デトロイト
怒りに燃える黒人と暴動を鎮めようとするデトロイトポリスの間に起こる血みどろの闘争を描いた作品かと思っていたら、少し違った。描かれるのはクソポリスが一方的に、ある黒人グループを尋問する過程とその結末。警官や司法の横暴が最後まで胸糞悪い恐ろしい作品だ。ネタバレあり。
―2018年 米 142分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグローが、1967年暴動発生時のデトロイトで実際に起きた事件を映画化。暴動発生から2日目の夜、銃声の通報があったモーテルに警察が乗り込む。何人かの警官が捜査手順を無視し、宿泊客に不当な尋問を始める。出演は、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールター、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のアンソニー・マッキー。(KINENOTE)
あらすじ:1967年夏、デトロイトで暴動が発生。その2日目の夜、街が戦場と化すなか、ミシガン州兵隊の集結地付近で銃声の通報がある。捜索押収のため、デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊がアルジェ・モーテルの別館に乗り込む。捜査手順を無視した何人かの警官がモーテルの宿泊客たちに不当な強制尋問を行い、誰彼構わず脅迫し自白を強要する“死のゲーム”が始まる……。(KINENOTE)
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ/ウィル・ポールター/ジャック・レイナー
ネタバレ感想
最初から最後まで辛い映画である。作品としての出来がどうとかはあまり言及する気にはなれんが、事実を基にした話ということで、鑑賞後、誰もがいろいろ思うところはあるだろうし、現在のアメリカでもこれと似たような警官の横暴は起こっているようなので、一度は鑑賞しといてもよいと思った。
鬼畜なキラーポリスを演じた役者は、終始ムカつくし憎たらしいがそう感じさせるのは役者の演技の妙。何とも酷い差別感情だが、こうした意識は人間の成長過程や日々の暮らしの中のどこで育まれるものなのか。そこに興味がわく。
それを知ることは、自分の中にある自分でも気づいていない何かに対する差別感情を露わにする助けになると思うので。
意識の高低はあるものの、自分の中に何かに対する差別感情があるとしたら、知らぬ間にそれをぬくぬく温め育てている可能性がある。この作品は、他人事の話ではないのだ。
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