フェイシズ
殺人犯に襲われた際の事故で自分も含め、人の顔が判別できなかった女性が殺人犯の陰に怯えながらジタバタする話。ミラジョボビッチは美人だが、ストーリー自体はさほど面白くない普通作品。ネタバレあり。
―2011年製作 米=仏=加 102分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:連続殺人犯の顔を目撃しながらも、人の顔が判別できない相貌失認に陥ってしまった女性の姿を描くサスペンス・スリラー。監督・脚本は「ブラッディ・マロリー」のジュリアン・マニャ。出演は「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のミラ・ジョヴォヴィッチ、「RED レッド」のジュリアン・マクマホン、「赤ずきん」のマイケル・シャンクス。(KINENOTE)
あらすじ:ニューヨーク・イーストサイドを騒がす、女性ばかりを狙った5件の殺人事件。殺してレイプしたあとは泣く、というそのシリアルキラーに名付けられたあだ名は“涙のジャック”。手がかりは一切なく、迷宮入りしかけていた頃、6件目の犯行が起こる。目撃者は小学校の教師、アンナ・マーチャント(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。彼女はエリートの恋人プライス(マイケル・シャンクス)と順風満帆な生活を送り、結婚を目前に控えていたが、ある日突然、人生が一変してしまう。親友のフランシーン(サラ・ウェイン・キャリーズ)、ニナとバーで飲んだ帰路途中に、“涙のジャック”が被害者を惨殺する現場を目撃。震えながらも、声を押し殺し逃げようとするアンナだったが、その瞬間、携帯が無情にも鳴り響く。アンナは必死に逃げるが“涙のジャック”に捕まり、ナイフで切りつけられ、川に落とされる……。アンナが目を覚ましたのは病室だった。1週間昏睡状態に陥っていた彼女の目の前に3人の見知らぬ人間がいた。3人は、恋人のプライス、親友のフランシーンとニナだと名乗るが、アンナにはわからない。彼女は一命を取り留めるも、橋から落ちたときのショックで相貌失認<人の顔が判別できない症状>になってしまったのだ。目撃したはずの犯人の顔がまったく思い出せないアンナは、事件の担当刑事ケレスト(ジュリアン・マクマホン)やプロファイラーのラニヨン(デヴィッド・アトラクチ)に協力するため、ランゲンカンプ医師(マリアンヌ・フェイスフル)の治療を受けて、必死に記憶を呼び起こそうとするが、捜査は一向に進まない。家族や恋人の顔がわからないことから、ますます混乱状態に陥っていくアンナ。そんな彼女に“涙のジャック”の影が忍び寄ってくる。やがて、7人目、8人目の被害者が発見された……。(KINENOTE)
監督・脚本:ジュリアン・マニャ
出演:ミラ・ジョボビッチ/ジュリアン・マクマホン
ネタバレ感想
Amazonプライムで見つけて鑑賞。個人的に、ミラジョボビッチにはあまり思い入れがなく、このブログでも彼女の出演作を紹介するの初めてかも。なんというか、あんまり大した作品に出てないよね、この人。『バイオハザード』シリーズとか、名のある映画には出てるんだけども、その作品自体がそんなに面白くないせいか、印象に残らない。
であるが、今作を観てみるとなかなか美人な女優で、この作品についてはそこが見どころになっているように感じた。というか、他にないからそうなっちゃうともいえるんだが(笑)。
相貌失認とかいう脳障害があることを今作で初めて知った。自分の顔も含めて人の顔を見分けられないってのは、かなりツライですな。その辛さが今作ではよく分かるようになってて、この相貌失認を抱えちゃってるアンナという女性が、殺人鬼の陰に怯えるーーという設定が今作の肝であり、面白ポイントになっているわけだ。そんで、実際にその面白さの片鱗みたいのは見せてくれるんだけども、何だか物足りない感じもある。何でだろうか。
アンナは殺人犯を目撃してるけど、人の顔が見分けられないので、彼女に接してくる男のすべてが鑑賞者からしては怪しいわけで、恋人のプライス、刑事のケレストなんかは怪しさの筆頭戦士であり、その辺の展開はなかなかうまくできているように感じた。
で、最終的に犯人はプロファイラーのラニヨンってことが判明するんだけども、何かその辺がいい加減なんだよなぁ。こいつは過去に何人も女性を殺してて、母親がラニヨンに殺されるとこを目撃しちゃって喋れなくなっちゃった少年が出てくるけども、何でこの少年はラニヨンの世話になっていられるんだろうか、その辺が意味不明。
喋れないんだからラニヨンが殺人犯であることは言えないにしても、他に伝える方法はたくさんあるはずだと思うんだけどなぁ。もう少しこの少年が物語に絡んでくるのかと思ったんだが、全然そんなことはなかったのがもったいない。
ついでに、ケレストがアンナに惚れてるってのはいいとして、アンナが急速にこいつに魅かれていくところも強引すぎる感じ。ソッコーで交尾しちゃってるところも何だかなぁ。あそこで愛しあってないとラストのオチがつかないってのはわかるにしても、説得力に欠ける展開ではあった。
ついでに、なぜかアンナはケレストの顔だけは見分けがつくことがわかり、これも彼女がケレストに魅かれていく一因なのかなぁとは思わせる。俺は勝手に、犯人の顔だけは本能的というか無意識的に覚えているんかなぁと予想してたんだが、全然そんなことはなく、単に髭面が印象的だっただけという(笑)。
なんなんだよそれ、あんな髭面たくさんいるだろ。ちなみにこの髭面が伏線になって、ラニヨンとの最終決戦に役立つ。この時点でケレストは髭を剃ってるわけだが、顔面についてた血が髭っぽく見えたから、アンナはラニヨンと見分けをつけることができたという(笑)。
致命的におかしいのは、プレストとの別れのシーンにラニヨンが介入してくるところ。介入というか、プレストを呼び出したのはアンナの携帯を使ったラニヨンだったのだ。それをアンナの呼び出しと勘違いしたプレストはアンナにプロポーズして撃沈したうえに、トイレで殺されるというかなり悲惨な目に遭っちゃって気の毒(笑)。
おかしいのは、ラニヨンが持ってるアンナの携帯とアンナが現在使っている携帯は違うわけで、アンナはメールアドレスとか変えてないとおかしい。だって、殺人犯が旧携帯を持ってるのは知ってるんだから、おなじアドレスを二つの携帯で使えるような状態になんてしておくはずがなく、誤認のしようがないと思うんだよなぁ。
とまぁ、文句とツッコミばっかだが、冒頭にも述べたように今作のミラジョボビッチは美人なので、そこは観て良かったと思えるポイントであった。
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