グラウンドブレイク 都市壊滅
1988年にアルメニアで実際に起きた地震をもとにして製作された映画。タグにノンフィクションを入れているのは、描かれているドラマが実話が下敷きになっているようなので。ネタバレなし。
―2016年製作 芽・露 105分―
解説と予告・スタッフとキャスト
解説:巨大地震の絶望と希望を描くディザスターパニック。石造りの重厚な建造物が建ち並ぶ街で巨大地震が発生。建造物が石の塊となって頭上から降ってきて、街は一瞬にして壊滅状態になる。生き永らえた男たちは心をひとつにし、人命救助に動き出すが…。【スタッフ&キャスト】監督:サリク・アンドレアシアン 脚本:Sergey Yudakov 製作:ゲヴォンド・アンドレアシアン 撮影:Yuriy Korobeynikov 出演:コンスタンチン・ラヴロネンコ/Viktor Stepanyan/Tatev Ovakimyan/Maria Mironova(KINENOTE)
(attoenter2)
監督:サリク・アンドレアシアン
出演:コンスタンチン・ラヴロネンコ/ヴィクター・ステパニヤン/タイトフ・オーヴァキミヤン/マリア・マイノロヴァ
アルメニアで実際に起きた地震の話
この地震は1988年に実際に起きたそうだが、当時小学生だった俺の記憶には全く残っていなかった。なんでも震源の都市からさほど離れていないところに原発もあったらしい。でも、被害はなく稼働していたそうだ。シチュエーションは異なるし、日本のは津波の影響が大きかったとはいえ、イカれちゃったことを考えるとなんだかねぇ。
俺はアメリカ映画に毒されすぎているのか、ディザスター系のパニックムービーだと思いこんで本作を借りた。ところがそんなことはなく、被害にあった人々たちの三者三様の物語が描かれる群像劇である。
群像劇の中心は2人の人物
主軸になるのは、交通事故で家族をなくした青年と、その事故を起こして8年間刑務所でのお勤めを終えて家族のいる街に帰ってきた男である。この2人が力を合わせて瓦礫の下敷きになってしまった女性を助けたり、その他いろいろしたりしているうちに、お互いの過去をそれぞれの交流の中で清算していく様が描かれる。
それにプラスして、彼らの周辺人物たちの活動もラストに向かっていろいろと動いていくという。基本的には地震のシーン以外は淡々と物語が進み、それぞれの背景を近すぎず、遠すぎずな形で描写するので、掘り下げが少なくも感じるが、それ以上掘り下げるほどの深い話もないだろうと思わせる。
不可ではないけども、可以上ではない。
こういう状況そのものが非日常であるわけなんで、その状況に置かれた人たちがまずは肉親や身近な人の安否のために右往左往するのは当たり前のことだ。だから、事実をもとにした映画である以上、それらが描かれるのも当然なのである。それは俺自身はさほどの被害はなかったものの、2011年の地震を体験した人になら、わかることだろう。
ということで、パニックムービーとして期待して観ると肩すかしだが、群像劇として観れば、わかりやすく最後まで観られる作品である。ただ、面白いのかと言われると、普通な映画であって深く心に残る何かがあるわけではない。
コメント