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映画 ザ サークル ネタバレ感想 完璧な監視社会の到来は近いか

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ザ・サークル

何の気なしに見たらけっこうおっそろしい内容の作品だった。このサークル社のモデルになっているのは、グーグルとAppleとフェイスブックかな? ネット社会の行く末を予見したような感じのストーリーで、今の社会もこの方向にズンズン進んでいるんだろうなと思った。ネタバレあり。

―2017年公開 米 110分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:エマ・ワトソンとトム・ハンクスの共演でSNSを題材にしたサスペンス。巨大SNS企業サークルに就職したメイは、カリスマ経営者ベイリーから、生活のすべてをネットでシェアする新サービスのモデルケースに抜擢され、膨大なフォロワーを集めるが……。「人生はローリングストーン」のジェームズ・ポンソルト監督が、原作者デイヴ・エガース(「王様のためのホログラム」)と共同で脚本を執筆し、映画化した。「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ、「6才のボクが、大人になるまで。」のエラー・コルトレーンなど注目のキャストが共演。2017年2月に亡くなったビル・パクストン(「タイタニック」)の遺作となった。

あらすじ:世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業“サークル”。憧れていたこの企業に採用された新人のメイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけに、カリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)の目に留まり、新サービス“シーチェンジ”のモデルケースに大抜擢される。それは、サークルが開発した超小型カメラを使って、生活のすべてを世界中にシェアするというものだった。自らの24時間をカメラに晒したメイは、瞬く間に1000万人超のフォロワーを得て、アイドル的な存在となるが……。(KINENOTE)

監督:ジェームズ・ポンソルト
原作:デイヴ・エガーズ:(『ザ・サークル』早川書房)
出演:エマ・ワトソン/トム・ハンクス/ジョン・ボイエガ/カレン・ギラン/エラー・コルトレーン/ビル・パクストン

ネタバレ感想

俺はけっこう自分をアナログな人間と思っているけども、スマホがなくては生活が成り立たないくらいに重宝しているわけで、本作で描かれる内容を恐ろしいなと思いつつ、この映画もスマホで鑑賞してたことに気付いた。

エマワトソン演じる主人公のメイはいい大学出てるんだけども、どっかの会社のカスタマーサービスみたいな仕事してて、それが不満。「自分の能力を発揮できる仕事がしたい」と思っている。

そこへサークル社で働く友人のアニーが手をまわしてくれて、この優良企業の面接にこぎつけ、見事、採用に至る。サークル社の福利厚生はかなり充実していて、社内の設備も最先端。かなりリア充な職場である。本来は内向的な女性だったメイではあるが、この会社の空気に乗せられて自分もどんどんとその社風に染められていく。

地元には彼女に好意を持っているシャンデリア職人がいる。彼はメイがデジタル社会に染まっていく現状を何とかしたいけど、無理。メイは何かの違和感を覚えつつも、承認欲求を満たしてくれるサークル社でどんどん頭角をあらわしていく。

で、彼女はサークル社の新サービスを対外的にアピールするためのアイドル的存在になっていく。彼女は自分の生活の一部始終をさらす生活を始めるようになるのだ。その結果どうなっちゃうのかという話。

主役のメイが想像力がない女の子なので、感情移入ができない。彼女は先にも触れたように、サークル社のサービスに違和感を覚えているのに、自分の父親の介護のケアまでしてくれる会社から、抜け出すことができない。ある意味では両親を人質に取られているようなもんなんだけど、そういうことには気付かない。そして、あろうことか自分の私生活をさらしてまで、サークル社のサービスを肯定しだすのである。

この会社の経営陣は、意図的なのかどうなのかわからんが、政府をも牛耳れる支配者への道を歩んでいる。しかもその対象は自国どころではなく世界全体だ。世界中にサークル社のSNSを利用している人がいて、そのユーザーの個人情報をすべてデータベースとして保有しているのである。しかも、携帯できるビデオカメラまで世界中にばらまいているため、やろうと思えば一人ひとりの生活を監視できるのだ。

この会社は世の中を監視社会にしようとしているのである。それは、常に自分が見張られていることを知っている人間は、犯罪を犯すことができないという人間心理を突いたもので、相互に監視し合うことでクリーンな世の中をつくろうとするものである。

確かにそれって一面的にはいいことだ。劇中でも描かれるように、政治家が常に国民に監視されていれば、クリーンな活動をせざるを得なくなるだろう。名誉欲や権力欲のために生きるのでなく、国民のために生きるようになるだろう。これって思うに、性悪説に基づいた戦略っぽいね。

相互に監視し合う社会は、人から自由を奪う。おちおちオナニーもできないし、立小便もできない。当然、セックスだって誰かから見られちゃうかもしれない。そして、気になった異性を常に監視し続けるストーカーも増えるはずだ。そんな社会のどこがいいのか。そんな生活はまっぴらごめんですと思う人は多いだろう。俺はそう思う。

ところがだ、ところが今の世の中は間違いなくこの映画で描かれたような世界に突入しているのである。もうその流れは個人の力では止められそうにない。じゃあみんなで何とかしないといけないんだが、かくいう俺も、スマホやSNSを使っているわけで、今の生活を支える便利なツールを捨てたいとは思っていない(ちなみにSNSはブログのためにやってるだけなので、なくなっても構わない)のである。じゃあ、どうにもならんじゃんということだが、要するにこれって、リテラシーの問題なのだ。使う側の人間の問題なのだ。

だから、仮に監視社会的に世の中が進んだとしても、この映画に出てくるような、野次馬根性むき出しで人の生活に土足で踏み込んでそれを撮影するような奴、人の生活を観て楽しみながら、無責任な発言をする奴、ただ自分の承認欲求満たすためだけとか、逸脱した人を非難することを楽しみにしたいだけの腐れ人間たちのようなデジタルツールの使い方だけはすまい――と思うのである。

てなことで、ほぼ現実社会を描いたような内容で恐ろしく、なかなか楽しめたのであるが、主人公に魅力がないのと、細部の適当さやラストの描き方などはいかがなもんかと思ったのも確か。

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