失われた殺人の記憶
前の晩に酒を痛飲して朝起きたら昨晩の記憶がなく、自分の妻殺しの容疑をかけられた男が潔白を証明するためにジタバタする話。謎めいた展開は悪くないけど、何とも奥さんが気の毒な残念作品。
―2019年製作 韓 98分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:キム・ハラ監督のデビュー作となるブラックアウト・スリラー。警察から元妻が殺されたと聞かされたジョンホは、昨夜の記憶がないことに気付く。彼は自らの潔白とアリバイを証明するため、昨日一緒に酒を飲んでいたはずの親友・ジンスを訪ねるが…。(KINENOTE)
あらすじ:前夜の記憶を喪失したジョンホは、別居中の妻が殺された事件の容疑者として追われる身に。記憶は蘇るのか、そして身の潔白は? (Filmarks)
監督・脚本:キム・ハラ
出演:イ・シオン/ワン・ジヘ/アン・ネサン
ネタバレ感想
レンタルで鑑賞。韓国映画はアタリが多いんだけど、これだけ業界全体の評価が高まってくると期待値も上がるし作品数も増えるわけだから、当然ハズレ作品に出会っちゃう確率もアップするのは仕方ない。
ということで要するに、この映画はツマラナイ。冒頭の思わせぶりなシーンはけっきょく何の回収もされずに宙ぶらりん。主人公のジョンホについてたシャツの血のりとかも、あんまり説明されてなくないかね。
今作は妻を殺した容疑にかけられてるジョンホが、いかに濡れ衣をはらしていくか、事の真相に迫るのが話の大筋であって、その意味ではラストまで興味を持って鑑賞できる。でも、それが面白いかっていうとそんなことはなくて、何とも残念な作品だ。
主人公が記憶を失くしたのは、アルコールを摂取しすぎたから。それはいい。俺も酒はたくさん飲むので経験がある。しかし、だからこそ違和感があったのは、酒飲んで飛ばしちゃった前夜の記憶ってあんな段階的に蘇ってこないからね。
少なくとも俺はそうで、主人公がやってたように、同席してた人たちから話を聞いたとしても、断片的な記憶として残っているものと照らし合わせることができるくらいで、蘇りはしない。少なくとも俺はそういう体質なので、この作品のように、都合よく記憶が蘇ってる展開に納得がいかないんだよなぁ。
まぁでもそんなのは良いとして、この主人公が稀に見るクズで、最終的には彼が自分の奥さんを殺しているわけじゃないのは判明するんだけども、間接的には原因をつくっているわけだから、ラストにふたたびギャンブルにハマっちゃってるところを見ると、奥さんはメチャクチャ死に損でしかなくて、なんだかなぁという感じ。
ていうか、仕事をクビになったこと打ち明けられない時点で夫婦というか旦那でいる資格ないというか、その割には奥さんがイイ人なので、余計に主人公のクズさが際立つ。役者の顔が物凄くダメ人間ぽさを醸してるところは役者の演技の妙なのか、悪く言うならもともとそういう顔の人なのか、その点についてはよかったかな。
とは言え、クズ主人公を鑑賞するためにつくられた作品ってならそれはそれでいいんだけど、胸糞悪さしか感じられないんだから困っちゃう。登場する警察のやつらもアホだし、無能だし、親友役の男が犯人かとミスリードさせるのはいいけども、彼も何であんなにこんなクズ男の面倒見たり、金貸してやったりしてたのか、意味不明。何か弱みでも握られてない限り、付き合いたくないだろ、あんな奴。
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