あいつだ
妹を殺された男が、執念で犯人を追い詰める話。オカルトっぽい要素も入ったスリラーだが、実話から着想を得ているらしい。内容は普通。ネタバレあり。
―2016年公開 韓 109分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ドラマ『ヨンパリ』などで活躍する韓国の若手実力派俳優チュウォンが主演したスリラー。最愛の妹を殺された兄が、人の死を予知する能力を持つ女性の助けを借りて、容疑者を追い詰めてゆく。1999年に起きた実際の事件にヒントを得て製作された。共演は「ベテラン」のユ・ヘジン、「アトリエの春、昼下がりの裸婦」のイ・ユヨン。(KINENOTE)
あらすじ:ジャンウ(チュウォン)とウンジ(リュ・ヘヨン)は、田舎の漁村に2人きりで暮らす兄妹。両親亡き後、最愛の妹ウンジを養うため、ジャンウは必死で働いていた。そんなある日、ウンジが忽然と姿を消してしまう。必死に行方を探すジャンウだったが、3日後、ジャンウの仕事場でウンジの遺体が発見される。悲しみに沈む中で行われたウンジの魂を慰める救魂祭。その最中、ジャンウは不審な男の姿に目を止める。足早に立ち去ったその男が犯人に違いないと思い込んだジャンウは、他人の死を予知する能力を持つ女性シウン(イ・ユヨン)の協力を得てその行方を追う。やがて、薬剤師のミン(ユ・ヘジン)に辿り着くが……。(KINENOTE)
監督:ユン・ジョンヒョン
出演:チュウォン/ユ・ヘジン/イ・ユヨン シウン
ネタバレ感想
U-Nextで見つけて鑑賞。ヒロインが人の死を予知できるとかいうトンデモ能力を持っている人だし、ラストでは幽霊も出てくるもんだから、完全なフィクションかと思ってたら、実話から着想を得てる話なんだって。
じゃあどの部分が実話に基づいているかというと、主人公のジャンウの妹が殺されちゃって、葬式みたいのをやってるシーン。あれは韓国の民間信仰の儀式らしく、あの赤い布が犯人の足元に流れ着く場面が実話らしい。たぶん、その間にあるヒロインのシウンが巫女の足にしがみついたりするシーンはフィクションだろうけど。てか、あのシーン、何をやってるんか俺にはよくわからんかった。
てなことで、妹を殺されたジャンウがシウンの謎の力も借りつつ執念で犯人を追い詰めていく話ーーなわけだが、サスペンスというには犯人の目星がすぐについちゃって、それがそのままラストに犯人だってわかっちゃうので、少し物足りない。初登場時点で怪しいから、「あいつだ」って思う前に、「こいつだ」って直感的に感じちゃうからね(笑)。
ではオカルト要素がおっかないかというと、そうでもなくて、物語にそれなりに影響はしてはいるものの、だから何なのーーて感じもする。そもそも、韓国映画によくある話だが、この作品でもあまりにも警察が無能すぎてそこが何ともね…。だって、死体が見つかった現場に監視カメラがあるのにそれすら調べようとしてないし。一方のジャンウの捜査というか犯人捜しもかなり特攻精神あふれる無謀さで、人の家に勝手に侵入したりしちゃってるのはいかがなもんか。
要するにそんなに面白い話ではないでありました。言いたかったのは、「あいつだ」になる前に「こいつだ」ってなっちゃうところ。これに尽きる(笑)。
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