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映画 ドライビングMISS(ミス)デイジー ネタバレ感想 気付けない差別がある

ドライビングミスデイジー
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ドライビング・MISS・デイジー

ある金持ち未亡人で年寄りのユダヤ人女性が、息子の雇った黒人運転手と交流を深めるうちに友情を育んでいく人間ドラマ。それなりにハートウォーミングな話ではあるが、黒人差別の現実を描写している意味では、なかなか風刺的で悲劇的な内容でもある。ネタバレあり。

―1990年公開 米 99分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:白人の老婦人と黒人の運転手の心の交流と友情を25年の時の流れの中で描くドラマ。エグゼクュティヴ・プロデューサーはデイヴィッド・ブラウン、製作はリチャード・D・ザナックとリリ・フィニ・ザナック、監督は「ロンリー・ハート」のブルース・ベレスフォード、脚本・原作戯曲はアルフレッド・ウーリー、撮影はピーター・ジェームズ、音楽はハンス・ジマーが担当。出演はジェシカ・タンディ、モーガン・フリーマンほか。89年アカデミー賞作品、脚色、主演女優(ジェシカ・タンディ)、メーキャップ賞受賞。(KINENOTE)

あらすじ:48年、夏。長年勤めた教職を退いた未亡人のデイジー(ジェシカ・タンディ)は、ある日運転中に危うく事故を起こしかけ、母の身を案じた息子のブーリー(ダン・エイクロイド)は、彼女の専用の運転手としてホーク(モーガン・フリーマン)という初老の黒人を雇う。しかし典型的なユダヤ人で、元教師のデイジーには、運転手なんて金持ちぶっているようで気性が許さなかった。どうしても乗車拒否を続けるデイジーは、黙々と職務に励む飄々としたホークの姿に根負けし、悪態をつきながらも車に乗ることになる。こうして始まったデイジーとホークの奇妙で不思議な関係は、1台の車の中で、やがて何物にも代えがたい友情の絆を生み出してゆく。そして25年の歳月の流れの中で、初めてホークはニュージャージー州外を旅し、またデイジーはキング牧師の晩餐会に出席したりした。いつしか頭がボケ始めたデイジーは施設で暮らすようになり、長年住み馴れた家も売ることになった。しかしデイジーとホークの友情は、変わることなく続くのだった。(KINENOTE)

監督:ブルース・ベレスフォード
音楽:ハンス・ジマー
出演:モーガン・フリーマン/ジェシカ・タンディ/ダン・エイクロイド

ネタバレ感想

確か10代の頃に一回鑑賞してて、その時には「いい話だったなー」とか思ってそのまま内容を完全に忘れてたんだけども、こうしてあらためて鑑賞してみると、そんなハートフルな話でもなかったんだなぁということに気付いた。

デイジー婆さんは運転手のホークと友情を育んだつもりでいたわけだが、あれはホークがなかなか出来た人間(従順なだけーーとも言える)だから成り立つのであり、ホークからしてみればあれは友情だったんだろうか。

もちろん彼女に対する情はあっただろうから、最後までああいう献身性を見せられたんだろうとは思う。思うけども、あれが友情かと言われるとそうでもなく、ホークからみたらやっぱり主従関係なんではないか。介護もなんもしてなくとも、給与は息子のブーリーから支払われ続けてるわけだし。

デイジーは「私は差別主義者じゃない」と言ってるけど、差別をしている自分に気付いていないだけで、差別はしている。例えば、ホークに対して友情を感じていると告白しながらも、食事を一緒のテーブルでしようとは誘わない。ホークは食事をする彼女の部屋を後にして、別室で一人ご飯を食べるのだ。ラストでこの2人はテーブルを共にはする。しかしそれは、二人でする食事ではなくホークが彼女にご飯を食べさせてあげている介助である。

どっちが善人でどっちが悪人とかそういうのではなく、同じ人間であるのに、上記したような見えない差別意識が働いてしまうことの悲哀をこの作品は訴えているのであり、それは別に、この2人だけでなく、アメリカ人だけでなく、今を生きる人間全員、もちろん俺に対してもそういうことを突き付けているのであろう。

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