エンド・オブ・ロード (2022)
旦那を亡くした女が家を売って、娘と息子と弟を連れて引っ越すことに。車を走らせる中で、ある事件に出くわした家族は、謎の悪人の金をめぐって命を狙われる羽目になる。黒人に対して排他的な土地の人間に立ち向かう、家族たちの絆を描いたロードムービー。ネタバレあり。
―2022年配信 米 91分―
解説:家族と共にアメリカ横断の旅に出た主人公がトラブルに巻き込まれ、家族を守ろうとする姿を描くスリラー。車で移動していたある家族が、ニューメキシコの砂漠地帯で謎の相手に命を狙われる。監督を務めるのはドラマシリーズ「9-1-1:LA救命最前線」などのミリセント・シェルトン。ヒップホップアーティストとしても活動する『ジョイフル♪ノイズ』などのクイーン・ラティファのほか、『ワイルド・スピード』シリーズなどのクリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ボー・ブリッジスらが出演する。(シネマトゥデイ)
あらすじ:夫を亡くしたブレンダ(クイーン・ラティファ)は、二人の子供と弟のレジー(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)を乗せて引越しのために車を走らせる。モーテルに宿泊した彼らは、隣の部屋で起きた殺人事件を偶然目撃してしまい慌てて逃走する。しかし事件現場からドラッグがらみの大金が消えていたことで、ブレンダたちは危険にさらされる。(シネマトゥデイ)
監督:ミリセント・シェルトン
主演:クイーン・ラティファ/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/ボー・ブリッジス
ネタバレ感想
ネットフリックスで見つけて鑑賞。保安官役でボーブリッジスが出てた。この人はいろいろな作品に出てるけども、弟のジェフブリッジスほどには有名ではなくて、さらに弟ほどかっこよくもない感じが悲しいが、まさにその弟と共演した『ファビュラスベイカーボーイズ』がとても良い作品なのでおススメ。
で、今作のボーブリッジスは、最初は地域の治安を守る非常に優秀な保安官って感じで登場してくる。ところが中盤くらいで唐突に豹変し、黒幕であることが暴露されるのだ。オイオイオイ、おまんがクロスかよってのが判明してからの展開はなんか主人公家族たちが殺人鬼に追われるホラーみたくなってくる。
でまぁ、血みどろの闘争の後、家族は一命をとりとめてハッピーエンド。まぁ別にそれでいいんだけど、クロスというボスが率いる組織は、作中のエリアではかなり名高い悪党集団っぽく描かれてて、ならずモノっぽい白人たちの集落にすらその悪名が轟いてて、関わりたくないと思わせる存在ってな感じに描かれてるのに、蓋を開けてみれば、単なる初老の保安官とその奥さんが一味だったという小粒感。
保安官としての権力を使えば悪さはできるだろうし、部下たちを悪いことに使うこともできるだろうけど、そういう組織的動きとかは皆無。老夫婦が二人で主人公たちに襲い掛かってくるという。何とも拍子抜けな感じであった。とはいえ、あのババぁの気のふれた感じの殺人鬼っぽさには笑わせてもらったが。
ついでに、主人公の母ちゃんは不正を働くのが嫌いな人らしいが、けっきょくは事の発端となる、弟がくすねようとした大金を懐に入れることを認めちゃってるのはいかがなもんか。だったら最初から金を奪うくらいには誠実すぎないキャラ設定にしたほうが良い気もするが、そうだとすると物語に破綻が生じるので、あの、娘と息子に説得されて渋々大金をいただくことにしたって流れにするしかなかったんだろう。けど、何だかね…。
そもそも、リュダクリス演じる弟が家族を危険にさらすことになったわけなのに、愛する弟だからって彼のやったことを有耶無耶にして許しちゃってて、最後にはけっきょくクスねてきた金を一緒に頂戴しちゃうという。この、家族なら何でも許しち合えちゃうよってな感じが終始物語全体に漂ってて、そこがなんか押し付け感があって嫌だ。
主人公たちは黒人一家で、目的地に向かう途中に白人たちから嫌がらせを受けるわけで、その辺の描写を通じて黒人の強さを描きたかったってことだろうか。よくわからん。にしても、この主人公の母ちゃんが強すぎちゃって、ならず者白人の集落での暴れっぷりとかをみるに、冒頭のほうで出てくる胸糞悪い白人2名も謝ったりしないで、ぶちのめしちゃう展開のほうが溜飲が下がってよかったのになぁ。もしくはあの二人を再登場させて、どっかのタイミングでぶっ殺しちゃうとか(笑)。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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