していた警部(岡田真澄)らを殺戮。ラシーンはからくも逃れ、タケダの元に身を寄せる。3人は新幹線内でキンジョーの愛人であるジュンコ(夏木マリ)を頭とする忍者に襲撃され、罪もない乗員乗客をも巻き込んでの修羅場を演じたが、タケダの奮戦で忍者たちは全滅する。タケダの本拠地のはなれ島へたどりついたラシーンは尊大なタケダに嫌悪をおぼえながらも、タケダの刀鍛冶で大酒飲みの大島(タク・クボタ)と知り合い、彼から剣術を学びながらすごす。一方、ラシーンの行方を追うキンジョーは、タケダから挑戦状を受け取る。タケダは長年の復讐相手をおびきだすため、ラシーンをも利用したのだった。ミエコの手引きで一度は大島と島から脱出をはかるラシーンだったが、死を従容と受け入れたキリナを思いだし、引き返す。その間にキンジョーの残党は島に潜入、激闘の後、タケダの配下と相討ちで死ぬ。キンジョーとタケダは一騎討ちを果たし、死闘の末キンジョーがタケダを倒した。その傍で傷つき横たわるミエコになおも刃をかざすキンジョーをラシーンが阻む。大島伝授の逆手斬りでラシーンはキンジョーと渡り合い、ついにキンジョーの首をはね、引導を渡す。戻ってきた大島とラシーンはミエコと共に、その場を去るのだった。(KINENOTE)
監督・脚本:J・F・ロートン
出演:クリストファー・ランバート/ジョン・ローン/ジョアン・チェン/原田芳雄/島田陽子/夏木マリ/岡田眞澄
ネタバレ感想
ジョンローンと原田芳雄が出てるってことで以前から気になってたのを、DVDで見つけて購入(399円)。主役はクリストファーランパードなんだけど、この人は個人的には特に思い入れがない。日本人では島田陽子、夏木マリ、岡田眞澄が出てて、岡田氏がソッコー死んでて受ける(笑)。そのほか、『ラストエンペラー』でジョンローンと共演してたジョアンチェンも出てて驚き。
てなことで、存在を知っていつつも全然見れてなかった本作をようやく鑑賞。1995年はすでに平成に入っている。当時俺は高校生だったわけだが当時の街の風景、今見ると実に古臭い(笑)。思い出の中では今とさして変わらぬ風景のように思ってたのに、もう30年も前だからねぇ。
とかそんな話はどうでもよくて本編の話。撮影は日本でやってるようで、序盤のほうのジョアンチェンとクリストファーランパードがイチャイチャするシーンの室内の風景なんて、『リトルトーキョー殺人課』や『ザ・ヤクザ』を見本にしたかのような間違えた日本描写に感じた(笑)。まぁでも、それ以外にはそこまでトンデモなセットはなかった感じ。逆にそこを楽しみにしてた俺としては少し拍子抜けとも言える。
ストーリーは忍者VS侍という、わかるようでわけのわからん突拍子もない内容で、細部のつくりもいい加減。ジョンローンがジョアンチェンを殺害したのは依頼を受けたからってのはいいとして、彼女の魂がランパードに移っただのなんだの、だからランパードも殺さにゃあかんとかいう展開をセリフだけで説明しといて、それとは別軸で原田芳雄とジョンローン率いる忍者軍団との200年前からの因縁みたいのまで語られ始めるから、話がごっちゃになるし、それぞれのキャラの掘り下げも大したことないし、みんなやってることがメチャクチャ。
ほかに突っ込みどころとしては、パチンコ屋の少女は未成年の癖になんで 一人であんなところにいるんだよ。しかも、タクシーで帰らされてるし、その後の話に何の関係ない役どころだったという(笑)。
とかまぁいろいろ腐してきたけども、ジョンローンは正直こんな映画に出なくてもよかったのにと思いつつ、対する原田芳雄はとても目立つ役どころでカッコいい。ランパードなんてラストでちょこっと素人剣術で偶然ジョンローンに勝っちゃうだけのおいしい役なだけで、彼がいなくても原田芳雄主役でよかったじゃんと思わなくもない。
特によかったのは、新幹線でのVS忍者軍団戦。忍者たちが運転手殺してたような気がするので、誰の運転で走り続けてんだよと思わなくもないが、ここでの戦闘シーンが今作の白眉で、ともかく原田芳雄がいい。というのは俺が個人的に好きな役者だからってのもあるが、あとの見所は特にない(笑)。
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