フローズン・グラウンド
いつも困った顔をしているニコラス・ケイジが、刑事に扮して連続殺人の容疑者と思われるジョン・キューザックを追い詰める話。事実をもとにした作品だそうです。ネタバレあり。
―2013年公開 米 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アラスカ・アンカレッジで実際に起きた女性連続殺人事件を基に、本作で長編劇場映画デビューを飾るスコット・ウォーカー監督が映画化。犯人の魔の手から逃げてきた唯一の被害女性を守りながら犯人逮捕に燃えるアラスカ州警察巡査部長と容疑者の息詰まる攻防を描く。出演は「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジ、「ハイ・フィデリティ」のジョン・キューザック、「スプリング・ブレイカーズ」のヴァネッサ・ハジェンズ。(KINENOTE)
あらすじ:1983年、アラスカ・アンカレッジ。17歳の娼婦シンディ・ポールソン(ヴァネッサ・ハジェンズ)が、モーテルの部屋で手錠に繋がれ叫び声を上げているところを警察に保護された。彼女は指名した男に殺されそうになったと警察に話すが、その男、ボブ・ハンセン(ジョン・キューザック)にはアリバイがあり、町の善良市民と言われている人物であった。そんな彼を警察は疑う余地はなく、娼婦の客とのトラブルということで事件を握りつぶそうとする。だが彼女を助けた警官は納得がいかず、事件の調書書類を上司に黙って州警察に送るのだった。同じ頃、ニックリバー沿いの平原で身元不明の少女の無残な遺体が発見された。事件を担当するのは、退職間近のアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコム(ニコラス・ケイジ)。彼はここ最近立て続けに変死体が見つかっていたことから、同一犯の仕業ではないかと考える。そんな中、町警察から届いたシンディの事件の調書を見たハルコムは、彼女が告発したハンセンを調べることにする。シンディから真相を聞くため、ストリップクラブや、娼婦、麻薬中毒者たちが出入りする場所を回るが、彼女はどこにも見つからない。ところがハルコムが警察に戻ると、そこにシンディ本人が待っていた。彼女は自分がレイプされ、その男に殺されそうになったが、男が軽飛行機を準備している間に辛うじて逃げることができたと説明する。一方、州警察ではハンセンが過去にいくつかの事件を起こしていた事実を調べ上げる。過去の事件から限りなくクロに近い犯人であると確信するハルコムだったが、彼を捕まえるには決定的な証拠がない。ハルコムは唯一の生き証人であるシンディを証言させるために説得を試みる……。(KINENOTE)
監督・脚本:スコット・ウォーカー
出演:ニコラス・ケイジ/ジョン・キューザック/ヴァネッサ・ハジェンズ/ラダ・ミッチェル/カーティス・“50 Cent”・ジャクソン
ネタバレ感想
ハンセンを追い詰めろ!
ジョン・キューザック扮するハンセンが事件の犯人であることは、物語の序盤のほうで判明する。なので、犯人捜しのミステリーではない。
このハンセン、過去に窃盗だのなんだの、いろいろの犯罪を犯しているものの、物語の舞台であるアラスカに移り住んでからはパン屋の経営で成功していて、それなりに町の名士になっているようだ。
しかし彼は、娼婦を買っては殺害している鬼畜野郎なんである。で、そんな彼を、困った顔のケイジ部長刑事が追い詰めていく話である。
やったもん勝ちな結末…
ちょいと調べたところ、このハンセンなる殺人犯は、自家用飛行機で娼婦を別荘に連れていき、彼女らを暴行したのち外に逃げさせては、猟銃で狩りを楽しみつつ銃殺していたという残忍な男だったようだ。
この作品では、証拠が見つからないために自白で殺人を認めさせることになるわけだが、実際の彼は、なんで逮捕できなかったのかようわからんくらいに酷いことをたくさんしていたようである。
自白したハンセンは禁固461年の刑でぶちこまれたらしい。かなりオーバーキルな年数ではあるが、当然ではあるわな。10人以上もの女性から本来生きられる時間を奪ったとも言えるんで、400年とかじゃ足らん。
アラスカ州には死刑制度がないらしく、死刑にはならんのだそうだ。まぁ死刑にすりゃいいかっていうとそういう話でもないんだけど。にしても、罪人にどんな罰を与えるのかってのは、なかなか難しい問題だ。寿命以上にムショにいれとく判決って何か意味あるのかなぁ。罪の重さを表すことはできてても、罰になっていないような。いろいろ事情はあるんだろうけど、全然その辺は詳しくないので、そろそろやめておく。
ハンセンは75歳、獄中で息を引き取ったそうです。やったもん勝ちみたいで嫌だね。
ちなみに、エンドロールで犠牲となった女性たちが写真入りで公表されてたけど、写真を入れる必要なんてあるんだろうかと疑問に思った。
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